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苦しかったね。辛かったね。
これからは、優しい夢にしよう。
でも、そんなのは無理だったんだよね。私たちの時には。
◆◆◆
朝方、裸で目覚める。隣には、小鳩先輩が眠っていた。
先輩、か。本当は、私の方が歳上なんだよなぁ。
今日は、学校はないから、のろのろと着替えを済ませてから、彼を起こした。
「朝ですよ、先輩」
「んん。おはよ…………」
「おはようございます」
小鳩先輩が着替えてるうちに、朝ごはんを用意する。食パンを焼いて、ベーコンとタマゴを乗せたやつ。飲み物は、牛乳。
「朝メシ、サンキュー。オレのカノジョは、なんでも出来んなぁ」
「なんでもは出来ないですよ」
「いただきます」
「はい」
穏やかな日常風景。虚ろなまやかしに過ぎない世界の朝。
あんなに渇望していた“綺麗な女子の体”を手に入れたのに、私はリドゥの存在をよしとしなかった。
小鳩先輩は、MtXの私を、とりあえずは受け入れてくれたけれど、現実に帰り、魔法が解けたら気が変わるかもしれない。私は、そのことが恐ろしい。
好きなんです。愛しているんです。あなたのことが大好きで、大嫌いで。憧れて、焦がれて。羨み、恨み。頭が、おかしくなりそうです。
ねぇ、小鳩先輩。私が、どんな姿になったとしても受け入れてよ。
渇望する。私の願いは変質し、最早ここに留まってもいられない。
「部長」
「はい」
「どうした?」
「いえ、ちょっと味付け失敗したかなぁって……」
「そうかぁ? 美味いけどな」
「ありがとうございます」
どうか気付かないでいてください。私の皮膚の下が、どろどろしていることには。
この姿だけ持ち帰れたらいいのだけれど、そうはいかないだろう。
私は、擬態する虫みたいだ。
もしくは、中身がどろどろしている蛹か。
羽化した後に、小鳩先輩は側にいてくれますか?
質問を喉に押し込むように、パンを呑み込んだ。
俺は、いつも逃げてばかりいる。
これからは、優しい夢にしよう。
でも、そんなのは無理だったんだよね。私たちの時には。
◆◆◆
朝方、裸で目覚める。隣には、小鳩先輩が眠っていた。
先輩、か。本当は、私の方が歳上なんだよなぁ。
今日は、学校はないから、のろのろと着替えを済ませてから、彼を起こした。
「朝ですよ、先輩」
「んん。おはよ…………」
「おはようございます」
小鳩先輩が着替えてるうちに、朝ごはんを用意する。食パンを焼いて、ベーコンとタマゴを乗せたやつ。飲み物は、牛乳。
「朝メシ、サンキュー。オレのカノジョは、なんでも出来んなぁ」
「なんでもは出来ないですよ」
「いただきます」
「はい」
穏やかな日常風景。虚ろなまやかしに過ぎない世界の朝。
あんなに渇望していた“綺麗な女子の体”を手に入れたのに、私はリドゥの存在をよしとしなかった。
小鳩先輩は、MtXの私を、とりあえずは受け入れてくれたけれど、現実に帰り、魔法が解けたら気が変わるかもしれない。私は、そのことが恐ろしい。
好きなんです。愛しているんです。あなたのことが大好きで、大嫌いで。憧れて、焦がれて。羨み、恨み。頭が、おかしくなりそうです。
ねぇ、小鳩先輩。私が、どんな姿になったとしても受け入れてよ。
渇望する。私の願いは変質し、最早ここに留まってもいられない。
「部長」
「はい」
「どうした?」
「いえ、ちょっと味付け失敗したかなぁって……」
「そうかぁ? 美味いけどな」
「ありがとうございます」
どうか気付かないでいてください。私の皮膚の下が、どろどろしていることには。
この姿だけ持ち帰れたらいいのだけれど、そうはいかないだろう。
私は、擬態する虫みたいだ。
もしくは、中身がどろどろしている蛹か。
羽化した後に、小鳩先輩は側にいてくれますか?
質問を喉に押し込むように、パンを呑み込んだ。
俺は、いつも逃げてばかりいる。