性癖パネルトラップ
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
雨の日は、両脚が痛む。
戦いの中で失くした脚の代わりに、阿形松之助は、エージェントに用意してもらった義足をつけている。
カオスイズムへの復讐心は、相変わらず燃えていた。
「松之助さん? 脚が痛いの?」
「ああ、少しな」
隣に座る恋人が、心配そうな顔で阿形を見つめている。
「何か、私に出来ることはある?」
「……そうだな。このまま側にいてほしい」
「分かった。隣にいる」
恋人が、阿形の手に手を重ねた。
雨は、いよいよ強くなり、この廃墟にふたりを繋ぎ止める。
何かと騒がしい荒鬼狂介と神威為士の不在が、よりいっそうふたりきりであることを際立たせた。
「わっ!?」
「少し肩を借りる」
珍しい阿形の言動に、恋人の脳内は、わたわたとする。しかし、努めて体を動かさないようにした。
松之助さんは、兄貴分だから。そんなあなたに、私を頼ってほしい。
「私、あなたを支えられてる?」
「ああ、もちろん。いつも助けられてるよ」
「それなら、よかった」
ふたりの間に、ただ雨音だけが響いた。雨に濡れた土の香り。隣の存在の体温。いつもより近い距離。
「…………」
しばしの沈黙の後、口を開く。
「あの。松之助さん?」
「…………すぅ」
「寝てる……?」
いつの間にか、阿形は眠っていた。安心したように。穏やかな眠り。
「おやすみなさい」と、静かに告げた。
何かかけるものを取りに行こうかとも思ったが、起こしてしまいそうで躊躇われる。幸い、室温は寒くないので、このままの姿勢を維持することにした。
そうして、一時間後。
「悪い、寝てしまったな」
「…………すぅ」
目覚めた阿形が見たのは、すやすやと眠る恋人だった。
「おやすみ」
そっと、向こう側に倒れそうになっている頭を肩に乗せてやり、笑みを浮かべる。
そして、愛しい者がいる世界を守りたいと、強く思った。
ただの復讐鬼ではなく、正義の味方として。
戦いの中で失くした脚の代わりに、阿形松之助は、エージェントに用意してもらった義足をつけている。
カオスイズムへの復讐心は、相変わらず燃えていた。
「松之助さん? 脚が痛いの?」
「ああ、少しな」
隣に座る恋人が、心配そうな顔で阿形を見つめている。
「何か、私に出来ることはある?」
「……そうだな。このまま側にいてほしい」
「分かった。隣にいる」
恋人が、阿形の手に手を重ねた。
雨は、いよいよ強くなり、この廃墟にふたりを繋ぎ止める。
何かと騒がしい荒鬼狂介と神威為士の不在が、よりいっそうふたりきりであることを際立たせた。
「わっ!?」
「少し肩を借りる」
珍しい阿形の言動に、恋人の脳内は、わたわたとする。しかし、努めて体を動かさないようにした。
松之助さんは、兄貴分だから。そんなあなたに、私を頼ってほしい。
「私、あなたを支えられてる?」
「ああ、もちろん。いつも助けられてるよ」
「それなら、よかった」
ふたりの間に、ただ雨音だけが響いた。雨に濡れた土の香り。隣の存在の体温。いつもより近い距離。
「…………」
しばしの沈黙の後、口を開く。
「あの。松之助さん?」
「…………すぅ」
「寝てる……?」
いつの間にか、阿形は眠っていた。安心したように。穏やかな眠り。
「おやすみなさい」と、静かに告げた。
何かかけるものを取りに行こうかとも思ったが、起こしてしまいそうで躊躇われる。幸い、室温は寒くないので、このままの姿勢を維持することにした。
そうして、一時間後。
「悪い、寝てしまったな」
「…………すぅ」
目覚めた阿形が見たのは、すやすやと眠る恋人だった。
「おやすみ」
そっと、向こう側に倒れそうになっている頭を肩に乗せてやり、笑みを浮かべる。
そして、愛しい者がいる世界を守りたいと、強く思った。
ただの復讐鬼ではなく、正義の味方として。