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この地獄には、私しかいない。
人には、それぞれ地獄がある。
朔くんには、朔くんの地獄があるのだろう。
私は、君の地獄のことは分からない。
「朔くんには、友人がいて羨ましいよ」
以前、私はそう言ったことがある。
犀くんとか龍くんとかいてさ。友人ではないかもしれないけれど、白さんとミヨシくんもいるし。
私の地獄は、透明である。そこにいる私もまた透明で、独りきり。
あなたたちが私を見ることはなく、私があなたたちを理解出来ることもない。
それでも私は、ただ美しいものを書きたくて筆を取っている。
誰にも届かないかもしれないのに。誰にも必要ではないかもしれないのに。
けれど、私の書いたものには、色があった。
私が書いた詩を暗唱する彼。
「朔くん?」
「おれは、あなたの書いた詩が好きだよ」
「ありがとう…………」
その時は、ぽかんとしてお礼しか言えなかった。
私と君の地獄は、もしかしたら少し似ているのかもしれないね。
そんな君が、この世界の歪みでおかしくなってしまって、私は、とても心配している。
私の詩を好きだと言ってくれた朔くん。よく病んでは、ひとり閉じ籠る朔くん。好きな人に「好き」と言えなかった朔くん。
ねえ、今はどこにいるの?
世界の歪みと、多くの詩人が戦争詩を歌った罪と、恋患いを押し付けられた君。
私は、朔くんに健やかでいてほしいよ。病んだ君は、素晴らしい詩を生むけれど、朔くんが幸せであることが一番大切だよ。
私たちに、最初に「才能がある」なんて言ったのは誰だったか。
そんなことは覚えていないが、私たちは筆を折れないでいる。
朔くん。筆を折れとは言わないけれど、どうか君の地獄に負けないでほしい。
こんなのは、私のエゴだ。
結局、私たちが存在する限り、この地獄はどこまでも続いていくのだ。
長い道のりの、どの辺りに自分がいるのかさえ、分からない。
詩歌句街だけにとどまらない地獄にも、蜘蛛の糸は降りるのだろうか?
人には、それぞれ地獄がある。
朔くんには、朔くんの地獄があるのだろう。
私は、君の地獄のことは分からない。
「朔くんには、友人がいて羨ましいよ」
以前、私はそう言ったことがある。
犀くんとか龍くんとかいてさ。友人ではないかもしれないけれど、白さんとミヨシくんもいるし。
私の地獄は、透明である。そこにいる私もまた透明で、独りきり。
あなたたちが私を見ることはなく、私があなたたちを理解出来ることもない。
それでも私は、ただ美しいものを書きたくて筆を取っている。
誰にも届かないかもしれないのに。誰にも必要ではないかもしれないのに。
けれど、私の書いたものには、色があった。
私が書いた詩を暗唱する彼。
「朔くん?」
「おれは、あなたの書いた詩が好きだよ」
「ありがとう…………」
その時は、ぽかんとしてお礼しか言えなかった。
私と君の地獄は、もしかしたら少し似ているのかもしれないね。
そんな君が、この世界の歪みでおかしくなってしまって、私は、とても心配している。
私の詩を好きだと言ってくれた朔くん。よく病んでは、ひとり閉じ籠る朔くん。好きな人に「好き」と言えなかった朔くん。
ねえ、今はどこにいるの?
世界の歪みと、多くの詩人が戦争詩を歌った罪と、恋患いを押し付けられた君。
私は、朔くんに健やかでいてほしいよ。病んだ君は、素晴らしい詩を生むけれど、朔くんが幸せであることが一番大切だよ。
私たちに、最初に「才能がある」なんて言ったのは誰だったか。
そんなことは覚えていないが、私たちは筆を折れないでいる。
朔くん。筆を折れとは言わないけれど、どうか君の地獄に負けないでほしい。
こんなのは、私のエゴだ。
結局、私たちが存在する限り、この地獄はどこまでも続いていくのだ。
長い道のりの、どの辺りに自分がいるのかさえ、分からない。
詩歌句街だけにとどまらない地獄にも、蜘蛛の糸は降りるのだろうか?