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幼馴染みの八百屋の兄弟は、海兵になった。
私は、シャボンディ諸島の自宅で物語を紡ぐ者になった。
たまに、ふたりに手紙を出すのだけれど、兄はいつも生真面目で不器用で、弟は要領よくて出世も早いらしい。
私は、兄のことは弟から聞いたし、弟のことは兄から聞いた。仲良いいな、君ら。
そして、これは今朝の郵便で届いた手紙なのだが。
好きだ。付き合わないか?
二通の手紙には、そう書いてあった。仲良いな、君ら。
さて。なんて返事をしようかな?
私を選ぶとは、人を見る目がある兄弟だ。褒めてやろう。
私はペンを取り、お気に入りのインクで手紙を綴った。
ご好意は嬉しいがね。私には、心に決めた人がいるんだよ。
それは、君がよく知っている人だ。
私の好きな人は————
返事を出してから、しばらくして、目論見通りにふたりが私の元へやって来た。
「やあ、久し振りだね。おふたりさん」
「いつの間にコイツのことを好きになったんだ?!」
兄は、弟を指差し、弟は、兄を指差している。
「なっ?!」
「はぁっ?!」
傑作だ。ふたりの驚いた顔を心に焼き付け、私は、からから笑った。
「いやぁ、ごめんごめん。私は、君たちが好きなんだよ。三人で付き合おうよ」
「…………」
「なんでだよ!」
「平等に愛してやるって」
「好きな奴を、兄弟仲良く分け合えってのか?!」
兄は黙り込み、弟の方はぎゃんぎゃんとうるさい。
「勝手に私を裂くなよ。同時に抱いてやるって」
「だっ!?」と叫び、ふたりが目を見開く。
「そんなに嫌かね? 私は、名案だと思うけれど。誰も損しないし」
一番得をするのは、この私だが。それは秘密。
「はい! 握手!」
私は、問答無用で兄弟の手を繋げた。そして、その上に自分の両手を重ねる。
「三人で、面白おかしくやっていこう! おー!」
「お、おー…………」と、ふたり。
海兵の君たちには、腕力では敵わないだろう。だったら私は、広くて深い海にでもなってやるさ。
私は、シャボンディ諸島の自宅で物語を紡ぐ者になった。
たまに、ふたりに手紙を出すのだけれど、兄はいつも生真面目で不器用で、弟は要領よくて出世も早いらしい。
私は、兄のことは弟から聞いたし、弟のことは兄から聞いた。仲良いいな、君ら。
そして、これは今朝の郵便で届いた手紙なのだが。
好きだ。付き合わないか?
二通の手紙には、そう書いてあった。仲良いな、君ら。
さて。なんて返事をしようかな?
私を選ぶとは、人を見る目がある兄弟だ。褒めてやろう。
私はペンを取り、お気に入りのインクで手紙を綴った。
ご好意は嬉しいがね。私には、心に決めた人がいるんだよ。
それは、君がよく知っている人だ。
私の好きな人は————
返事を出してから、しばらくして、目論見通りにふたりが私の元へやって来た。
「やあ、久し振りだね。おふたりさん」
「いつの間にコイツのことを好きになったんだ?!」
兄は、弟を指差し、弟は、兄を指差している。
「なっ?!」
「はぁっ?!」
傑作だ。ふたりの驚いた顔を心に焼き付け、私は、からから笑った。
「いやぁ、ごめんごめん。私は、君たちが好きなんだよ。三人で付き合おうよ」
「…………」
「なんでだよ!」
「平等に愛してやるって」
「好きな奴を、兄弟仲良く分け合えってのか?!」
兄は黙り込み、弟の方はぎゃんぎゃんとうるさい。
「勝手に私を裂くなよ。同時に抱いてやるって」
「だっ!?」と叫び、ふたりが目を見開く。
「そんなに嫌かね? 私は、名案だと思うけれど。誰も損しないし」
一番得をするのは、この私だが。それは秘密。
「はい! 握手!」
私は、問答無用で兄弟の手を繋げた。そして、その上に自分の両手を重ねる。
「三人で、面白おかしくやっていこう! おー!」
「お、おー…………」と、ふたり。
海兵の君たちには、腕力では敵わないだろう。だったら私は、広くて深い海にでもなってやるさ。