800文字チャレンジ
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
あなたをなんと称えればいいのか、私には分からない。
だって、「美しい」なんて、何百回も言われているでしょう? 「綺麗」「容姿端麗」「傾国の美」、どれも陳腐な言葉に思えてくる。
ポムフィオーレ寮の寮長、ヴィル・シェーンハイト先輩。彼に相応しい賛辞の言葉が、私には思い付かない。
それでも、私は今日もヴィル様に声をかける。
「おはようございます、ヴィル様。今日も至上の麗しさです……!」
なんとか、美しさへの褒め言葉を捻り出す。
「おはよう」
すれ違い様に、少し足を止めて、私に返事をしてくれるヴィル様は、お優しい。
頬に、つい、と手をやり、私にお顔を見せてくださる。その所作も大変美しい。
「今日も当然、アタシは麗しいわよね」
「その通りです」
ああ、今日もその美しさを瞳に焼き付けよう。私は、瞬きも惜しんで、彼を見つめる。
この時間は、いつでも少し緊張して、でも高揚して、気分が良くなる。大切な時間。
何時間でも、あなたを瞳に映していたいけれど、朝の邂逅は、すぐに終わりになってしまう。
3分にも満たない、わずかな時間。その時間で、私は出来る限りのことをする。
きっと、明日もそうするだろう。
翌日も、やっぱり私は彼に声をかけた。
すると、今朝は予想外のことが起こる。
「アタシ、アンタの美しい瞳に映るアタシが好きなのよ」
「美しい…………?」
「そうよ。冬の澄んだ湖みたいな、美しい瞳。アタシを映すのにピッタリの瞳だわ」
あのヴィル様が私を褒めてくださった。私の瞳を、美しいって。こんなに嬉しいことはない。
「あ、ありがとうございます……」
嬉しさのあまり、言葉がもつれた。
顔が熱い。私の顔は、林檎みたいに赤くなっていることだろう。
「身だしなみも、毎日きちんと整えているし、制服・寮服・式典服もちゃんと着こなしている。他の服は知らないけれど、アンタは優秀よ。そのまま手を抜かず頑張りなさい」
「はい! ヴィル様」
「アンタが心を砕いてアタシを褒めていることも、分かってるわ。毎日、ありがとう」
「ヴィル様…………」
感激で、涙がこぼれそうになる。私の努力は報われた。それも、こんなにも美しく。
だって、「美しい」なんて、何百回も言われているでしょう? 「綺麗」「容姿端麗」「傾国の美」、どれも陳腐な言葉に思えてくる。
ポムフィオーレ寮の寮長、ヴィル・シェーンハイト先輩。彼に相応しい賛辞の言葉が、私には思い付かない。
それでも、私は今日もヴィル様に声をかける。
「おはようございます、ヴィル様。今日も至上の麗しさです……!」
なんとか、美しさへの褒め言葉を捻り出す。
「おはよう」
すれ違い様に、少し足を止めて、私に返事をしてくれるヴィル様は、お優しい。
頬に、つい、と手をやり、私にお顔を見せてくださる。その所作も大変美しい。
「今日も当然、アタシは麗しいわよね」
「その通りです」
ああ、今日もその美しさを瞳に焼き付けよう。私は、瞬きも惜しんで、彼を見つめる。
この時間は、いつでも少し緊張して、でも高揚して、気分が良くなる。大切な時間。
何時間でも、あなたを瞳に映していたいけれど、朝の邂逅は、すぐに終わりになってしまう。
3分にも満たない、わずかな時間。その時間で、私は出来る限りのことをする。
きっと、明日もそうするだろう。
翌日も、やっぱり私は彼に声をかけた。
すると、今朝は予想外のことが起こる。
「アタシ、アンタの美しい瞳に映るアタシが好きなのよ」
「美しい…………?」
「そうよ。冬の澄んだ湖みたいな、美しい瞳。アタシを映すのにピッタリの瞳だわ」
あのヴィル様が私を褒めてくださった。私の瞳を、美しいって。こんなに嬉しいことはない。
「あ、ありがとうございます……」
嬉しさのあまり、言葉がもつれた。
顔が熱い。私の顔は、林檎みたいに赤くなっていることだろう。
「身だしなみも、毎日きちんと整えているし、制服・寮服・式典服もちゃんと着こなしている。他の服は知らないけれど、アンタは優秀よ。そのまま手を抜かず頑張りなさい」
「はい! ヴィル様」
「アンタが心を砕いてアタシを褒めていることも、分かってるわ。毎日、ありがとう」
「ヴィル様…………」
感激で、涙がこぼれそうになる。私の努力は報われた。それも、こんなにも美しく。