創作企画「冥冥の澱」2
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全部教えてくれ、と来たか。
赤城燈哉に、来目聖爾の全てを教える?
「ははははっ! ねぇよ、そんなもん」
「ない……?」
聖爾は、ぎゅっと燈哉を抱き締めた。これしかない。
「燈哉のことを好きな気持ち以外、なんもねぇ」
「何か、あるだろ。好きな食べ物とか色とか……なんでもいい……」
「空っぽなんだよ。あー……まあ、飴を噛むのは好き、かな……あとは……」
人殺し。天狐に人を喰わせるのは、本当に気持ちがいい。
「ははは。まだ秘密だ」
「ピアスとか刺青とかは?」
「これは、人避けだよ。こういう見た目でいると、勝手に避けてくれて楽なんだ。ライダースはまあ、バイク乗るから」
「バイク乗るんだ」
「好きじゃねぇけど。ただの移動手段だよ」
座れよ、とベッドに腰かけることを促す聖爾。燈哉は、素直に座った。
並んで座り、話を続ける。
「オレだって、燈哉のことを知らねぇ。教えろよ?」
「俺は、普通の理系の大学生だよ。22歳」
「オレ、25。高卒」
「へぇ。なんでコンビニでバイトしてるんだ?」
「家が近いから」
「そっか」
改めて、部屋を見回す。最低限の家具しかない。パイプベッドには、黒色のシーツと布団と枕。おそらく、ベッドを椅子代わりにして、側の黒色のローテーブルで食事をしているのだろう。冷蔵庫も黒色。テレビやパソコンや本棚はない。灰皿もない。
「趣味は? 酒とか飲む?」
「秘密。酒は飲まねぇ。水しかねぇし」
この1Kのアパートの一室は、確かに人間性に欠ける。
「聖爾、卒業アルバム持ってる?」
「全部燃やした」
聖爾は、事も無げに答えた。
「……なんで?」
「自分の姿を記録すんの、嫌いなんだよ。出来ることなら、同学年の奴らの持ってるアルバムも全部処分したいね」
「そんなにか。なあ、怪物ってどういうこと?」
「…………」
少しの間の後。
「わっ!?」
「こういうこと」
聖爾は、燈哉をベッドに押し倒した。
そして、燈哉の首筋に舌を這わせる。
「ちょ、聖爾……!」
再び、噛まれた。今度は、幾分か優しくなっていたが、それでも痕は残る。
「な、なんで……噛むんだよ……?」
「狐の化物だから」
「きつ、ね……?」
どうして、狐? と訊く前に、また激しくキスされた。
「ふっ……は、あ……」
聖爾の膝が、燈哉の股関に押し付けられる。
「や、やめ……んっ……」
制止の声も聴かず、舌を絡め取られ、服をめくられた。そのまま、聖爾は、脇腹を噛む。
「ひっ……」
「オレは、こういう奴なんだよ。分かったか?」
燈哉の耳朶に唇を当て、服の下に這わせた手で、心臓の上をなぞりながら言う聖爾。
「分かった……分かったから、もう……」
聖爾の手が、心臓の上から、燈哉の頬に移動する。それから、額にキスを落とされた。
額へのキスは、愛おしさから。
赤城燈哉に、来目聖爾の全てを教える?
「ははははっ! ねぇよ、そんなもん」
「ない……?」
聖爾は、ぎゅっと燈哉を抱き締めた。これしかない。
「燈哉のことを好きな気持ち以外、なんもねぇ」
「何か、あるだろ。好きな食べ物とか色とか……なんでもいい……」
「空っぽなんだよ。あー……まあ、飴を噛むのは好き、かな……あとは……」
人殺し。天狐に人を喰わせるのは、本当に気持ちがいい。
「ははは。まだ秘密だ」
「ピアスとか刺青とかは?」
「これは、人避けだよ。こういう見た目でいると、勝手に避けてくれて楽なんだ。ライダースはまあ、バイク乗るから」
「バイク乗るんだ」
「好きじゃねぇけど。ただの移動手段だよ」
座れよ、とベッドに腰かけることを促す聖爾。燈哉は、素直に座った。
並んで座り、話を続ける。
「オレだって、燈哉のことを知らねぇ。教えろよ?」
「俺は、普通の理系の大学生だよ。22歳」
「オレ、25。高卒」
「へぇ。なんでコンビニでバイトしてるんだ?」
「家が近いから」
「そっか」
改めて、部屋を見回す。最低限の家具しかない。パイプベッドには、黒色のシーツと布団と枕。おそらく、ベッドを椅子代わりにして、側の黒色のローテーブルで食事をしているのだろう。冷蔵庫も黒色。テレビやパソコンや本棚はない。灰皿もない。
「趣味は? 酒とか飲む?」
「秘密。酒は飲まねぇ。水しかねぇし」
この1Kのアパートの一室は、確かに人間性に欠ける。
「聖爾、卒業アルバム持ってる?」
「全部燃やした」
聖爾は、事も無げに答えた。
「……なんで?」
「自分の姿を記録すんの、嫌いなんだよ。出来ることなら、同学年の奴らの持ってるアルバムも全部処分したいね」
「そんなにか。なあ、怪物ってどういうこと?」
「…………」
少しの間の後。
「わっ!?」
「こういうこと」
聖爾は、燈哉をベッドに押し倒した。
そして、燈哉の首筋に舌を這わせる。
「ちょ、聖爾……!」
再び、噛まれた。今度は、幾分か優しくなっていたが、それでも痕は残る。
「な、なんで……噛むんだよ……?」
「狐の化物だから」
「きつ、ね……?」
どうして、狐? と訊く前に、また激しくキスされた。
「ふっ……は、あ……」
聖爾の膝が、燈哉の股関に押し付けられる。
「や、やめ……んっ……」
制止の声も聴かず、舌を絡め取られ、服をめくられた。そのまま、聖爾は、脇腹を噛む。
「ひっ……」
「オレは、こういう奴なんだよ。分かったか?」
燈哉の耳朶に唇を当て、服の下に這わせた手で、心臓の上をなぞりながら言う聖爾。
「分かった……分かったから、もう……」
聖爾の手が、心臓の上から、燈哉の頬に移動する。それから、額にキスを落とされた。
額へのキスは、愛おしさから。