創作企画「冥冥の澱」2
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星見屋さん。私と好きな人は、結ばれるかしら?
「あなたの想いをしたためた文をお出しすべき、と星に出ております」
星見屋さん。私とあの人の仲は、進展するかしら?
「近いうちに。星空の下で起きるとあります」
星見屋さん。私の婚儀はいつがいいかしら?
「心のままにせよ、と星が囁いております」
星見屋さん。私の子供に名前を授けていただけるかしら?
「星に訊いてみましょう」
星見屋さん。私の子供は健やかに育つかしら?
「ええ。お子さんは、無事に育つ星の元にお生まれです」
星見屋さん。私の子供は立派な大人になれるかしら?
「生きてさえいれば、それはもう立派なものだと、星が申しております」
星見屋さん。私の使命は終わったかしら?
「まだまだ先は長いと、星が瞬きました」
星見屋さん。私の生は良いものだったのかしら?
「もちろん。あなたは、良き生を全うしました」
星見屋さん。今まで、ありがとう。あなたの人生は? あなたの一生は? あなたは孤独ではありませんでしたか?
「あなたがおりました。それで充分です」
星見屋さん。さようなら。私は、星になれるかしら?
「あなたは、一等星の輝きを持っております」
星見屋さん。それは、星がそう言っているのかしら?
「私の中の星空で、あなたは最も明るく美しい星です」
◆◆◆
星見屋の十様は、我が家と長い間懇意にしてくださいました。我が家の者は皆、各々が十様にご相談し、助言をいただきました。誠にありがとうございます。
「格別の寵愛を賜ったこと、ありがとう存じます」
あなたは、星の声を聴き、それを伝え、皆を祝福してくださいます。その力を、お借り出来て、本当に助かりました。
「星見屋ですもの。当然のことでございます。兄は、お嬢様と共に在ることが出来、幸せ者でした」
あなたの兄上は…………いえ、何でもないです。
「いいのですよ。兄は望んで、ひとりでいたのです。しかし、孤独ではありませんでしたから」
ですが…………そうですね、あのふたりのことは、あのふたりにしか分からないのでしょう。それで、今後は?
「本来、十の者は、一所にはいないものです。星を見て、旅をしながら人を導く。そういうものなのです。そろそろ、旅路へ戻ります」
分かりました。喜んで送り出させていただきます。
「ありがとうございます。では、旅支度をして参ります」
◆◆◆
本当はね、兄は、お嬢様をどこかへ連れ去りたかったのですよ。
これは内緒のお話。私が秘するべきもの。
しかし、こうして書をしたためているのは、子孫に伝えたいことがあるからです。
自分自身の幸せと、他人を祝福すること。両方を掴みなさい。出来ることなら。
幸せにおなりなさい。
「あなたの想いをしたためた文をお出しすべき、と星に出ております」
星見屋さん。私とあの人の仲は、進展するかしら?
「近いうちに。星空の下で起きるとあります」
星見屋さん。私の婚儀はいつがいいかしら?
「心のままにせよ、と星が囁いております」
星見屋さん。私の子供に名前を授けていただけるかしら?
「星に訊いてみましょう」
星見屋さん。私の子供は健やかに育つかしら?
「ええ。お子さんは、無事に育つ星の元にお生まれです」
星見屋さん。私の子供は立派な大人になれるかしら?
「生きてさえいれば、それはもう立派なものだと、星が申しております」
星見屋さん。私の使命は終わったかしら?
「まだまだ先は長いと、星が瞬きました」
星見屋さん。私の生は良いものだったのかしら?
「もちろん。あなたは、良き生を全うしました」
星見屋さん。今まで、ありがとう。あなたの人生は? あなたの一生は? あなたは孤独ではありませんでしたか?
「あなたがおりました。それで充分です」
星見屋さん。さようなら。私は、星になれるかしら?
「あなたは、一等星の輝きを持っております」
星見屋さん。それは、星がそう言っているのかしら?
「私の中の星空で、あなたは最も明るく美しい星です」
◆◆◆
星見屋の十様は、我が家と長い間懇意にしてくださいました。我が家の者は皆、各々が十様にご相談し、助言をいただきました。誠にありがとうございます。
「格別の寵愛を賜ったこと、ありがとう存じます」
あなたは、星の声を聴き、それを伝え、皆を祝福してくださいます。その力を、お借り出来て、本当に助かりました。
「星見屋ですもの。当然のことでございます。兄は、お嬢様と共に在ることが出来、幸せ者でした」
あなたの兄上は…………いえ、何でもないです。
「いいのですよ。兄は望んで、ひとりでいたのです。しかし、孤独ではありませんでしたから」
ですが…………そうですね、あのふたりのことは、あのふたりにしか分からないのでしょう。それで、今後は?
「本来、十の者は、一所にはいないものです。星を見て、旅をしながら人を導く。そういうものなのです。そろそろ、旅路へ戻ります」
分かりました。喜んで送り出させていただきます。
「ありがとうございます。では、旅支度をして参ります」
◆◆◆
本当はね、兄は、お嬢様をどこかへ連れ去りたかったのですよ。
これは内緒のお話。私が秘するべきもの。
しかし、こうして書をしたためているのは、子孫に伝えたいことがあるからです。
自分自身の幸せと、他人を祝福すること。両方を掴みなさい。出来ることなら。
幸せにおなりなさい。