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生まれた時から、世界にはジェードがいた。おれたちは、同じ日に生まれたから。
「ブルーダイヤモンド」
おれは、先生にそう名付けられた。
役割を与えられ、生活するうちに、ある感情がおれの中に生まれる。
古い本を読んだり、他の宝石に訊いてみたところ、それは“恋”ではないかという話になった。
「素敵! ブルーの特別ね!」と、ダイヤモンドは楽しそうに言う。
「特別…………」
それは間違いない。ジェードのことを、おれは特別に想っている。
百年、二百年と時間が経つに連れて、その想いは強くなっていった。
「告白しないの?」と、ダイヤにはたまに言われる。
「おれの気持ちがなんなのか、まだ分からないから」
「そう」
つまらなそうに言うダイヤ。
「まあ、仕方ないわよね。複雑なんだもの」
「そうだな」
複雑。きみも、ボルツに色々思うところがあるみたいだから。分かってくれたようだ。
ダイヤがおれの部屋から去り、ひとりになった。
しん、と静まった部屋は落ち着く。
飾ってある青いハナは、凛と咲いている。
夜に眠り、朝に目を覚ます。
朝礼に出て、帯刀して、駆け出した。
足が早いことが、おれの特技であり、それを活かして巡回をするのが勤めである。
何か、変化はないか。月人が来ないか。おれは、細部まで見逃さないように気を張る。
一日働いてから帰ると、ジェードと顔を合わせた。
「ブルー。問題はない?」
「ああ。何も心配はない、ジェード」
「しかし、大変な仕事だな」
「そうでもない」
「まあ、お前にはその足があるからね」
微笑むきみ。きみに、触れたいと思った。
いくらジェードに靭性があるからといっても、おれが触れていいことにはならない。
そのことが、ひどく悲しかった。
こんなことなら、おれはきみと同じがよかったと思う。
ジェードとおれが、ひとつの宝石であったならよかったのに。
どうして、別たれて生まれてしまったのだろう?
答えの出ない疑問は、夜闇のように広がっていった。
「ブルーダイヤモンド」
おれは、先生にそう名付けられた。
役割を与えられ、生活するうちに、ある感情がおれの中に生まれる。
古い本を読んだり、他の宝石に訊いてみたところ、それは“恋”ではないかという話になった。
「素敵! ブルーの特別ね!」と、ダイヤモンドは楽しそうに言う。
「特別…………」
それは間違いない。ジェードのことを、おれは特別に想っている。
百年、二百年と時間が経つに連れて、その想いは強くなっていった。
「告白しないの?」と、ダイヤにはたまに言われる。
「おれの気持ちがなんなのか、まだ分からないから」
「そう」
つまらなそうに言うダイヤ。
「まあ、仕方ないわよね。複雑なんだもの」
「そうだな」
複雑。きみも、ボルツに色々思うところがあるみたいだから。分かってくれたようだ。
ダイヤがおれの部屋から去り、ひとりになった。
しん、と静まった部屋は落ち着く。
飾ってある青いハナは、凛と咲いている。
夜に眠り、朝に目を覚ます。
朝礼に出て、帯刀して、駆け出した。
足が早いことが、おれの特技であり、それを活かして巡回をするのが勤めである。
何か、変化はないか。月人が来ないか。おれは、細部まで見逃さないように気を張る。
一日働いてから帰ると、ジェードと顔を合わせた。
「ブルー。問題はない?」
「ああ。何も心配はない、ジェード」
「しかし、大変な仕事だな」
「そうでもない」
「まあ、お前にはその足があるからね」
微笑むきみ。きみに、触れたいと思った。
いくらジェードに靭性があるからといっても、おれが触れていいことにはならない。
そのことが、ひどく悲しかった。
こんなことなら、おれはきみと同じがよかったと思う。
ジェードとおれが、ひとつの宝石であったならよかったのに。
どうして、別たれて生まれてしまったのだろう?
答えの出ない疑問は、夜闇のように広がっていった。