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閉じていた目を開き、視線を上げた。水底から見る太陽は、ゆらめき、眩しく光っている。
自分が沈むプールに、君が飛び込んできて、そこで目が覚めた。
竜ヶ崎くんは、相変わらず水泳部を頑張っている。そのことが、気分を落ち込ませた。
蝶々が水中を泳げないように、君もそうだと思っていたのに。
支度をして、学校へ向かう。
「おはよう、ミョウジ」
「おはよう……」
クラスメイトに挨拶を返した。
「元気ないな?」
「嫌な夢を見たから」
「どんな?」
「忘れた」
嘘だけど。
いっそのこと、君の翅をもいでしまおうか?
無理だろうな。そうじゃないんだ。君に、空を飛んでほしいだけなんだ。
でもそれは、叶わぬ願い。自分のエゴ。分かってるんだよ、そんなことくらい。
放課後。学校のプールへ足を運ぶ。
「竜ヶ崎くん」
「ミョウジ先輩…………」
「昨日は、ごめんね」
自分の願望を、一方的に押し付けて。
「先輩は、優しい人ですね。僕の心配をしてくれたんでしょう?」
「違うよ……俺は、ただ我が儘を言っただけだ…………」
「それでも、あなたが僕を褒めてくれたことは変わりません」
「…………」
俺は、口を閉じて、俯いた。
ごめんなさい。今の君を応援出来なくて。
「ミョウジ先輩」
「なに?」
「また、生物の話を聞かせてください」
「うん。また今度ね」
生物部の変人、ミョウジナマエの話でよければ、いくらでも話そう。
その日は、すぐに帰宅した。
翌日。朝、美しい蝶が飛んでいたから、追いかける。
花にとまったところを、スマートフォンで撮影した。
竜ヶ崎くんに見せて、蝶の話をしよう。
そう思った。
放課後になり、プールへ向かう。
「ミョウジ先輩」
「やあ。今朝、綺麗な蝶を見たよ」
スマホで写真を見せた。
「これは、アゲハチョウですか?」
「うん。アゲハチョウの仲間のクロアゲハだね」
「へぇ」
「アベリアの花の蜜を吸ってる」
7月の空を飛ぶ蝶は、美しくて、優雅である。
俺は、君を応援出来ない。だけど、君のことを観察し続けて、いつかそこに美しさを見出だせたら。その時は、君に真っ直ぐ向き合えるだろう。
自分が沈むプールに、君が飛び込んできて、そこで目が覚めた。
竜ヶ崎くんは、相変わらず水泳部を頑張っている。そのことが、気分を落ち込ませた。
蝶々が水中を泳げないように、君もそうだと思っていたのに。
支度をして、学校へ向かう。
「おはよう、ミョウジ」
「おはよう……」
クラスメイトに挨拶を返した。
「元気ないな?」
「嫌な夢を見たから」
「どんな?」
「忘れた」
嘘だけど。
いっそのこと、君の翅をもいでしまおうか?
無理だろうな。そうじゃないんだ。君に、空を飛んでほしいだけなんだ。
でもそれは、叶わぬ願い。自分のエゴ。分かってるんだよ、そんなことくらい。
放課後。学校のプールへ足を運ぶ。
「竜ヶ崎くん」
「ミョウジ先輩…………」
「昨日は、ごめんね」
自分の願望を、一方的に押し付けて。
「先輩は、優しい人ですね。僕の心配をしてくれたんでしょう?」
「違うよ……俺は、ただ我が儘を言っただけだ…………」
「それでも、あなたが僕を褒めてくれたことは変わりません」
「…………」
俺は、口を閉じて、俯いた。
ごめんなさい。今の君を応援出来なくて。
「ミョウジ先輩」
「なに?」
「また、生物の話を聞かせてください」
「うん。また今度ね」
生物部の変人、ミョウジナマエの話でよければ、いくらでも話そう。
その日は、すぐに帰宅した。
翌日。朝、美しい蝶が飛んでいたから、追いかける。
花にとまったところを、スマートフォンで撮影した。
竜ヶ崎くんに見せて、蝶の話をしよう。
そう思った。
放課後になり、プールへ向かう。
「ミョウジ先輩」
「やあ。今朝、綺麗な蝶を見たよ」
スマホで写真を見せた。
「これは、アゲハチョウですか?」
「うん。アゲハチョウの仲間のクロアゲハだね」
「へぇ」
「アベリアの花の蜜を吸ってる」
7月の空を飛ぶ蝶は、美しくて、優雅である。
俺は、君を応援出来ない。だけど、君のことを観察し続けて、いつかそこに美しさを見出だせたら。その時は、君に真っ直ぐ向き合えるだろう。