お礼小説ログ
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
ふたりとも、お菓子が好きで、よくコンビニで買ったものを持ち寄ったり、スイーツ店へ行ったりしている。
先輩と私は、お菓子同盟を結んでいるのだ。ふたりだけの、同盟。
コンビニに期間限定のお菓子があれば購入し、有名スイーツ店に新作がくれば列に並んだ。
ケーキもチョコレートもマカロンもマシュマロもパフェも駄菓子も、みんなみんな大好き。私と先輩は、甘いものに目がない。
この前、ふたりで知育菓子を作ったら、先輩は見事に失敗していた。それが、本当におかしくて、私はけらけら笑ったものだ。先輩は、膨れっ面で、私にデコピンをした。
いつも、私たちは、そんな感じ。不器用な先輩を、私は助けてあげたり、ちょっと笑ったり。
ずっと、そんな日々が続いていくのだと思っていた。
ある日、先輩が病に罹患する。それは、甘いものを食べると大切なものを忘れる、という病だった。
その病に気付くのには、かなり時間がかかってしまった。なんせ、先輩は何も覚えてないのだから。先輩が、私の名前を忘れた時、初めて気付いたのだ。
ショックだった。先輩は、お菓子同盟の思い出の大半を失っていたから。
でも、つまり、私との思い出を大切に想っていてくれたということ。それは嬉しいけれど、やっぱり悲しさには勝てなかった。
先輩は、甘いものを断つと決めたようで、お菓子同盟はおしまいになる。
必然、私と先輩は、以前より一緒に過ごさなくなった。
もう、遅いですか? 私は、過去のものになってしまうんですか? それって死ぬのと変わらないですよ。
先輩に、そう言いたかった。
こんなことになるなら、さっさと先輩に「好き」だと言っておけばよかったのに。いや、そうしていたら、先輩に忘れられたかも。いやいや、それは自惚れかも。普通にフラれていたかもしれない。
先輩、私も甘いもの食べられなくてもいいよ。だから、何か別の同盟を結ぼうよ。
私は、必死に、“何か”を探した。でも、見付からなかった。
だから、もう告白するしかない。私との思い出を失くした先輩に。
「先輩、私は————」
どうか、結末だけは甘くして。
先輩と私は、お菓子同盟を結んでいるのだ。ふたりだけの、同盟。
コンビニに期間限定のお菓子があれば購入し、有名スイーツ店に新作がくれば列に並んだ。
ケーキもチョコレートもマカロンもマシュマロもパフェも駄菓子も、みんなみんな大好き。私と先輩は、甘いものに目がない。
この前、ふたりで知育菓子を作ったら、先輩は見事に失敗していた。それが、本当におかしくて、私はけらけら笑ったものだ。先輩は、膨れっ面で、私にデコピンをした。
いつも、私たちは、そんな感じ。不器用な先輩を、私は助けてあげたり、ちょっと笑ったり。
ずっと、そんな日々が続いていくのだと思っていた。
ある日、先輩が病に罹患する。それは、甘いものを食べると大切なものを忘れる、という病だった。
その病に気付くのには、かなり時間がかかってしまった。なんせ、先輩は何も覚えてないのだから。先輩が、私の名前を忘れた時、初めて気付いたのだ。
ショックだった。先輩は、お菓子同盟の思い出の大半を失っていたから。
でも、つまり、私との思い出を大切に想っていてくれたということ。それは嬉しいけれど、やっぱり悲しさには勝てなかった。
先輩は、甘いものを断つと決めたようで、お菓子同盟はおしまいになる。
必然、私と先輩は、以前より一緒に過ごさなくなった。
もう、遅いですか? 私は、過去のものになってしまうんですか? それって死ぬのと変わらないですよ。
先輩に、そう言いたかった。
こんなことになるなら、さっさと先輩に「好き」だと言っておけばよかったのに。いや、そうしていたら、先輩に忘れられたかも。いやいや、それは自惚れかも。普通にフラれていたかもしれない。
先輩、私も甘いもの食べられなくてもいいよ。だから、何か別の同盟を結ぼうよ。
私は、必死に、“何か”を探した。でも、見付からなかった。
だから、もう告白するしかない。私との思い出を失くした先輩に。
「先輩、私は————」
どうか、結末だけは甘くして。