うちよそ
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今夜は、ありすが泊まりに来てくれる。
『今日、泊まりに行く』
『飯を用意しておけ』
『はい』
そんなやり取りをしたのが、夕方。急過ぎる。
しかし創は、それでも喜ばしく感じた。
そわそわしているうちに、インターホンが鳴る。
ありすが来た。
「こんばんは、ありすさん」
「ああ。来てやったぞ、嬉しいか?」
「はい」
「飯はなんだ?」
「カルボナーラです」
「なるほど。ありがとう」
ふ、と笑うありす。それを見て、心臓が高鳴る。
ありすは、鞄を置いてから洗面所へ行き、手洗いうがいをした。
「さ、飯だ」
「はい」
ありすは席に着き、創が給仕してくれるのが当然のように待つ。創は、出来るだけ急いで、ありすのために料理をテーブルに並べた。
「いただきます」
カルボナーラと茹でたブロッコリーを食べるありす。創も、ありすを視界に入れながら食事をした。
食べる合間に、煎茶を飲んだありす。
「カルボナーラに合うお茶だな。わざわざご苦労。褒めてやる」
「はい……! ありがとうございます」
そう。そのお茶は、カルボナーラに合うと評判のものを、ありすのために用意したものだった。横柄な女だが、そういうところは目敏く、きちんとお礼も言う。たまに、ありすが与える飴は、大層甘かった。どろどろと、糖蜜を魂にかけられたかのように、恍惚とする創。
食後、ありすと創は、並んで座ってテレビを見た。ありすは、別段楽しそうでもない。彼女の横顔を見て、そう感じた。では、ありすの趣味とはなんなのだろう?
「ありすさん、趣味ってありますか?」
「趣味? 美味いものを食べるのは好きだが。あとは、まあ、秘密だな」
「そうですか……」
ありすの趣味。それは、人心掌握。針を刺して、他人を作り変えること。それは、彼女の生き方と密接に結び付いている。人を操るのは、楽しい。精神基盤から、性質の悪い女。
「あの……ありすさん…………」
「なんだ?」
創の方を向くありす。
「好きです……」
どろどろになったままの心が、そんな台詞を吐かせた。
「そうか。ありがとう。それで?」
ありすは、不遜な態度のままで続きを促す。
「え、あの、つ、付き合ってください……」
「それは出来ないな。私は優しいから、万人に平等なんだ。今のところ、恋人を作るつもりはない」
誰かひとりのものになったら、大勢の人間に恨まれるから。面倒だ。
「創、これからも良い友達でいてくれるよな?」
創の膝に手を置いて、ありすは微笑む。
「はい…………」
灰崎ありすは、よくよく残酷な女だった。
『今日、泊まりに行く』
『飯を用意しておけ』
『はい』
そんなやり取りをしたのが、夕方。急過ぎる。
しかし創は、それでも喜ばしく感じた。
そわそわしているうちに、インターホンが鳴る。
ありすが来た。
「こんばんは、ありすさん」
「ああ。来てやったぞ、嬉しいか?」
「はい」
「飯はなんだ?」
「カルボナーラです」
「なるほど。ありがとう」
ふ、と笑うありす。それを見て、心臓が高鳴る。
ありすは、鞄を置いてから洗面所へ行き、手洗いうがいをした。
「さ、飯だ」
「はい」
ありすは席に着き、創が給仕してくれるのが当然のように待つ。創は、出来るだけ急いで、ありすのために料理をテーブルに並べた。
「いただきます」
カルボナーラと茹でたブロッコリーを食べるありす。創も、ありすを視界に入れながら食事をした。
食べる合間に、煎茶を飲んだありす。
「カルボナーラに合うお茶だな。わざわざご苦労。褒めてやる」
「はい……! ありがとうございます」
そう。そのお茶は、カルボナーラに合うと評判のものを、ありすのために用意したものだった。横柄な女だが、そういうところは目敏く、きちんとお礼も言う。たまに、ありすが与える飴は、大層甘かった。どろどろと、糖蜜を魂にかけられたかのように、恍惚とする創。
食後、ありすと創は、並んで座ってテレビを見た。ありすは、別段楽しそうでもない。彼女の横顔を見て、そう感じた。では、ありすの趣味とはなんなのだろう?
「ありすさん、趣味ってありますか?」
「趣味? 美味いものを食べるのは好きだが。あとは、まあ、秘密だな」
「そうですか……」
ありすの趣味。それは、人心掌握。針を刺して、他人を作り変えること。それは、彼女の生き方と密接に結び付いている。人を操るのは、楽しい。精神基盤から、性質の悪い女。
「あの……ありすさん…………」
「なんだ?」
創の方を向くありす。
「好きです……」
どろどろになったままの心が、そんな台詞を吐かせた。
「そうか。ありがとう。それで?」
ありすは、不遜な態度のままで続きを促す。
「え、あの、つ、付き合ってください……」
「それは出来ないな。私は優しいから、万人に平等なんだ。今のところ、恋人を作るつもりはない」
誰かひとりのものになったら、大勢の人間に恨まれるから。面倒だ。
「創、これからも良い友達でいてくれるよな?」
創の膝に手を置いて、ありすは微笑む。
「はい…………」
灰崎ありすは、よくよく残酷な女だった。