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麻雀をしている。今回は、青天井ルールである。1飜あがるごとに点数がどこまでも倍々になっていく。
数時間かけて、勝負という舞台の幕は降りた。
「マジかよ……」と、洸太郎がオレを見る。
「ミョウジさんが勝ちかぁ」と、太刀川が言う。
「ははは」と、東さんは平時のままの顔で笑う。
「なんだよ? オレが勝っちゃ悪いのかよ?」
「……おめでとう」
「おめでとうございまーす」
オレの頭の中では、歓声が鳴り響いていた。
「それで? 何が望みだ?」
洸太郎が訊く。
「甘いものを献上してもらおうか」
「そんなんでいいの?」
太刀川が笑った。
「これくらいがいいんだよ」
オレが一番欲しいものは、もう持ってる。諏訪洸太郎の隣という特別席。
「ほらよ」
洸太郎が、飴を渡してきた。
「持ち合わせがないから、今度な」
「俺も」
東さんと太刀川は、そう言う。
その後。夜空の下の帰り道。洸太郎と、ふたりで歩く。
「ナマエ、今日泊まる」
「オーケー」
いつでも来ていいと言ってあるし、合鍵も渡してある。あの家は、ひとりには広過ぎるから。
「オレさぁ」
「ん?」
「願いが叶ったら、死ぬような気がしてたんだ。でも、人生は続いてる」
「おまえがいなくなるのは、嫌だ」
「ありがと」
列車は必ず、次の駅へ。舞台が終わると、次の舞台が待っている。
最期の最期、オレは笑っていられるだろうか?
「死んだ後、おまえに会いに行く。たとえ、どんなに遠くても」
「待っててやるよ。いつまでも」
違うステージにいても、オレはおまえの側に向かう。人間は、意志する者だから。この意識こそが、オレの全部。
オレの中で、“死を忘れるな。今を楽しめ”と声がする。それは、遥か昔の哲学者の言葉。
「今夜は、月が綺麗だな」
「そうだな」
もう、月を消したいとは思わない。太陽も星も恨まない。世界を呪ってもいない。
呪いを解いてくれて、ありがとう。
愛してくれたから、オレは愛を持てるようになった。
オレは、おまえのためなら、なんでも出来るんだ。
数時間かけて、勝負という舞台の幕は降りた。
「マジかよ……」と、洸太郎がオレを見る。
「ミョウジさんが勝ちかぁ」と、太刀川が言う。
「ははは」と、東さんは平時のままの顔で笑う。
「なんだよ? オレが勝っちゃ悪いのかよ?」
「……おめでとう」
「おめでとうございまーす」
オレの頭の中では、歓声が鳴り響いていた。
「それで? 何が望みだ?」
洸太郎が訊く。
「甘いものを献上してもらおうか」
「そんなんでいいの?」
太刀川が笑った。
「これくらいがいいんだよ」
オレが一番欲しいものは、もう持ってる。諏訪洸太郎の隣という特別席。
「ほらよ」
洸太郎が、飴を渡してきた。
「持ち合わせがないから、今度な」
「俺も」
東さんと太刀川は、そう言う。
その後。夜空の下の帰り道。洸太郎と、ふたりで歩く。
「ナマエ、今日泊まる」
「オーケー」
いつでも来ていいと言ってあるし、合鍵も渡してある。あの家は、ひとりには広過ぎるから。
「オレさぁ」
「ん?」
「願いが叶ったら、死ぬような気がしてたんだ。でも、人生は続いてる」
「おまえがいなくなるのは、嫌だ」
「ありがと」
列車は必ず、次の駅へ。舞台が終わると、次の舞台が待っている。
最期の最期、オレは笑っていられるだろうか?
「死んだ後、おまえに会いに行く。たとえ、どんなに遠くても」
「待っててやるよ。いつまでも」
違うステージにいても、オレはおまえの側に向かう。人間は、意志する者だから。この意識こそが、オレの全部。
オレの中で、“死を忘れるな。今を楽しめ”と声がする。それは、遥か昔の哲学者の言葉。
「今夜は、月が綺麗だな」
「そうだな」
もう、月を消したいとは思わない。太陽も星も恨まない。世界を呪ってもいない。
呪いを解いてくれて、ありがとう。
愛してくれたから、オレは愛を持てるようになった。
オレは、おまえのためなら、なんでも出来るんだ。