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蝶よ花よと育てられていた、のだろうか?
でも、宗教ハラスメントや経済DVや体罰はされていたし。よく分からない。
誕生日のケーキをもらった。クリスマスプレゼントをもらった。テーマパークに連れて行ってもらった。
だけど、年々私からは微笑みが消えていく。
私は、絶対に両親をゆるせないのだと思う。
自販機の前の椅子に座り、そんなことを考えていると、話しかけられた。
「砂子さん」
「当真くん」
「隣いいか?」
「うん」
横に、彼が座る。
私の手の中のココアは、だいぶぬるくなっていた。
「なに考えてたんだ?」
「他者からの理想の押し付けについて」
「砂子さん、押し付けられ過ぎだろ」
「うーん。いや、親族からのもの以外は、別にいいんだ」
口が滑ったな。よくない。
「そんなことより、当真くんは、なにかあったの?」
「別になんも。ただ、あんたに会いに来ただけ」
「そう。ありがとう」
少し、気分が晴れた。
まともな大人、女になるように育てたかったらしいけど、全然そうはならなかったな。
だけど、それでいい。今の私じゃなきゃ、私じゃない。
ガラスの靴も王子様もいらないよ。
「なあ、手を握ってもいいか?」
「え? うん」
片手を差し出すと、当真くんの大きな手で握られた。
「冷たいな」
「私は、変温動物なんだ」
ただの冷え性だろうか。
「…………」
当真くんは、何も言わずに私の手を温めるように握っている。
急に、どうしたんだろう?
「当真くん? どうして、手を?」
「なんとなく。砂子さんの手は、どんな感じかと思って」
「どうだった?」
「小さくて、色白で、冷たい」
「それはまあ、そうだね」
当真くんは、ニヤッと笑った。
「それから、たくさんの奴を救える手だ」
「……そうかな?」
「そうだろ。だから…………」
何かを言い淀んでいる。
「ま、これからも、無理すんなよな」
「うん」
口にする言葉をすり替えたのが分かるけど、私は、ただ頷いた。
無理をして来なかったから、こうなったんだよなぁ。
でも、宗教ハラスメントや経済DVや体罰はされていたし。よく分からない。
誕生日のケーキをもらった。クリスマスプレゼントをもらった。テーマパークに連れて行ってもらった。
だけど、年々私からは微笑みが消えていく。
私は、絶対に両親をゆるせないのだと思う。
自販機の前の椅子に座り、そんなことを考えていると、話しかけられた。
「砂子さん」
「当真くん」
「隣いいか?」
「うん」
横に、彼が座る。
私の手の中のココアは、だいぶぬるくなっていた。
「なに考えてたんだ?」
「他者からの理想の押し付けについて」
「砂子さん、押し付けられ過ぎだろ」
「うーん。いや、親族からのもの以外は、別にいいんだ」
口が滑ったな。よくない。
「そんなことより、当真くんは、なにかあったの?」
「別になんも。ただ、あんたに会いに来ただけ」
「そう。ありがとう」
少し、気分が晴れた。
まともな大人、女になるように育てたかったらしいけど、全然そうはならなかったな。
だけど、それでいい。今の私じゃなきゃ、私じゃない。
ガラスの靴も王子様もいらないよ。
「なあ、手を握ってもいいか?」
「え? うん」
片手を差し出すと、当真くんの大きな手で握られた。
「冷たいな」
「私は、変温動物なんだ」
ただの冷え性だろうか。
「…………」
当真くんは、何も言わずに私の手を温めるように握っている。
急に、どうしたんだろう?
「当真くん? どうして、手を?」
「なんとなく。砂子さんの手は、どんな感じかと思って」
「どうだった?」
「小さくて、色白で、冷たい」
「それはまあ、そうだね」
当真くんは、ニヤッと笑った。
「それから、たくさんの奴を救える手だ」
「……そうかな?」
「そうだろ。だから…………」
何かを言い淀んでいる。
「ま、これからも、無理すんなよな」
「うん」
口にする言葉をすり替えたのが分かるけど、私は、ただ頷いた。
無理をして来なかったから、こうなったんだよなぁ。