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帽子と眼鏡とマスクで変装していたようだけど、その娘の正体はすぐに分かった。何故なら私は、彼女のファンだから。
アイドルユニット、トライアドプリムスの、神谷奈緒ちゃん。
ちょっと素直じゃないけど、そんなところが魅力的な女の子。
彼女の趣味がアニメ鑑賞だということは、知っていた。だから、まあ、アニメのイベントに来ていてもおかしくはない。
けれど、まさか、声優との握手会にまで参加しているとは。
しかも、彼女が整理券を握り締めて並んでいるのは、この魔法少女アニメでは一番の新人声優である私の列だ。
私が演じている女の子は、魔法少女に変身しない脇役である。
変身しない女の子。変身出来ない、女の子。
人気は、華のある魔法少女の娘たちと比べたら、ないのだろう。私の列は、メインキャラやベテラン声優が演じるマスコットキャラの列に比べて、明らかに人が少ないし。
だけど、奈緒ちゃんは真っ直ぐに私の列に来たね。ありがとう。
私は、心の中でお礼を言った。
奈緒ちゃんの順番が近付いている。
どうしよう。ただでさえ緊張しているのに、さらに緊張してしまいそう。
でも、見れば奈緒ちゃんも緊張しているらしく、頬が赤くなっていて。私は、少し緊張が解けた。
そして、やってきた彼女の番。
差し出された左手を、私は両手で握った。
「いつも応援ありがとうございます!」
私は努めて明るく、笑顔で声をかける。
すると、奈緒ちゃんも口を開いた。
「あ、あたし、マチコちゃんが大好きですっ!」
マチコとは、私が演じている女の子の名前である。
「自分に出来ることを一生懸命する姿に、いつも勇気をもらってます!」
「……ありがとう、ございますっ!」
そう。そうなのだ。マチコはそういう娘なのだ。
魔法少女に変身は出来ないけれど、いつだってひたむきに頑張る女の子。
分かってもらえて、本当に嬉しい。
伝えてもらえて、本当に嬉しい。
私も今度、伝えに行こう。「神谷奈緒ちゃんに、いつも勇気をもらっています」って。
絶対に伝えに行くからね!
アイドルユニット、トライアドプリムスの、神谷奈緒ちゃん。
ちょっと素直じゃないけど、そんなところが魅力的な女の子。
彼女の趣味がアニメ鑑賞だということは、知っていた。だから、まあ、アニメのイベントに来ていてもおかしくはない。
けれど、まさか、声優との握手会にまで参加しているとは。
しかも、彼女が整理券を握り締めて並んでいるのは、この魔法少女アニメでは一番の新人声優である私の列だ。
私が演じている女の子は、魔法少女に変身しない脇役である。
変身しない女の子。変身出来ない、女の子。
人気は、華のある魔法少女の娘たちと比べたら、ないのだろう。私の列は、メインキャラやベテラン声優が演じるマスコットキャラの列に比べて、明らかに人が少ないし。
だけど、奈緒ちゃんは真っ直ぐに私の列に来たね。ありがとう。
私は、心の中でお礼を言った。
奈緒ちゃんの順番が近付いている。
どうしよう。ただでさえ緊張しているのに、さらに緊張してしまいそう。
でも、見れば奈緒ちゃんも緊張しているらしく、頬が赤くなっていて。私は、少し緊張が解けた。
そして、やってきた彼女の番。
差し出された左手を、私は両手で握った。
「いつも応援ありがとうございます!」
私は努めて明るく、笑顔で声をかける。
すると、奈緒ちゃんも口を開いた。
「あ、あたし、マチコちゃんが大好きですっ!」
マチコとは、私が演じている女の子の名前である。
「自分に出来ることを一生懸命する姿に、いつも勇気をもらってます!」
「……ありがとう、ございますっ!」
そう。そうなのだ。マチコはそういう娘なのだ。
魔法少女に変身は出来ないけれど、いつだってひたむきに頑張る女の子。
分かってもらえて、本当に嬉しい。
伝えてもらえて、本当に嬉しい。
私も今度、伝えに行こう。「神谷奈緒ちゃんに、いつも勇気をもらっています」って。
絶対に伝えに行くからね!