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くしゃみをした衝撃で、幽体離脱してしまった。
私は、離魂体質というもので、ちょっとしたことで肉体から魂が分離してしまうのである。
せっかくだから、ふわふわと市内を散策していると、見知った男を見付けた。
真下悟。私の友人の友人。
おそらく、正宗……じゃなかった。八敷くんのことが好き。
『素直になればいいのに』
私の素晴らしいアドバイスも、今は彼には届かない。
以前分かったのだが、真下くんは、霊感がないらしい。
幽体の私に気付けない彼は、しばらく歩いた後、九条館へ着いた。
邪魔するのも野暮だし、肉体へ戻ろう。と思ったのだが。
「……そこにいるのは?」
八敷くんに感付かれてしまった。
『やあ、おふたりさん』
「貴様、いつからいた?」
『ついさっき』
私は、嘘をつく。
「気味が悪いな、貴様のそれ」
『酷いなぁ』
「ふたりとも、とりあえず入るといい」
「邪魔するぞ」
『お邪魔します』
私たちは、館の中へ通された。相変わらず、豪奢な雰囲気。
私は、古物商であり、家には曰く付きの骨董品が山のようにある。広さはそれなりにあるはずだが、店に出していない物で溢れ、ごちゃごちゃしていて、狭く感じる家。
全く様相が違う住み処だ。
「真下は、また妙な依頼か?」
「ああ、そうだ」
『八敷くんを頼り過ぎじゃないかね?』
「それで、これが詳細なんだが」
私を無視して、真下くんは、資料を八敷くんに渡す。
「呪いの西洋人形、か…………」
『それ、私の出番じゃないかな?!』
「そうだな。協力してもらった方がいいだろう」
八敷くんがそう言うと、真下くんは渋面を作った。凄い嫌そう。
「どうした? 真下」
「いや。分かった。いいだろう」
特大の溜め息をつきながら、彼は了承した。
「ただし、幽体になるのはなしだ。いいな?」
『はいはい。善処しよう』
「…………」
ニヤニヤしながら返事をしたら、思い切り睨まれてしまう。
私は、最前列で君たちの行く末を見ていたいだけだよ。
そんなに邪険にしないでくれたまえ。
私は、離魂体質というもので、ちょっとしたことで肉体から魂が分離してしまうのである。
せっかくだから、ふわふわと市内を散策していると、見知った男を見付けた。
真下悟。私の友人の友人。
おそらく、正宗……じゃなかった。八敷くんのことが好き。
『素直になればいいのに』
私の素晴らしいアドバイスも、今は彼には届かない。
以前分かったのだが、真下くんは、霊感がないらしい。
幽体の私に気付けない彼は、しばらく歩いた後、九条館へ着いた。
邪魔するのも野暮だし、肉体へ戻ろう。と思ったのだが。
「……そこにいるのは?」
八敷くんに感付かれてしまった。
『やあ、おふたりさん』
「貴様、いつからいた?」
『ついさっき』
私は、嘘をつく。
「気味が悪いな、貴様のそれ」
『酷いなぁ』
「ふたりとも、とりあえず入るといい」
「邪魔するぞ」
『お邪魔します』
私たちは、館の中へ通された。相変わらず、豪奢な雰囲気。
私は、古物商であり、家には曰く付きの骨董品が山のようにある。広さはそれなりにあるはずだが、店に出していない物で溢れ、ごちゃごちゃしていて、狭く感じる家。
全く様相が違う住み処だ。
「真下は、また妙な依頼か?」
「ああ、そうだ」
『八敷くんを頼り過ぎじゃないかね?』
「それで、これが詳細なんだが」
私を無視して、真下くんは、資料を八敷くんに渡す。
「呪いの西洋人形、か…………」
『それ、私の出番じゃないかな?!』
「そうだな。協力してもらった方がいいだろう」
八敷くんがそう言うと、真下くんは渋面を作った。凄い嫌そう。
「どうした? 真下」
「いや。分かった。いいだろう」
特大の溜め息をつきながら、彼は了承した。
「ただし、幽体になるのはなしだ。いいな?」
『はいはい。善処しよう』
「…………」
ニヤニヤしながら返事をしたら、思い切り睨まれてしまう。
私は、最前列で君たちの行く末を見ていたいだけだよ。
そんなに邪険にしないでくれたまえ。