一次創作夢
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彼女は、愛坂兄弟と似た境遇だったらしい。
森野林という人は、何かとふたりを気にかけてくれている。
「森野さん、今日は、まあまあですね。おかわりください」
「もりりん、オレもおかわり~」
「分かった。一発殴らせろ」
「何故?」
「なんで~?」
双子に晩ごはんを作ってやりはしたが、甲斐甲斐しく世話をしたいワケではない。
たまに、愛坂兄弟が狂次の家に揃うことがある。そういう時に、林はふたりの様子を見に来た。
狂次は、段々と慇懃無礼になってきたし、慧三は、初手からナンパしてきたような奴だ。
ふたりとの出会いは割愛するが、生き霊・怨霊の類いに憑かれまくっている兄弟を放っておけずにいるのが現状である。
「もりりん、怒ってるの? コレ、あげるよ~」
「これは……!?」
慧三が差し出したのは、森野林が推しているキャラクターのプライズ品のマスコットだった。
「ゲーセンでカノジョに取ってあげたんだ~」
「慧三君は、こういうのが得意ですね」
「まね!」
慧三は、けらけら笑っている。
「推し! 推しちゃあ~ん! 可愛いねぇ~!」
慧三の余計な一言にも気付かずに、林は、マスコットの頭を撫でていた。
だから誰も、カノジョにあげたものがここにある理由を追求しない。
「ごちそうさまでした」
「ごちそうさま!」
いつの間にか勝手におかわりをして、食事を終える双子。
「おいコラァ! なに料理作った私を置いてきぼりにしてんだ!」
「楽しそうでしたので」
「もりりん、食べ終わるまでオレが隣にいてあげるよ」
「寄るなっ。テメェの女の生き霊がこっち睨んでんだよ!」
「え~? みんなイイコだけどな~?」
森野林の職業は、除霊師である。
愛坂狂次と慧三は、霊が見えるという彼女の言葉は、半信半疑といったところだ。
何故かというと、人が呪うなら、自分たちのような人殺しなど、とっくに死んでいるはずだから。
仕事で殺す狂次も、遊びで殺す慧三も、ピンピンしている。
歴史的な虐殺者が呪われて死んだという話も聞かないし。
ふたりは、そう考えていた。
幽霊だろうが何だろうが、存在するなら殺せるはずだとも思う。
「もりりん、デートしようよ」
「近寄んなって!」
「じゃあ、きょーちゃんとデートするもんね~」
「いいですよ」
「バーカ! アホ兄弟!」
夜の街に繰り出すふたりに、その辺にあった本を投げ付けた。
それを避けながら、愛坂兄弟は去って行く。
ひとり残された林は、とりあえず簡易なお祓いをした。
森野林という人は、何かとふたりを気にかけてくれている。
「森野さん、今日は、まあまあですね。おかわりください」
「もりりん、オレもおかわり~」
「分かった。一発殴らせろ」
「何故?」
「なんで~?」
双子に晩ごはんを作ってやりはしたが、甲斐甲斐しく世話をしたいワケではない。
たまに、愛坂兄弟が狂次の家に揃うことがある。そういう時に、林はふたりの様子を見に来た。
狂次は、段々と慇懃無礼になってきたし、慧三は、初手からナンパしてきたような奴だ。
ふたりとの出会いは割愛するが、生き霊・怨霊の類いに憑かれまくっている兄弟を放っておけずにいるのが現状である。
「もりりん、怒ってるの? コレ、あげるよ~」
「これは……!?」
慧三が差し出したのは、森野林が推しているキャラクターのプライズ品のマスコットだった。
「ゲーセンでカノジョに取ってあげたんだ~」
「慧三君は、こういうのが得意ですね」
「まね!」
慧三は、けらけら笑っている。
「推し! 推しちゃあ~ん! 可愛いねぇ~!」
慧三の余計な一言にも気付かずに、林は、マスコットの頭を撫でていた。
だから誰も、カノジョにあげたものがここにある理由を追求しない。
「ごちそうさまでした」
「ごちそうさま!」
いつの間にか勝手におかわりをして、食事を終える双子。
「おいコラァ! なに料理作った私を置いてきぼりにしてんだ!」
「楽しそうでしたので」
「もりりん、食べ終わるまでオレが隣にいてあげるよ」
「寄るなっ。テメェの女の生き霊がこっち睨んでんだよ!」
「え~? みんなイイコだけどな~?」
森野林の職業は、除霊師である。
愛坂狂次と慧三は、霊が見えるという彼女の言葉は、半信半疑といったところだ。
何故かというと、人が呪うなら、自分たちのような人殺しなど、とっくに死んでいるはずだから。
仕事で殺す狂次も、遊びで殺す慧三も、ピンピンしている。
歴史的な虐殺者が呪われて死んだという話も聞かないし。
ふたりは、そう考えていた。
幽霊だろうが何だろうが、存在するなら殺せるはずだとも思う。
「もりりん、デートしようよ」
「近寄んなって!」
「じゃあ、きょーちゃんとデートするもんね~」
「いいですよ」
「バーカ! アホ兄弟!」
夜の街に繰り出すふたりに、その辺にあった本を投げ付けた。
それを避けながら、愛坂兄弟は去って行く。
ひとり残された林は、とりあえず簡易なお祓いをした。