うちよそ
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従弟の南波遊助に誘われて、海風ゆめは、歩いていた。
目的地は聞かされていない。
「ゆめちゃんに会わせたい人がいるとこ!」らしい。
ゆめは、少しの不安を覚えたが、遊助が悪い人間とつるんでいるとも思えなかった。おとなしく、彼の後ろをついて行く。
「ここだよ」
「駄菓子屋さん?」
「うん。にいちゃーん!」
遊助は、誰かを呼びながら中に入って行った。
にいちゃん。年上の男性。どんな人なのだろうか?
「いらっしゃい、ユースケちゃん。そちらは?」
「従姉のゆめちゃん!」
「はじめまして。海風ゆめです」
「はじめまして。僕は、目守有だよ。よろしくね」
「よろしくお願いします」
会釈をする。
店番をしている有は、一見すれば女性のようだが、声が低めで、かろうじて男性と分かった。
「敬語じゃなくていいよ?」
「いえ、でも…………」
「ふふ。慣れたらでいいから」
「はい」
男は微笑み、レジ前から移動して来る。
「お近づきの印に、どうぞ」
有が差し出したのは、ぷっくりと膨らんだ可愛いシールがワンシート。
「……ありがとうございます」
「僕のシュミだから、ゆめちゃんには合わないかな?」
「いえ、そんなことは……」
正直、意外だった。このシールは、女児向けの有名なメーカーのものだったから。
「好きなんですか? こういうの」
「うん。文通が趣味でね。便箋に貼る可愛いシールを集めてるんだ」
「そうなんですね」
好きなものを、なんのてらいもなく告げる有を、羨ましく思う。
「にいちゃんは、文通相手がいっぱいいるんだ」
「今は、10人くらいかな」
多い、のだろうか?
ゆめが考えていると、出し抜けに遊助が言った。
「にいちゃん、勝負しようぜ! ゆめちゃんは、審判な!」
「いいよ。何にする?」
「めんこ!」
「分かった。表行こうか」
3人は、店先に出る。
「勝負!」
「負けないよ」
有が地面に長方形のめんこを置き、それを裏返そうと、遊助がめんこを叩きつけた。
手番を入れ替えながら、勝負は続く。
ゆめは、その行方を見守っていた。
「ふふ。勝たせてもらうね」
「わーっ!?」
遊助のめんこが、場外に飛ばされる。
勝負あり。
「有さんの勝ち、ですね」
「にいちゃん、すげー強いだろ?!」
「そうだね」
負けたはずの遊助だが、その表情は輝いていた。
いい友達なのだと思う。
「ゆめちゃんも勝負する?」
「え?」
「僕が、審判やるよ。めんこは、貸すし」
「……やります」
ニコニコしてるふたりに釣られて、ゆめも笑った。
3人の遊びは、まだ続く。
目的地は聞かされていない。
「ゆめちゃんに会わせたい人がいるとこ!」らしい。
ゆめは、少しの不安を覚えたが、遊助が悪い人間とつるんでいるとも思えなかった。おとなしく、彼の後ろをついて行く。
「ここだよ」
「駄菓子屋さん?」
「うん。にいちゃーん!」
遊助は、誰かを呼びながら中に入って行った。
にいちゃん。年上の男性。どんな人なのだろうか?
「いらっしゃい、ユースケちゃん。そちらは?」
「従姉のゆめちゃん!」
「はじめまして。海風ゆめです」
「はじめまして。僕は、目守有だよ。よろしくね」
「よろしくお願いします」
会釈をする。
店番をしている有は、一見すれば女性のようだが、声が低めで、かろうじて男性と分かった。
「敬語じゃなくていいよ?」
「いえ、でも…………」
「ふふ。慣れたらでいいから」
「はい」
男は微笑み、レジ前から移動して来る。
「お近づきの印に、どうぞ」
有が差し出したのは、ぷっくりと膨らんだ可愛いシールがワンシート。
「……ありがとうございます」
「僕のシュミだから、ゆめちゃんには合わないかな?」
「いえ、そんなことは……」
正直、意外だった。このシールは、女児向けの有名なメーカーのものだったから。
「好きなんですか? こういうの」
「うん。文通が趣味でね。便箋に貼る可愛いシールを集めてるんだ」
「そうなんですね」
好きなものを、なんのてらいもなく告げる有を、羨ましく思う。
「にいちゃんは、文通相手がいっぱいいるんだ」
「今は、10人くらいかな」
多い、のだろうか?
ゆめが考えていると、出し抜けに遊助が言った。
「にいちゃん、勝負しようぜ! ゆめちゃんは、審判な!」
「いいよ。何にする?」
「めんこ!」
「分かった。表行こうか」
3人は、店先に出る。
「勝負!」
「負けないよ」
有が地面に長方形のめんこを置き、それを裏返そうと、遊助がめんこを叩きつけた。
手番を入れ替えながら、勝負は続く。
ゆめは、その行方を見守っていた。
「ふふ。勝たせてもらうね」
「わーっ!?」
遊助のめんこが、場外に飛ばされる。
勝負あり。
「有さんの勝ち、ですね」
「にいちゃん、すげー強いだろ?!」
「そうだね」
負けたはずの遊助だが、その表情は輝いていた。
いい友達なのだと思う。
「ゆめちゃんも勝負する?」
「え?」
「僕が、審判やるよ。めんこは、貸すし」
「……やります」
ニコニコしてるふたりに釣られて、ゆめも笑った。
3人の遊びは、まだ続く。