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人気のない夕暮れ時の公園を、恋人と手を繋いで歩いている。
鳥や虫の鳴き声すらなく、しんとしている公園を進む。
たまに、風が木々をざわめかせるだけだ。
「僕は、君のことが大好きだよ」
出し抜けに俺の恋人が言う。それは、とても甘い響きで。脳が、とろけそうなほどだ。
「俺も君が大好きだ」
「嬉しいよ、ありがとう」
当然のことを言っただけなのに、とても嬉しそうな彼が、愛しい。
彼の腕が、こちらに伸ばされる。俺は喜んで、彼の腕の中へ入り、抱き締め返した。
かすかに甘い香りがして、恋人の体温を感じる。
ふたりで顔を見合わせて、どちらからともなくキスをした。
「ん……」
舌を絡ませ、深くキスすると、彼もそれに応えてくれる。
幸せだ。
でも、俺に恋人なんていたっけ?
何かが、おかしい。
唇を離して、彼の顔をまじまじと見る。
「どうかした?」
彼は、首を傾げた。
彼の名前が思い出せない。
名前どころか、どこに住んでいるのか? 年齢は? 職業は? 何も分からない。
ふたりの、出会いは? どうして恋人になったんだ?
「あ、ああ…………」
頭が痛い。目眩がする。
「お前は誰だ…………?」
俺は、やっとの思いで声を出した。
「あーあ」と、彼は残念そうに言う。
「いい感じだったのですがね」
ふぅ、と溜め息をつくと、彼は「パチン」と指を鳴らした。
それが何を意味するのか……何を、俺は……意味……俺は、彼が…………好きだ。
俺は、恋人を強く抱き締めて、告げる。
「君が大好きだ」
「僕も、君のことが大好きだよ」
その言葉は、とても甘い響きで。脳が、とろけそうなほどだった。
鳥や虫の鳴き声すらなく、しんとしている公園を進む。
たまに、風が木々をざわめかせるだけだ。
「僕は、君のことが大好きだよ」
出し抜けに俺の恋人が言う。それは、とても甘い響きで。脳が、とろけそうなほどだ。
「俺も君が大好きだ」
「嬉しいよ、ありがとう」
当然のことを言っただけなのに、とても嬉しそうな彼が、愛しい。
彼の腕が、こちらに伸ばされる。俺は喜んで、彼の腕の中へ入り、抱き締め返した。
かすかに甘い香りがして、恋人の体温を感じる。
ふたりで顔を見合わせて、どちらからともなくキスをした。
「ん……」
舌を絡ませ、深くキスすると、彼もそれに応えてくれる。
幸せだ。
でも、俺に恋人なんていたっけ?
何かが、おかしい。
唇を離して、彼の顔をまじまじと見る。
「どうかした?」
彼は、首を傾げた。
彼の名前が思い出せない。
名前どころか、どこに住んでいるのか? 年齢は? 職業は? 何も分からない。
ふたりの、出会いは? どうして恋人になったんだ?
「あ、ああ…………」
頭が痛い。目眩がする。
「お前は誰だ…………?」
俺は、やっとの思いで声を出した。
「あーあ」と、彼は残念そうに言う。
「いい感じだったのですがね」
ふぅ、と溜め息をつくと、彼は「パチン」と指を鳴らした。
それが何を意味するのか……何を、俺は……意味……俺は、彼が…………好きだ。
俺は、恋人を強く抱き締めて、告げる。
「君が大好きだ」
「僕も、君のことが大好きだよ」
その言葉は、とても甘い響きで。脳が、とろけそうなほどだった。