一次創作夢
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
きょーちゃんとオレ、どっちが強いんだろう?
愛坂慧三は、たまにそんなことを考える。
ふたりが本気で戦ったら、どうなるのか?
答えは、そう。最終的には、愛坂慧三が勝つ。
何故なら、狂次に弟は殺せないから。
そのことに、慧三は気付いている。
「きょーちゃんは優しいもんな~」
「お兄さんがどうかしたの?」
「んー。なんでもなーい」
隣に座る女に、テキトーな返事をした。
「そう。それで、今度の休みのことなんだけど、ホテルのビュッフェに行きたくて」
「うんうん。オレも行きたいな」
煙草をふかし、女に同意する。
慧三は、会話を続けながら、兄のことを考えた。
きょーちゃんを殺すとしたら、世界中の人間を殺した後だな。それまでは誰にも殺されないでね、きょーちゃん。
その後。女の出勤を見送り、慧三はいつものチャイナ服を着て、出かけることにした。
そして、兄の自宅のインターホンを鳴らす。
狂次が出る前に、合鍵でドアを開けた。
「きょーちゃん、いる~?」
「はい」
狂次は、白いYシャツに黒いスラックス姿で現れる。これが、彼の部屋着だ。どうやら、非番らしい。
相変わらず目元は、包帯とガーゼで隠されており、首元には、包帯が巻いてある。
その姿は、慧三には見慣れたものなので、特に何も思わない。
「何か用事ですか?」
「ううん。遊びに来た」
「そうですか」
「遊びに来た」とは言ったものの、ふたりでソファーに並び、慧三はスマホを見ているし、狂次は文庫本を読んでいるだけだ。
静かな時間が流れる。ふたりは、この時間が嫌いではない。
「そういえばさぁ」
「はい」
「きょーちゃんは、ペット飼わないの?」
「このマンションは、ペット禁止です」
「でも、魚とかハムスターとかは飼えるんじゃない?」
「殺し屋は、ペットを飼えないのですよ」
「そっか」
いつ死んでもおかしくないから、生命を預かることは出来ないのである。
「どうしてそんなことを?」
「きょーちゃんって、恋人作らないじゃん。寂しくないの?」
狂次は、慧三と違い、女・酒・煙草・薬・ギャンブルは避けているようだ。
「慧三君がいます。それに、それなりに親しい人もいますから」
「ならいいけど」
そう言ってから、慧三はスマホから顔を上げて、狂次を見る。
「きょーちゃん。誰にも負けないでね」
「……はい。一度でも負ければ死にますからね」
文庫本から顔を上げて、狂次は答えた。
「約束だよ」
「はい」
オレが殺すまで、死なないでね。
愛坂慧三は、たまにそんなことを考える。
ふたりが本気で戦ったら、どうなるのか?
答えは、そう。最終的には、愛坂慧三が勝つ。
何故なら、狂次に弟は殺せないから。
そのことに、慧三は気付いている。
「きょーちゃんは優しいもんな~」
「お兄さんがどうかしたの?」
「んー。なんでもなーい」
隣に座る女に、テキトーな返事をした。
「そう。それで、今度の休みのことなんだけど、ホテルのビュッフェに行きたくて」
「うんうん。オレも行きたいな」
煙草をふかし、女に同意する。
慧三は、会話を続けながら、兄のことを考えた。
きょーちゃんを殺すとしたら、世界中の人間を殺した後だな。それまでは誰にも殺されないでね、きょーちゃん。
その後。女の出勤を見送り、慧三はいつものチャイナ服を着て、出かけることにした。
そして、兄の自宅のインターホンを鳴らす。
狂次が出る前に、合鍵でドアを開けた。
「きょーちゃん、いる~?」
「はい」
狂次は、白いYシャツに黒いスラックス姿で現れる。これが、彼の部屋着だ。どうやら、非番らしい。
相変わらず目元は、包帯とガーゼで隠されており、首元には、包帯が巻いてある。
その姿は、慧三には見慣れたものなので、特に何も思わない。
「何か用事ですか?」
「ううん。遊びに来た」
「そうですか」
「遊びに来た」とは言ったものの、ふたりでソファーに並び、慧三はスマホを見ているし、狂次は文庫本を読んでいるだけだ。
静かな時間が流れる。ふたりは、この時間が嫌いではない。
「そういえばさぁ」
「はい」
「きょーちゃんは、ペット飼わないの?」
「このマンションは、ペット禁止です」
「でも、魚とかハムスターとかは飼えるんじゃない?」
「殺し屋は、ペットを飼えないのですよ」
「そっか」
いつ死んでもおかしくないから、生命を預かることは出来ないのである。
「どうしてそんなことを?」
「きょーちゃんって、恋人作らないじゃん。寂しくないの?」
狂次は、慧三と違い、女・酒・煙草・薬・ギャンブルは避けているようだ。
「慧三君がいます。それに、それなりに親しい人もいますから」
「ならいいけど」
そう言ってから、慧三はスマホから顔を上げて、狂次を見る。
「きょーちゃん。誰にも負けないでね」
「……はい。一度でも負ければ死にますからね」
文庫本から顔を上げて、狂次は答えた。
「約束だよ」
「はい」
オレが殺すまで、死なないでね。