創作企画「冥冥の澱」2
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少しずつ、自分が自分でいる時間が増えていった。
今日は、やりたいことについて考えている。スマホのメモ帳に、リストを作った。
・穣さんと旅行に行く
・穣さんと映画を見る
・穣さんとケーキを食べる
・穣さんの誕生日を祝う
・穣さんのためだけに歌う
・穣さんと結婚する
すぐに出来そうなのは、映画を見る、かな。
家に来てもらえば、それでいいし。
僕の好きな映画、「ライフ・イズ・ビューティフル」と「天使にラブ・ソングを…」と「ムーンライズ・キングダム」。もう見たことあるかな?
スマホを取る。
「もしもし、穣さん? 一緒に映画を見たいんだけど」
穣さん、「ライフ・イズ・ビューティフル」と「天使にラブ・ソングを…」は見たことあるんだって。
「じゃあ、ムーンライズ・キングダムを一緒に見よう?」
『いいよ。でも、他の2本も、六助くんとは見たことないから、見たいな』
「うん。ありがとう。家で待ってるね」
『すぐに行くから』
◆◆◆
ムーンライズ・キングダムは、駆け落ちした12歳の男の子と女の子を巡る騒動を描いた物語。
リビングのソファーに、ふたりで並んで、それを見る。
僕は、サムとスージーが大人に捕まるところで、いつも泣いてしまう。この物語は、バッドエンドじゃないのに。
映画を見終わってから、僕は、穣さんに尋ねる。
「どうだった?」
「六助くんとなら、僕も王国を作りたいと思うな」
「僕も」
あなたがいれば、そこが僕たちの王国だよ。
「次は、ライフ・イズ・ビューティフルね」
「うん」
この映画は、ラストの戦車が来るところで泣いてしまう。僕が、あんまり泣くから、穣さんが涙を拭ってくれた。
その後、天使にラブ・ソングを…を見る。明るいから、泣かなくて済む。
「ヘイル・ホーリー・クイーン、合唱祭で歌ったことあるよ」
「そうなんだ。六助くんは、声が可愛いから、歌声も素敵なんだろうね」
「僕、穣さんのためなら、いつでも歌うよ」
「それって、今でもいいの?」
「うん」
僕は、ラテン語の歌を唄い出す。
Os iusti meditabitur sapientiam
Et lingua eius loquetur iudicium
Beatus vir qui suffert tentationem
Quoniam cum probatus fuerit accipiet coronam vitae
Kyrie, fons bonitatis
Kyrie, Ignis Divine, Eleison
O quam sancta, quam serena, quam benigna
Quam amoena esse virgo creditur
O quam sancta, quam serena, quam benigna
Quam amoena O castitatis lilium
純潔の乙女の歌だから、僕みたいなのが唄っちゃダメかもしれないけど。
「ありがとう。綺麗な歌だね」
穣さんは、拍手してくれた。
「キリエ・エレイソンって、たまに聞くけど、どういう意味?」
「主よ、憐れみたまえって意味だよ。矢木教会では使わないんだけどね」
「そっか。六助くんは、たくさん祈りの言葉を知ってるね」
「僕、穣さんとの幸せを、ずっと祈ってる」
「ありがとう。ずっと一緒にいようね」
「うん」
僕、上手く笑えてるかな?
分からないや。だから、あなたに抱き着いた。
今日は、やりたいことについて考えている。スマホのメモ帳に、リストを作った。
・穣さんと旅行に行く
・穣さんと映画を見る
・穣さんとケーキを食べる
・穣さんの誕生日を祝う
・穣さんのためだけに歌う
・穣さんと結婚する
すぐに出来そうなのは、映画を見る、かな。
家に来てもらえば、それでいいし。
僕の好きな映画、「ライフ・イズ・ビューティフル」と「天使にラブ・ソングを…」と「ムーンライズ・キングダム」。もう見たことあるかな?
スマホを取る。
「もしもし、穣さん? 一緒に映画を見たいんだけど」
穣さん、「ライフ・イズ・ビューティフル」と「天使にラブ・ソングを…」は見たことあるんだって。
「じゃあ、ムーンライズ・キングダムを一緒に見よう?」
『いいよ。でも、他の2本も、六助くんとは見たことないから、見たいな』
「うん。ありがとう。家で待ってるね」
『すぐに行くから』
◆◆◆
ムーンライズ・キングダムは、駆け落ちした12歳の男の子と女の子を巡る騒動を描いた物語。
リビングのソファーに、ふたりで並んで、それを見る。
僕は、サムとスージーが大人に捕まるところで、いつも泣いてしまう。この物語は、バッドエンドじゃないのに。
映画を見終わってから、僕は、穣さんに尋ねる。
「どうだった?」
「六助くんとなら、僕も王国を作りたいと思うな」
「僕も」
あなたがいれば、そこが僕たちの王国だよ。
「次は、ライフ・イズ・ビューティフルね」
「うん」
この映画は、ラストの戦車が来るところで泣いてしまう。僕が、あんまり泣くから、穣さんが涙を拭ってくれた。
その後、天使にラブ・ソングを…を見る。明るいから、泣かなくて済む。
「ヘイル・ホーリー・クイーン、合唱祭で歌ったことあるよ」
「そうなんだ。六助くんは、声が可愛いから、歌声も素敵なんだろうね」
「僕、穣さんのためなら、いつでも歌うよ」
「それって、今でもいいの?」
「うん」
僕は、ラテン語の歌を唄い出す。
Os iusti meditabitur sapientiam
Et lingua eius loquetur iudicium
Beatus vir qui suffert tentationem
Quoniam cum probatus fuerit accipiet coronam vitae
Kyrie, fons bonitatis
Kyrie, Ignis Divine, Eleison
O quam sancta, quam serena, quam benigna
Quam amoena esse virgo creditur
O quam sancta, quam serena, quam benigna
Quam amoena O castitatis lilium
純潔の乙女の歌だから、僕みたいなのが唄っちゃダメかもしれないけど。
「ありがとう。綺麗な歌だね」
穣さんは、拍手してくれた。
「キリエ・エレイソンって、たまに聞くけど、どういう意味?」
「主よ、憐れみたまえって意味だよ。矢木教会では使わないんだけどね」
「そっか。六助くんは、たくさん祈りの言葉を知ってるね」
「僕、穣さんとの幸せを、ずっと祈ってる」
「ありがとう。ずっと一緒にいようね」
「うん」
僕、上手く笑えてるかな?
分からないや。だから、あなたに抱き着いた。