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直哉くんが手を差し出してきたので、ふたりは手を繋ぐ。
あなたに、私の秘密を話せないままでいる。
夜空の下を歩き、目的地へ着いた。私物の望遠鏡を取り出す。
輝く星を見た。はくちょう座・こと座・わし座。夏の大三角。
星に願う。どうか、私を女の子にしてください。
そんなことを祈りながらも、どこか諦めている。
声変わりがきたら、直哉くんは、私を嫌うでしょう?
想像するだけで辛い。悲しい。寂しい。
あなたと結婚したいのに。ずっと一緒にいたいのに。
「ナマエちゃん」
「……なあに?」
「どうしたん? 険しい顔して」
「なんでもないよ…………」
ねぇ、私は、あなたのことが大好きだよ。
直哉くんも、私が好きだって言ってくれたね。私たち、キスもしたね。
あなたが、ふたりの思い出の全てを呪う日が来るのかな? 嫌だなぁ。
怖いよ。どうしようもなく怖いの。
星が瞬く。季節は巡る。時の流れの早さに、恨みをこぼす。私に呪力なんてないんだけどね。
「直哉くん。私、今日のこと、忘れないよ。あなたとの記憶、全部忘れないよ」
「そんなん、俺もや」
「うん……」
ただ、ずっと傍にいて。繋いだ手を離さないで。私のこと、嫌いにならないで。
どうして、私は男に生まれたの?
両親に文句も言えない。声変わりまで女装をする慣習も、別に悪くない。悪いのは、私。臆病で、ずるくて、真実を告げられない私。
ごめんなさい。ゆるしてください。
今年、私は13歳になる。この身の成長が呪わしい。
残酷な世界だけど、やっぱり星空は美しくて。涙が出そうになる。
「ナマエちゃん?」
「……私、本当は…………ごめん。ちょっと、星が綺麗で泣きそうになっちゃった…………」
「ナマエちゃんは、綺麗な心を持ってるんやなぁ」
「そうかな……?」
「そうやろ。美しいものを美しいと思える心は、そういうもんなんや」
「ふふ。ありがとう」
言えなかった。
あなたの好意が、いつか反転する日が来るんだろう。
その時、私はどうするんだろう?
あなたに、私の秘密を話せないままでいる。
夜空の下を歩き、目的地へ着いた。私物の望遠鏡を取り出す。
輝く星を見た。はくちょう座・こと座・わし座。夏の大三角。
星に願う。どうか、私を女の子にしてください。
そんなことを祈りながらも、どこか諦めている。
声変わりがきたら、直哉くんは、私を嫌うでしょう?
想像するだけで辛い。悲しい。寂しい。
あなたと結婚したいのに。ずっと一緒にいたいのに。
「ナマエちゃん」
「……なあに?」
「どうしたん? 険しい顔して」
「なんでもないよ…………」
ねぇ、私は、あなたのことが大好きだよ。
直哉くんも、私が好きだって言ってくれたね。私たち、キスもしたね。
あなたが、ふたりの思い出の全てを呪う日が来るのかな? 嫌だなぁ。
怖いよ。どうしようもなく怖いの。
星が瞬く。季節は巡る。時の流れの早さに、恨みをこぼす。私に呪力なんてないんだけどね。
「直哉くん。私、今日のこと、忘れないよ。あなたとの記憶、全部忘れないよ」
「そんなん、俺もや」
「うん……」
ただ、ずっと傍にいて。繋いだ手を離さないで。私のこと、嫌いにならないで。
どうして、私は男に生まれたの?
両親に文句も言えない。声変わりまで女装をする慣習も、別に悪くない。悪いのは、私。臆病で、ずるくて、真実を告げられない私。
ごめんなさい。ゆるしてください。
今年、私は13歳になる。この身の成長が呪わしい。
残酷な世界だけど、やっぱり星空は美しくて。涙が出そうになる。
「ナマエちゃん?」
「……私、本当は…………ごめん。ちょっと、星が綺麗で泣きそうになっちゃった…………」
「ナマエちゃんは、綺麗な心を持ってるんやなぁ」
「そうかな……?」
「そうやろ。美しいものを美しいと思える心は、そういうもんなんや」
「ふふ。ありがとう」
言えなかった。
あなたの好意が、いつか反転する日が来るんだろう。
その時、私はどうするんだろう?