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僕は、猫カフェで店員をしている。
開店前、ケージやトイレの掃除をする。次に、猫たちに餌をやる。その時に、みんなの健康状態をチェック。うん、みんな元気いっぱいだ。
開店と同時に、本日最初のお客さんがやって来る。
「いらっしゃいませ~」
「こんにちは」
赤縁の眼鏡をかけた、清楚な印象の女の子が来店した。
常連客の前川さんだ。
ドリンクを注文した後、早速、茶トラ猫と猫じゃらしで戯れている。
実は僕は、前川さんの別の姿を知っている。
何故なら、みくにゃんのファンだからである。だからこそ、ネコチャンアイドルのみくにゃんではなく、ひとりのお客さんとして接しなくてはと気を付けている。
彼女は、プライベートで来ているのだから、妙な特別扱いなどはされたくないだろう。
僕は猫が大好きだ。だから、みくにゃんに惹かれるのは当然なのである。
欲を言えば、「サインください」とか「写真いいですか?」とか頼みたい。しかし、そこまでの勇気はない。
そこで僕は、店の制服のエプロンに、みくにゃんグッズの缶バッジをひとつ、着けることにした。あなたのファンですよ、ということだけでも伝わればいいな、と思って。
僕は、辛い時や悲しい時に、何度も彼女に助けられている。だから、少しでも恩返しがしたいのである。
現在、前川さんはサバトラ猫を撫でている。
彼女が猫といるのを見る時は、いつも、心暖まる光景だなぁと思う。やっぱり、彼女が猫が大好きで、ネコチャンアイドルをやっていることを知っているからだろうか。いや、ファンの贔屓目か?
なんにせよ、彼女も、彼女に構われている猫も、幸せそうだ。そんな光景に、僕も幸せになる。
彼女も、この店で安らいでくれているのなら、こんなに嬉しいことはない。
帰り際、僕の着けている缶バッジを、前川さんが、じっと見ていることに気付いた。
あ、気付いてくれたかな? 何か言うべきか? ええと。
「……あの、いつも元気をもらってます。これからも応援してます」
緊張して声が上ずってしまった気がする。そして、頭から自分が何を喋ったのか抜けていく。失礼なこと言ってないよな?
「みくの応援ありがとう! 嬉しいにゃ!」
可愛らしく猫のポーズをキメて、言葉を放つ前川さん。いや、みくにゃん。
いつの間にか僕の両手は胸の前で組まれ、祈るような姿になっていた。
「あ、ありがとうございます。一生推します…………!」
何を口走っているんだ? 僕は。
彼女は、ニコッと笑い、帰って行った。
夢のような時間だった。
生きてて良かった!
前川みく(デレマス)/夢乃つむぎ様
リクエストありがとうございました!
2020/08/01
開店前、ケージやトイレの掃除をする。次に、猫たちに餌をやる。その時に、みんなの健康状態をチェック。うん、みんな元気いっぱいだ。
開店と同時に、本日最初のお客さんがやって来る。
「いらっしゃいませ~」
「こんにちは」
赤縁の眼鏡をかけた、清楚な印象の女の子が来店した。
常連客の前川さんだ。
ドリンクを注文した後、早速、茶トラ猫と猫じゃらしで戯れている。
実は僕は、前川さんの別の姿を知っている。
何故なら、みくにゃんのファンだからである。だからこそ、ネコチャンアイドルのみくにゃんではなく、ひとりのお客さんとして接しなくてはと気を付けている。
彼女は、プライベートで来ているのだから、妙な特別扱いなどはされたくないだろう。
僕は猫が大好きだ。だから、みくにゃんに惹かれるのは当然なのである。
欲を言えば、「サインください」とか「写真いいですか?」とか頼みたい。しかし、そこまでの勇気はない。
そこで僕は、店の制服のエプロンに、みくにゃんグッズの缶バッジをひとつ、着けることにした。あなたのファンですよ、ということだけでも伝わればいいな、と思って。
僕は、辛い時や悲しい時に、何度も彼女に助けられている。だから、少しでも恩返しがしたいのである。
現在、前川さんはサバトラ猫を撫でている。
彼女が猫といるのを見る時は、いつも、心暖まる光景だなぁと思う。やっぱり、彼女が猫が大好きで、ネコチャンアイドルをやっていることを知っているからだろうか。いや、ファンの贔屓目か?
なんにせよ、彼女も、彼女に構われている猫も、幸せそうだ。そんな光景に、僕も幸せになる。
彼女も、この店で安らいでくれているのなら、こんなに嬉しいことはない。
帰り際、僕の着けている缶バッジを、前川さんが、じっと見ていることに気付いた。
あ、気付いてくれたかな? 何か言うべきか? ええと。
「……あの、いつも元気をもらってます。これからも応援してます」
緊張して声が上ずってしまった気がする。そして、頭から自分が何を喋ったのか抜けていく。失礼なこと言ってないよな?
「みくの応援ありがとう! 嬉しいにゃ!」
可愛らしく猫のポーズをキメて、言葉を放つ前川さん。いや、みくにゃん。
いつの間にか僕の両手は胸の前で組まれ、祈るような姿になっていた。
「あ、ありがとうございます。一生推します…………!」
何を口走っているんだ? 僕は。
彼女は、ニコッと笑い、帰って行った。
夢のような時間だった。
生きてて良かった!
前川みく(デレマス)/夢乃つむぎ様
リクエストありがとうございました!
2020/08/01