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死に物狂いで駆け抜けて来た。
描いて、描いて、描いてきた。
美しいものを。至上の芸術を。この世に、永遠に残るものを。
歴史に、私の名を刻み付けてやりたい!
それは、身の程知らずな望みだったのか? 分不相応な願いだったのか?
夢を見るのは悪いことか?
「ぶっ殺してやる!」
私は怒声を放ち、コテを片手に、アパートの部屋を出た。
「ど、どうしたの?」
「チッ。ジルベールか」
「そのコテで、何をするつもり?」
「殺すんだよ! 私の着想を盗んだクソ野郎を!」
大声にびくつきながら、ジルベールは、私に言う。
「盗まれたの?」
「そうだよ! 私の最高傑作になるはずだったのに! 見ろ!」
私は、デザイン画を広げて見せた。花園に立つ少女の周りを蝶が舞う、フレスコ画のものである。
「で、これが、あの野郎の油絵だ」
「わぁ…………」
「まんまだろう?!」
「でも、殺すのは………」
「殺して、奴の死体を石灰モルタルで固めてやらなきゃ気が済まない!」
「落ち着いて……そうだ、味見……味見をしてほしい…………」
殺気立つ私をなだめるためか、ジルベールは提案した。
「君には借りがあるから、従ってやろう」
私は、部屋に戻ってコテを置き、ゴム手袋を外す。
そして、彼の部屋へ向かった。
「どうぞ」
「いただきます」
ジルベールが出したのは、子羊の肉に特製のソースをかけたもので。それはそれは、美味しかった。
「……美味しい。流石だな、ソーシエ」
「ありがとう…………」
「はぁ~。君のせいで怒りが弱まってしまったじゃないか」
「よかっ……はは…………」
その後。ジルベールが出した茶を飲んでいるうちに、あのデザインを越えるものを思い付いた。
「帰る! 夜になったら、メシを届けてくれ!」
「は、はい……!」
私は、自室へ戻り鉛筆で“報復”を描いていく。
「はーっはっはっはっはー! 私は、天才だ!」
後日。“報復”のフレスコ画を発表し、帰り道で偶然会ったクソ野郎を、書類入れでぶん殴ってやった。
描いて、描いて、描いてきた。
美しいものを。至上の芸術を。この世に、永遠に残るものを。
歴史に、私の名を刻み付けてやりたい!
それは、身の程知らずな望みだったのか? 分不相応な願いだったのか?
夢を見るのは悪いことか?
「ぶっ殺してやる!」
私は怒声を放ち、コテを片手に、アパートの部屋を出た。
「ど、どうしたの?」
「チッ。ジルベールか」
「そのコテで、何をするつもり?」
「殺すんだよ! 私の着想を盗んだクソ野郎を!」
大声にびくつきながら、ジルベールは、私に言う。
「盗まれたの?」
「そうだよ! 私の最高傑作になるはずだったのに! 見ろ!」
私は、デザイン画を広げて見せた。花園に立つ少女の周りを蝶が舞う、フレスコ画のものである。
「で、これが、あの野郎の油絵だ」
「わぁ…………」
「まんまだろう?!」
「でも、殺すのは………」
「殺して、奴の死体を石灰モルタルで固めてやらなきゃ気が済まない!」
「落ち着いて……そうだ、味見……味見をしてほしい…………」
殺気立つ私をなだめるためか、ジルベールは提案した。
「君には借りがあるから、従ってやろう」
私は、部屋に戻ってコテを置き、ゴム手袋を外す。
そして、彼の部屋へ向かった。
「どうぞ」
「いただきます」
ジルベールが出したのは、子羊の肉に特製のソースをかけたもので。それはそれは、美味しかった。
「……美味しい。流石だな、ソーシエ」
「ありがとう…………」
「はぁ~。君のせいで怒りが弱まってしまったじゃないか」
「よかっ……はは…………」
その後。ジルベールが出した茶を飲んでいるうちに、あのデザインを越えるものを思い付いた。
「帰る! 夜になったら、メシを届けてくれ!」
「は、はい……!」
私は、自室へ戻り鉛筆で“報復”を描いていく。
「はーっはっはっはっはー! 私は、天才だ!」
後日。“報復”のフレスコ画を発表し、帰り道で偶然会ったクソ野郎を、書類入れでぶん殴ってやった。