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ある晴れた日に森林浴をしていると、人影のようなものが見えた。
近付いてみると、その影は人間とは思えない姿をしている。三本の角。二匹の白蛇。暗い緑色の肌。
「あっ!」と声を上げてしまった私の方を振り返った。瞳は伏せられている。
「ボクが視えるの……?」
「見え、ます…………」
私は、恐る恐る自分の名前を告げ、一礼した。
「ボクは、レタエ・ディズァー。よろしくね」
「はい」
レタエさんに、ここで何をしているのか訊かれたので、「森林浴です」と答える。
「森が好きなの?」
「ええ。私、自然が好きなんです。他には、山でソロキャンプしたり、海でサーフィンしたりもしますよ」
「楽しそうだね」
「はい。ちょうど、お茶にしようと思っていたんですけど、よかったらご一緒にどうですか?」
「それじゃあ、遠慮なく」
私たちは、レジャーシートの上に座り、向かい合った。
リュックサックから魔法瓶とふたり分の紙コップを取り出し、ほうじ茶を用意する。
「どうぞ」
「ありがとう」
温かいお茶を飲み、一息ついた。
「レタエさんは、何をされてたんですか?」
「ボクは、歌を唄ってた」
「歌……そうなんですね…………」
確かに、ここでなら思い切り歌ってもよさそう。
「お茶のお礼に、一曲歌うよ」
「わあ。ぜひ!」
レタエさんの歌は、聴いたことがないものだったけど、不思議と懐かしい気持ちになる。
歌い終えたレタエさんは、会釈をした。私は、力いっぱい拍手をする。
「素敵な歌声でした」
「ありがとう」
そういえば。
「私が作ったどんぐりのクッキーがあるんですが、食べられます?」
「いただきます」
ふたりでクッキーを食べながら、しばらく好きな歌の話をした。
話が一段落したところで、「キミは、不思議な人だね」と、レタエさんは言う。
「そうですか? 私は、平凡な人間ですけど」
「その、ごく普通の善性を持っていられるのは、素晴らしいことなんだよ」
しみじみと言われた。
私がそのようにあるのだとしたら、あなたもそうだからだと思う。
他者は、時に鏡のような姿をしている。
近付いてみると、その影は人間とは思えない姿をしている。三本の角。二匹の白蛇。暗い緑色の肌。
「あっ!」と声を上げてしまった私の方を振り返った。瞳は伏せられている。
「ボクが視えるの……?」
「見え、ます…………」
私は、恐る恐る自分の名前を告げ、一礼した。
「ボクは、レタエ・ディズァー。よろしくね」
「はい」
レタエさんに、ここで何をしているのか訊かれたので、「森林浴です」と答える。
「森が好きなの?」
「ええ。私、自然が好きなんです。他には、山でソロキャンプしたり、海でサーフィンしたりもしますよ」
「楽しそうだね」
「はい。ちょうど、お茶にしようと思っていたんですけど、よかったらご一緒にどうですか?」
「それじゃあ、遠慮なく」
私たちは、レジャーシートの上に座り、向かい合った。
リュックサックから魔法瓶とふたり分の紙コップを取り出し、ほうじ茶を用意する。
「どうぞ」
「ありがとう」
温かいお茶を飲み、一息ついた。
「レタエさんは、何をされてたんですか?」
「ボクは、歌を唄ってた」
「歌……そうなんですね…………」
確かに、ここでなら思い切り歌ってもよさそう。
「お茶のお礼に、一曲歌うよ」
「わあ。ぜひ!」
レタエさんの歌は、聴いたことがないものだったけど、不思議と懐かしい気持ちになる。
歌い終えたレタエさんは、会釈をした。私は、力いっぱい拍手をする。
「素敵な歌声でした」
「ありがとう」
そういえば。
「私が作ったどんぐりのクッキーがあるんですが、食べられます?」
「いただきます」
ふたりでクッキーを食べながら、しばらく好きな歌の話をした。
話が一段落したところで、「キミは、不思議な人だね」と、レタエさんは言う。
「そうですか? 私は、平凡な人間ですけど」
「その、ごく普通の善性を持っていられるのは、素晴らしいことなんだよ」
しみじみと言われた。
私がそのようにあるのだとしたら、あなたもそうだからだと思う。
他者は、時に鏡のような姿をしている。
