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思えば私は、幼い時分から“真面目”と言われてきたし、そのように振る舞っていた。
キタカミの里の大人たちは、私を“真面目な良い子”という型に嵌めている。
特に自己主張を持たない私は、その型通りに、期待通りに生きていた。
「ねぇ、聞いてる?!」
「聞いてるよ、ゼイユちゃん」
「全く。スグったら、本当にダメなんだから」
「そうかなぁ?」
「そうよ!」
ひとつ歳下の幼馴染みは、我が強くて、自信があって、ポケモンバトルが得意で。そういう、私とは全然違うところが羨ましい。
「どうかしたの?」
「ゼイユちゃんは、優しいね」
「当然よ。あたしは、強いんだから」
「うん。凄いと思う。ゼイユちゃんと比べたら私なんて存在感ないし、神隠しに遭ったって誰も気にしないもの」
「は?」
ゼイユちゃんは、縁側で隣に座っている私の方を向いて、目を見開いた。
「なに言ってんの?」
「え?」
「スグが悲しむでしょうが! それに、あたしが絶対に探し出すから!」
「……ごめん」
ああ、バカなことを言ってしまったなぁ。
「あんたが神隠しに遭おうが、ゴーストポケモンに拐われようが、あたしが助ける。そんな寂しいこと言わないでよ…………」
「ふふ。頼もしい。ありがとう、ゼイユちゃん」
「ふん」
ゼイユちゃんが、そっぽを向いて庭の小石を蹴った。
「あんたは、あたしのライバルなんだからね」
「そうなの?!」
「そうなの。知らないの、あんただけ」
「そんな、私なんて……」
「なんてって言うな!」
「ごめん!」
ゼイユちゃんに真っ直ぐ見つめられて、手を握られる。
「あんたの卑屈なとこ嫌い」
「すいません!」
「すぐ謝るな!」
「ごめ……はい…………」
彼女は、大きな溜め息をついてから、真剣な表情で言った。
「いい子ちゃんヅラしないで。大人の言いなりにならないで。自分の限界を決めないで。ずっと、あたしの傍にいて」
「うん。約束する」
「破ったら、ドガース丸飲みだかんね」
あなたは、私の人生を鮮やかに色付ける赤色だね。
キタカミの里の大人たちは、私を“真面目な良い子”という型に嵌めている。
特に自己主張を持たない私は、その型通りに、期待通りに生きていた。
「ねぇ、聞いてる?!」
「聞いてるよ、ゼイユちゃん」
「全く。スグったら、本当にダメなんだから」
「そうかなぁ?」
「そうよ!」
ひとつ歳下の幼馴染みは、我が強くて、自信があって、ポケモンバトルが得意で。そういう、私とは全然違うところが羨ましい。
「どうかしたの?」
「ゼイユちゃんは、優しいね」
「当然よ。あたしは、強いんだから」
「うん。凄いと思う。ゼイユちゃんと比べたら私なんて存在感ないし、神隠しに遭ったって誰も気にしないもの」
「は?」
ゼイユちゃんは、縁側で隣に座っている私の方を向いて、目を見開いた。
「なに言ってんの?」
「え?」
「スグが悲しむでしょうが! それに、あたしが絶対に探し出すから!」
「……ごめん」
ああ、バカなことを言ってしまったなぁ。
「あんたが神隠しに遭おうが、ゴーストポケモンに拐われようが、あたしが助ける。そんな寂しいこと言わないでよ…………」
「ふふ。頼もしい。ありがとう、ゼイユちゃん」
「ふん」
ゼイユちゃんが、そっぽを向いて庭の小石を蹴った。
「あんたは、あたしのライバルなんだからね」
「そうなの?!」
「そうなの。知らないの、あんただけ」
「そんな、私なんて……」
「なんてって言うな!」
「ごめん!」
ゼイユちゃんに真っ直ぐ見つめられて、手を握られる。
「あんたの卑屈なとこ嫌い」
「すいません!」
「すぐ謝るな!」
「ごめ……はい…………」
彼女は、大きな溜め息をついてから、真剣な表情で言った。
「いい子ちゃんヅラしないで。大人の言いなりにならないで。自分の限界を決めないで。ずっと、あたしの傍にいて」
「うん。約束する」
「破ったら、ドガース丸飲みだかんね」
あなたは、私の人生を鮮やかに色付ける赤色だね。