うちよそ
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
赤羽さんのグラビアとロングインタビューが載った号は、バカ売れした。時代は、筋肉、そして返り血。
「編集長、赤羽さんのグラビアもっと撮りたいのですがぁ!」
「……筋肉オタク」
「アンケートで赤羽さんの記事が良かったって、数字出てますよね!」
「はぁ……許可が出たらな……」
「わーい!」
両手を上げて、喜んだ。
「はしゃぐな、アラサー」
「エイジズムだ! 差別ですよ! 炎上させてやります!」
「やめろ」
◆◆◆
「はい。まずは、ミリタリー系ですね。迷彩キャップとパンツに黒色のタンクトップと手袋とブーツで!」
「分かった」
「よろしくお願いしますね」と、更衣室を後にする。
絶対似合う。ぼくの目に狂いはないので。
しばらくしてから、ぼくの思った通りの着こなしの赤羽さんが、撮影スタジオへ来た。
「片手でキャップの鍔を掴みながら、カメラの方に目線お願いします!」
「こうか?」
「ありがとうございます!」
ナイスショット!
次々とポーズを指定し、撮影を進める。
「では、着替えをよろしくお願いします」
「ああ」
この後は、カッコいい鳳凰の刺繍の入ったスカジャンを着てもらい、撮影だ。
「着たぞ」
「お似合いですね!」
早速、撮影に入る。
「ポケットに両手入れてください! 誰か待ってる感じで!」
よっしゃあ! やっぱり最高!
順調に撮影は進み、終わった。
「お疲れ様でした!」
「ああ…………」
赤羽さんは、脱いだ後のスカジャンを見つめている。
「それ、欲しかったら買い取れますよ」
「……! そうか。買い取る」
「はーい」
気に入ってくれたなら、選んだ甲斐があるというものだ。
「お前は、どうして追って来るんだ?」
唐突。質問を投げかけられた。
「赤羽さんが、カッコいいからです! 理想的な筋肉ですよね!」
ニコニコ。笑顔で答えるぼく。
赤羽さんは、珍しいものを見るような目で、ぼくを見ている。
カッコいい人がいたら、色々知りたいし、素晴らしい筋肉があったら、目に焼き付けたいし、記録したい。あと、みんなに見てほしい。
「えーと、ぼく、変なこと言いました?」
「お前のことが、よく分からない」
「ただの雑誌記者ですよぉ」
「黄田」
「はい!」
「他にも取材の依頼が来ているんだが……」
「ええ!? どこですか?!」
名前を聞いて、怒りが湧いてきた。
「そこはダメですね! 品性下劣な週刊誌ですよ! どうせ、恋人の有無とか下世話な初体験の話とか訊かれますよ!」
「じゃあ、断る」
「はい!」
ゆ、ゆるせねぇ~。俗物ども~。カス取り雑誌の癖に出しゃばるなよ。
「では、よかったら、またお願いしますねぇ! うちの雑誌は、セクハラめいた詮索なんてしませんからね!」
「ああ」
ぼくが守らないと! みたいな使命感が出てきた。まあ、ぼくより若……いや、純真そうだし…………?
危ない、危ない。エイジズムはよくない。
ありがとう、と言われて、ぼくは嬉しくなった。
「編集長、赤羽さんのグラビアもっと撮りたいのですがぁ!」
「……筋肉オタク」
「アンケートで赤羽さんの記事が良かったって、数字出てますよね!」
「はぁ……許可が出たらな……」
「わーい!」
両手を上げて、喜んだ。
「はしゃぐな、アラサー」
「エイジズムだ! 差別ですよ! 炎上させてやります!」
「やめろ」
◆◆◆
「はい。まずは、ミリタリー系ですね。迷彩キャップとパンツに黒色のタンクトップと手袋とブーツで!」
「分かった」
「よろしくお願いしますね」と、更衣室を後にする。
絶対似合う。ぼくの目に狂いはないので。
しばらくしてから、ぼくの思った通りの着こなしの赤羽さんが、撮影スタジオへ来た。
「片手でキャップの鍔を掴みながら、カメラの方に目線お願いします!」
「こうか?」
「ありがとうございます!」
ナイスショット!
次々とポーズを指定し、撮影を進める。
「では、着替えをよろしくお願いします」
「ああ」
この後は、カッコいい鳳凰の刺繍の入ったスカジャンを着てもらい、撮影だ。
「着たぞ」
「お似合いですね!」
早速、撮影に入る。
「ポケットに両手入れてください! 誰か待ってる感じで!」
よっしゃあ! やっぱり最高!
順調に撮影は進み、終わった。
「お疲れ様でした!」
「ああ…………」
赤羽さんは、脱いだ後のスカジャンを見つめている。
「それ、欲しかったら買い取れますよ」
「……! そうか。買い取る」
「はーい」
気に入ってくれたなら、選んだ甲斐があるというものだ。
「お前は、どうして追って来るんだ?」
唐突。質問を投げかけられた。
「赤羽さんが、カッコいいからです! 理想的な筋肉ですよね!」
ニコニコ。笑顔で答えるぼく。
赤羽さんは、珍しいものを見るような目で、ぼくを見ている。
カッコいい人がいたら、色々知りたいし、素晴らしい筋肉があったら、目に焼き付けたいし、記録したい。あと、みんなに見てほしい。
「えーと、ぼく、変なこと言いました?」
「お前のことが、よく分からない」
「ただの雑誌記者ですよぉ」
「黄田」
「はい!」
「他にも取材の依頼が来ているんだが……」
「ええ!? どこですか?!」
名前を聞いて、怒りが湧いてきた。
「そこはダメですね! 品性下劣な週刊誌ですよ! どうせ、恋人の有無とか下世話な初体験の話とか訊かれますよ!」
「じゃあ、断る」
「はい!」
ゆ、ゆるせねぇ~。俗物ども~。カス取り雑誌の癖に出しゃばるなよ。
「では、よかったら、またお願いしますねぇ! うちの雑誌は、セクハラめいた詮索なんてしませんからね!」
「ああ」
ぼくが守らないと! みたいな使命感が出てきた。まあ、ぼくより若……いや、純真そうだし…………?
危ない、危ない。エイジズムはよくない。
ありがとう、と言われて、ぼくは嬉しくなった。