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かつて南北朝時代というものがあった。足利尊氏が北朝の光明天皇を擁立し、後醍醐天皇が吉野に移り南朝を開いた時期。
私は、その時代に呪術師に生け贄にされた者。
赦さない。赦さないぞ。愚かな人間ども。
人の世に呪いを撒き散らし、私は怪異として噂になっていく。
時は流れて、令和になった。私は、真っ白な着物の悪霊として、まだ現世に留まっている。
『恨めしや…………』
「わっ! 幽霊だ~! あたし、多良しずか。よろしく~」
『…………』
なんだ? この女は?
『私が恐ろしくないのか?』
「色白美人だよね~」
『…………』
多良しずかは、笑顔で言った。
『呪われたいのか?』
「友達になろうよ! ツーショ撮ろ!」
『つうしょ?』
「はい、ピース!」
女は、私たちを撮影したらしい。切り取られた写真を見せられた。
今は、カメラの形も変わったのか。
『そのカメラ…………』
「コレは、スマホだよ~。カメラ機能もあるけど。ネット出来たり、通話したり出来るよ」
『すまほ』
時代に順応し切れてない私には、少々不気味に思える。
「さっきの、インスタに上げていい?」
『あ、ああ』
いんすた? よく分からないが、同意してしまった。
「霊子ちゃん、ずっとここにいるの?」
『霊子ちゃん?!』
「幽霊だから、霊子ちゃん。嫌だった?」
『……問題ない』
親しみを込めて呼ばれているようなので、なんだか嬉しい。
「あ、からめちゃんに連絡した方がいいかも?」
『からめちゃんとは?』
「あたしの友達」
『そうか』
しずかは、すまほを触り、からめとやらに連絡をした。
「はーい。オッケー。からめちゃん、こっち来るって」
『しずかは、不思議な女だな…………』
「そーお?」
『そうだ』
無自覚なのか。物怖じしない性格で、明るい人。久しく相対していなかった類いの者。
「霊子ちゃんが、からめちゃんとも友達になってくれたら嬉しいな」
『……ふふ』
「あっ! 笑った~! カワイイ!」
『はははっ』
私は、呪うことも忘れて、ただ友人と過ごした。
もう、成仏しても構わない。
私は、その時代に呪術師に生け贄にされた者。
赦さない。赦さないぞ。愚かな人間ども。
人の世に呪いを撒き散らし、私は怪異として噂になっていく。
時は流れて、令和になった。私は、真っ白な着物の悪霊として、まだ現世に留まっている。
『恨めしや…………』
「わっ! 幽霊だ~! あたし、多良しずか。よろしく~」
『…………』
なんだ? この女は?
『私が恐ろしくないのか?』
「色白美人だよね~」
『…………』
多良しずかは、笑顔で言った。
『呪われたいのか?』
「友達になろうよ! ツーショ撮ろ!」
『つうしょ?』
「はい、ピース!」
女は、私たちを撮影したらしい。切り取られた写真を見せられた。
今は、カメラの形も変わったのか。
『そのカメラ…………』
「コレは、スマホだよ~。カメラ機能もあるけど。ネット出来たり、通話したり出来るよ」
『すまほ』
時代に順応し切れてない私には、少々不気味に思える。
「さっきの、インスタに上げていい?」
『あ、ああ』
いんすた? よく分からないが、同意してしまった。
「霊子ちゃん、ずっとここにいるの?」
『霊子ちゃん?!』
「幽霊だから、霊子ちゃん。嫌だった?」
『……問題ない』
親しみを込めて呼ばれているようなので、なんだか嬉しい。
「あ、からめちゃんに連絡した方がいいかも?」
『からめちゃんとは?』
「あたしの友達」
『そうか』
しずかは、すまほを触り、からめとやらに連絡をした。
「はーい。オッケー。からめちゃん、こっち来るって」
『しずかは、不思議な女だな…………』
「そーお?」
『そうだ』
無自覚なのか。物怖じしない性格で、明るい人。久しく相対していなかった類いの者。
「霊子ちゃんが、からめちゃんとも友達になってくれたら嬉しいな」
『……ふふ』
「あっ! 笑った~! カワイイ!」
『はははっ』
私は、呪うことも忘れて、ただ友人と過ごした。
もう、成仏しても構わない。