創作企画「冥冥の澱」2
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「来目さんのことが好きです」と、赤城燈哉から告げられた。
来目聖爾は、その言葉を呑み込むのに、時間がかかってしまう。
「えーと。オレが、好き?」
「うん…………」
なんだ? その面は。苦しそうに見える。
「オレ、赤城さんのこと好きだけど」
「だけど?」
「恋人、いたことなくて。それでもよければ、付き合ってくれ」
「いいの? 気持ち悪くない?」
「は? いや、全く……」
オレの抱えてる怪物の方が気持ち悪りいし。
「ありがとう、来目さん」
「聖爾でいい。敬語もいらない」
「聖爾……」
「それで、この後は? バイト終わったら、オレの部屋にでも来るか? 燈哉」
来ない方が身のためだが。とは、言わない。
「バイト終わるまで、時間潰しとく」
「じゃあ、後でな」
店内に戻り、バックヤードへ行く。
「はぁー…………」
溜め息をついた。
どうすればいい? 傷付けない自信がない。物理的にも、精神的にも。
オレを選んだことを、いつか後悔するのかな。
最悪、無理心中してやろう。なんてことを考える聖爾。
◆◆◆
何が起きたのか、分からなかった。
聖爾の部屋に来て、「ミニマリスト?」なんて感想が浮かんで。それを口にしようとしたら。
「んぅっ……は…………」
顎に手をかけられ、キスされて、口内を舌で蹂躙された。
「は……あ……せいじ……」
思考が、まとまらない。やめてくれ。やめないで。
「んっ……」
燈哉の口端から垂れた唾液を、聖爾が舐める。その後。
「ひっ……!?」
がぶりと、喉笛に噛み付かれた。一気に頭の中が冷える。
「痛……聖爾…………!」
「…………」
ふーっ。ふーっ。荒い呼吸音が聴こえた。
「聖爾、痛い……」
燈哉が涙声になって、やっと噛み付くのをやめる。
「悪い……」
聖爾は、目を合わせずに謝った。そして、そっと燈哉を抱き締める。
「……好きだ」
「……うん」
野生の獣のようだった先程とは、打って変わって、自分のことを壊れ物のように扱う聖爾のことが、よく分からない。そうだ。そういえば、何も知らないんだったと、思い出す。
「聖爾のことが知りたい」
「オレのことを知ったら、きっと嫌いになる」
それでも知りたいのか? と耳元で囁かれた。
「知りたい。知ってからじゃないと、何も考えられない」
「そうか」
聖爾は、燈哉に頬を擦り寄せる。その様は、やっぱり野生の獣みたいで。狂暴性と愛らしさが同居している。
「オレは、テメェのせいで人間みたいになっちまった」
野生の獣みたいではなく。そもそも、人間の振りをした獣なのだ、来目聖爾は。
いつか、愛を叫ぶ者になれるまで。自分のことだけ見ていてほしいと、聖爾は思った。
来目聖爾は、その言葉を呑み込むのに、時間がかかってしまう。
「えーと。オレが、好き?」
「うん…………」
なんだ? その面は。苦しそうに見える。
「オレ、赤城さんのこと好きだけど」
「だけど?」
「恋人、いたことなくて。それでもよければ、付き合ってくれ」
「いいの? 気持ち悪くない?」
「は? いや、全く……」
オレの抱えてる怪物の方が気持ち悪りいし。
「ありがとう、来目さん」
「聖爾でいい。敬語もいらない」
「聖爾……」
「それで、この後は? バイト終わったら、オレの部屋にでも来るか? 燈哉」
来ない方が身のためだが。とは、言わない。
「バイト終わるまで、時間潰しとく」
「じゃあ、後でな」
店内に戻り、バックヤードへ行く。
「はぁー…………」
溜め息をついた。
どうすればいい? 傷付けない自信がない。物理的にも、精神的にも。
オレを選んだことを、いつか後悔するのかな。
最悪、無理心中してやろう。なんてことを考える聖爾。
◆◆◆
何が起きたのか、分からなかった。
聖爾の部屋に来て、「ミニマリスト?」なんて感想が浮かんで。それを口にしようとしたら。
「んぅっ……は…………」
顎に手をかけられ、キスされて、口内を舌で蹂躙された。
「は……あ……せいじ……」
思考が、まとまらない。やめてくれ。やめないで。
「んっ……」
燈哉の口端から垂れた唾液を、聖爾が舐める。その後。
「ひっ……!?」
がぶりと、喉笛に噛み付かれた。一気に頭の中が冷える。
「痛……聖爾…………!」
「…………」
ふーっ。ふーっ。荒い呼吸音が聴こえた。
「聖爾、痛い……」
燈哉が涙声になって、やっと噛み付くのをやめる。
「悪い……」
聖爾は、目を合わせずに謝った。そして、そっと燈哉を抱き締める。
「……好きだ」
「……うん」
野生の獣のようだった先程とは、打って変わって、自分のことを壊れ物のように扱う聖爾のことが、よく分からない。そうだ。そういえば、何も知らないんだったと、思い出す。
「聖爾のことが知りたい」
「オレのことを知ったら、きっと嫌いになる」
それでも知りたいのか? と耳元で囁かれた。
「知りたい。知ってからじゃないと、何も考えられない」
「そうか」
聖爾は、燈哉に頬を擦り寄せる。その様は、やっぱり野生の獣みたいで。狂暴性と愛らしさが同居している。
「オレは、テメェのせいで人間みたいになっちまった」
野生の獣みたいではなく。そもそも、人間の振りをした獣なのだ、来目聖爾は。
いつか、愛を叫ぶ者になれるまで。自分のことだけ見ていてほしいと、聖爾は思った。