一次創作夢
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その人は、黄昏時の公園の砂場にいた。
長い前髪で両目が隠れていて、裂けた口が赤い糸で縫われている黒ずくめの人物。
ひとり、おもちゃのティーカップから、さらさらと砂をこぼしている。
「スナエさん?」
「はい」
男とも女ともつかない声が返ってきた。こちらを見ている様子。
「“あの”スナエさんですか?」
「あの?」
「小学生の間で噂になってる」
「はい。そうですね」
小学生たちは、スナエさんを面白がり、度々一緒に遊んでいるらしい。地域に、ひとりふたりいる変わり者。ローカルな有名人。
しかし、その出で立ちは、怪異のようだった。よくこの人と遊べるな、小学生たち。怖いもの知らずか?
スッとスナエさんが立ち上がると、身長が170㎝くらいあるのが分かった。
「スナエって、苗字ですか? 名前ですか?」
「難しい質問ですね。そもそも、私の名前はたくさんあるんですよ。キリエとかスナエとかカゲエとか」
「本名は?」
「秘密です。一番呼ばれ慣れているのは、スナエです」
「そうですか」
とりあえず、それでいいか。別に、この人の素性を明かしたいワケでもないし。
「スナエさん、子供好きなんですか?」
「いいえ。どちらかと言えば、苦手ですよ。でも、子供がするような遊びが好きなんです」
小学生曰く、かくれんぼとか水鉄砲とか爆竹とかで遊んでいるようだ。
スナエさんは成人してるだろうから、必然的に子守りすることになってるのか。
「あなたは、何故私に話しかけたんですか?」
「興味本位で」
「正直ですね。まあ、見た目が見た目ですからね」
どうやら、自分の外見を客観的に見られるらしい。
「スナエさんって、公園にいない時は何をしてるんですか?」
「家に籠って仕事をしています」
「なるほど」
仕事。どんな仕事だろう? さすがに踏み込み過ぎか?
質問を躊躇しているのを見て、スナエさんが、ギザギザの歯を見せて笑った。
「仕事で、嘘を煮詰めた汁を売っています」
「嘘?」
「胡乱な職業ですよ」
職業については、もう話す気はないみたい。
「すいません。質問ばかりして」
「いえ、構わないです。話すのは好きなので」
社交的だ。だけど、壁を作られているのは感じる。
「そろそろ帰ります。さようなら」
「さようなら」
スナエさんは、右手を軽く振った。
公園を後にし、考える。
要注意人物ではないけど、不審者っぽくはある人。
スナエさんと、知り合いになった。
長い前髪で両目が隠れていて、裂けた口が赤い糸で縫われている黒ずくめの人物。
ひとり、おもちゃのティーカップから、さらさらと砂をこぼしている。
「スナエさん?」
「はい」
男とも女ともつかない声が返ってきた。こちらを見ている様子。
「“あの”スナエさんですか?」
「あの?」
「小学生の間で噂になってる」
「はい。そうですね」
小学生たちは、スナエさんを面白がり、度々一緒に遊んでいるらしい。地域に、ひとりふたりいる変わり者。ローカルな有名人。
しかし、その出で立ちは、怪異のようだった。よくこの人と遊べるな、小学生たち。怖いもの知らずか?
スッとスナエさんが立ち上がると、身長が170㎝くらいあるのが分かった。
「スナエって、苗字ですか? 名前ですか?」
「難しい質問ですね。そもそも、私の名前はたくさんあるんですよ。キリエとかスナエとかカゲエとか」
「本名は?」
「秘密です。一番呼ばれ慣れているのは、スナエです」
「そうですか」
とりあえず、それでいいか。別に、この人の素性を明かしたいワケでもないし。
「スナエさん、子供好きなんですか?」
「いいえ。どちらかと言えば、苦手ですよ。でも、子供がするような遊びが好きなんです」
小学生曰く、かくれんぼとか水鉄砲とか爆竹とかで遊んでいるようだ。
スナエさんは成人してるだろうから、必然的に子守りすることになってるのか。
「あなたは、何故私に話しかけたんですか?」
「興味本位で」
「正直ですね。まあ、見た目が見た目ですからね」
どうやら、自分の外見を客観的に見られるらしい。
「スナエさんって、公園にいない時は何をしてるんですか?」
「家に籠って仕事をしています」
「なるほど」
仕事。どんな仕事だろう? さすがに踏み込み過ぎか?
質問を躊躇しているのを見て、スナエさんが、ギザギザの歯を見せて笑った。
「仕事で、嘘を煮詰めた汁を売っています」
「嘘?」
「胡乱な職業ですよ」
職業については、もう話す気はないみたい。
「すいません。質問ばかりして」
「いえ、構わないです。話すのは好きなので」
社交的だ。だけど、壁を作られているのは感じる。
「そろそろ帰ります。さようなら」
「さようなら」
スナエさんは、右手を軽く振った。
公園を後にし、考える。
要注意人物ではないけど、不審者っぽくはある人。
スナエさんと、知り合いになった。