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夢を見ている。私は、明晰夢を見ている。
歌声が聴こえた。
音を追うように歩いていくと、少年がいる。
「こんにちは。僕は、星音ななし」
「私は……」
「君のことは知ってるよ」
「どうして?」
「それは、思い出さない方がいいかもしれない」
私は、何か忘れている?
確か、お父さんにお使いを頼まれて。それから。それから、どうしたんだっけ?
「歌、好きなの?」
不安を遠ざけるために、そんな質問をした。
「僕を見付けてほしくて、ずっと歌ってたんだ」
「そうなんだ。見付けてもらえたの?」
「うん!」
「よかったね」
笑う少年を見ながら、私は、遠ざけたはずの不安に襲われている。
私は、見付けてもらえなかったのに。
恨み言のような台詞。
「どうかした?」
「ううん。ここって夢の中だよね?」
「そうだよ」
「だから、星空がこんなに綺麗なんだね」
見上げた夜空には、満天の星。
「こんな風に空を見上げるの、いつ振りだろう」
「…………」
「なんとなく、覚えてるみたい。私の現実には、こういう穏やかな時間がなかったこと」
「苦しかったね。辛かったね。寂しかったね」
「うん…………」
悲しいはずなのに、涙も出ない。泣き方を忘れてしまったからだ。
「ずっと夢の中にはいられないよね」
「君も一緒に歌おう」と、元気付けるように言われる。
「それもいいかもね」
私とななしくんは、色々な歌を唄った。楽しい歌も、寂しい歌も。
「もうすぐ起きるみたい。さよならだね」
「ばいばい。またね」
手を振って、私たちはお別れした。
目覚めて見たものは、見慣れたボロアパートの天井。
ああ、そうだ。私は、お父さんに玄関先で怒鳴られて。
しばらくして分かったのだけれど、父は警察に捕まったそうだ。
私は、ななしくんに見付けてもらえたんだね。ありがとう。
数日後。街中で聴こえてきた、どこか懐かしい調べを辿ると、少年の声がした。
歌声が聴こえた。
音を追うように歩いていくと、少年がいる。
「こんにちは。僕は、星音ななし」
「私は……」
「君のことは知ってるよ」
「どうして?」
「それは、思い出さない方がいいかもしれない」
私は、何か忘れている?
確か、お父さんにお使いを頼まれて。それから。それから、どうしたんだっけ?
「歌、好きなの?」
不安を遠ざけるために、そんな質問をした。
「僕を見付けてほしくて、ずっと歌ってたんだ」
「そうなんだ。見付けてもらえたの?」
「うん!」
「よかったね」
笑う少年を見ながら、私は、遠ざけたはずの不安に襲われている。
私は、見付けてもらえなかったのに。
恨み言のような台詞。
「どうかした?」
「ううん。ここって夢の中だよね?」
「そうだよ」
「だから、星空がこんなに綺麗なんだね」
見上げた夜空には、満天の星。
「こんな風に空を見上げるの、いつ振りだろう」
「…………」
「なんとなく、覚えてるみたい。私の現実には、こういう穏やかな時間がなかったこと」
「苦しかったね。辛かったね。寂しかったね」
「うん…………」
悲しいはずなのに、涙も出ない。泣き方を忘れてしまったからだ。
「ずっと夢の中にはいられないよね」
「君も一緒に歌おう」と、元気付けるように言われる。
「それもいいかもね」
私とななしくんは、色々な歌を唄った。楽しい歌も、寂しい歌も。
「もうすぐ起きるみたい。さよならだね」
「ばいばい。またね」
手を振って、私たちはお別れした。
目覚めて見たものは、見慣れたボロアパートの天井。
ああ、そうだ。私は、お父さんに玄関先で怒鳴られて。
しばらくして分かったのだけれど、父は警察に捕まったそうだ。
私は、ななしくんに見付けてもらえたんだね。ありがとう。
数日後。街中で聴こえてきた、どこか懐かしい調べを辿ると、少年の声がした。
