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ねぇ、私がいなくなったら、探してくれますか?
悲鳴のような言葉を呑み込み、私は城戸さんの退室を見送る。
あなたは、私を踏むことはないけど、別に助けることもない。
それでいいんだ。共犯者だから。
また、私のガラスの精神にヒビが入っている。割れたら、その度に自分で直すのだけど、段々歪になっていく。生きている限り、仕方ないことだ。
健全な精神に憧憬の念はあるが、脳に刻まれた傷が治ることはない。
あなたが私に望むのは、潰れないこと。ええ、分かってますとも。
精神病棟にぶち込まれた時に、気付いたんです。私は、死にたくないって。
地球が滅びるところを眺めたいし。
溜め息をつく。
今日も、クライアントをボーダーに繋ぎ止めるのだろう。
人を助けたいのは、本当。戦いなんてやめてほしいのも、本当。
私の心と、役割は乖離している。そのせいで、私は軋む。耳障りな音がする。
“あなたの涙を、誰も見ることはありません”
そうだね。それでいいよ。
物語を読み書きしていると、必然的に自分と向き合うことになる。
歪なガラス細工。他人の心が分からない化物。浮き草みたいに生きるのが性に合う怠惰さ。良い子でいたら損をしたという記憶。選ばれない人間。
この全部が、現海砂子を表す言葉。
誰にも見付けてもらえないまま廃棄物になるよりは、今の状態の方が、ずっといいんだろう。
城戸さんが、私を見付けてくれた。
それから……君も…………?
正直、よく分からないんだ。
当真くんには、私がどう見えているんだろう。気になるけど、教えてくれない。
私は、最期まで、ちゃんとした人間でいたかったが、君にはそうは見えてないだろうな。
私のことを知ってほしい? 知ってほしくない?
どうだろうね。少なくとも、洗いざらい話すことはないけど。
でも、なんでだか君は、私の深層に辿り着くような気もしてる。
「…………」
小さく、本当に小さく呟いた。
私は、やっぱり悪者なんだよ。
悲鳴のような言葉を呑み込み、私は城戸さんの退室を見送る。
あなたは、私を踏むことはないけど、別に助けることもない。
それでいいんだ。共犯者だから。
また、私のガラスの精神にヒビが入っている。割れたら、その度に自分で直すのだけど、段々歪になっていく。生きている限り、仕方ないことだ。
健全な精神に憧憬の念はあるが、脳に刻まれた傷が治ることはない。
あなたが私に望むのは、潰れないこと。ええ、分かってますとも。
精神病棟にぶち込まれた時に、気付いたんです。私は、死にたくないって。
地球が滅びるところを眺めたいし。
溜め息をつく。
今日も、クライアントをボーダーに繋ぎ止めるのだろう。
人を助けたいのは、本当。戦いなんてやめてほしいのも、本当。
私の心と、役割は乖離している。そのせいで、私は軋む。耳障りな音がする。
“あなたの涙を、誰も見ることはありません”
そうだね。それでいいよ。
物語を読み書きしていると、必然的に自分と向き合うことになる。
歪なガラス細工。他人の心が分からない化物。浮き草みたいに生きるのが性に合う怠惰さ。良い子でいたら損をしたという記憶。選ばれない人間。
この全部が、現海砂子を表す言葉。
誰にも見付けてもらえないまま廃棄物になるよりは、今の状態の方が、ずっといいんだろう。
城戸さんが、私を見付けてくれた。
それから……君も…………?
正直、よく分からないんだ。
当真くんには、私がどう見えているんだろう。気になるけど、教えてくれない。
私は、最期まで、ちゃんとした人間でいたかったが、君にはそうは見えてないだろうな。
私のことを知ってほしい? 知ってほしくない?
どうだろうね。少なくとも、洗いざらい話すことはないけど。
でも、なんでだか君は、私の深層に辿り着くような気もしてる。
「…………」
小さく、本当に小さく呟いた。
私は、やっぱり悪者なんだよ。