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私は、諸戸道雄を見ている。彼の片想いを、ずっと見ている。
私が見ているあなたにとって、私は存在しない存在。あなたに私は見えないし、私の声は聴こえない。
それでも、私はあなたの幸せを祈っている。
おのれ箕浦!
私は、通算何回目になるのか分からない悪態をついた。
彼は、箕浦は道雄が恋情を向けている相手である。
私から言わせれば、彼は性が悪い。道雄の想いに気付きながら友人関係を続けるだけならばよいのだが、彼は時に思わせ振りな態度をとり、翻弄するのだ。しかも、それに優越感を覚えている節がある。
端的に言って、腹が立つ。
おのれ、箕浦。
正直なところ、道雄には箕浦への恋慕を即刻捨ててもらいたい。残念だけれど、箕浦があなたに愛を返すことはないだろうから。
正攻法でも、泣き落としでも、彼は靡かなかったじゃあないか。
この洞窟に入ってからも箕浦は、道雄に「怖い、怖い」とすり寄ったり、すがりついたりしている。好きでもない相手に!
魔性でも気取っているのだろうか。私は憤慨した。
やがて、ふたりは洞窟で迷い、暗闇で身を寄せ合う。
そして、道雄がまた箕浦に恋情を語り始めた。
やめてくれ。もう、やめてくれ。
聴きたくないが、私にはどうにも出来ない。
「君とふたりで別世界」か、私もいるのだけれどね。
道雄の言う神様がいるとすれば、それはどんな悪魔のような性質なのだろう。神様は、あなたの味方ではないよ、きっと。
あなたの味方は、見ているだけの、この私。
愛を受け入れてほしいと言う道雄に対する箕浦の反応は…………嫌悪。拒絶だった。
ああ、やはり、あなたが傷付くだけ。
いつもと変わらぬ結果に、私は嘆く。
その後、諸々解決した際には、箕浦は女と結婚した。箕浦め。
道雄はと言うと、病床に伏せっている。
世界一幸せになれとは言わない。しかし、彼に一握りの幸せをくれてもよいのではないか?
私は神様とやらに怒った。
せめて、彼に箕浦のことを忘れさせてくれるなら、私は私の存在を差し出したって構わないというのに。
私が見ているあなたにとって、私は存在しない存在。あなたに私は見えないし、私の声は聴こえない。
それでも、私はあなたの幸せを祈っている。
おのれ箕浦!
私は、通算何回目になるのか分からない悪態をついた。
彼は、箕浦は道雄が恋情を向けている相手である。
私から言わせれば、彼は性が悪い。道雄の想いに気付きながら友人関係を続けるだけならばよいのだが、彼は時に思わせ振りな態度をとり、翻弄するのだ。しかも、それに優越感を覚えている節がある。
端的に言って、腹が立つ。
おのれ、箕浦。
正直なところ、道雄には箕浦への恋慕を即刻捨ててもらいたい。残念だけれど、箕浦があなたに愛を返すことはないだろうから。
正攻法でも、泣き落としでも、彼は靡かなかったじゃあないか。
この洞窟に入ってからも箕浦は、道雄に「怖い、怖い」とすり寄ったり、すがりついたりしている。好きでもない相手に!
魔性でも気取っているのだろうか。私は憤慨した。
やがて、ふたりは洞窟で迷い、暗闇で身を寄せ合う。
そして、道雄がまた箕浦に恋情を語り始めた。
やめてくれ。もう、やめてくれ。
聴きたくないが、私にはどうにも出来ない。
「君とふたりで別世界」か、私もいるのだけれどね。
道雄の言う神様がいるとすれば、それはどんな悪魔のような性質なのだろう。神様は、あなたの味方ではないよ、きっと。
あなたの味方は、見ているだけの、この私。
愛を受け入れてほしいと言う道雄に対する箕浦の反応は…………嫌悪。拒絶だった。
ああ、やはり、あなたが傷付くだけ。
いつもと変わらぬ結果に、私は嘆く。
その後、諸々解決した際には、箕浦は女と結婚した。箕浦め。
道雄はと言うと、病床に伏せっている。
世界一幸せになれとは言わない。しかし、彼に一握りの幸せをくれてもよいのではないか?
私は神様とやらに怒った。
せめて、彼に箕浦のことを忘れさせてくれるなら、私は私の存在を差し出したって構わないというのに。