創作企画「冥冥の澱」2
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「明さん、これチョコレートです」
「ありがとう」
まるで、夢みたい。あなたが、私に微笑みかけて、お礼を言ってくれるなんて。
明の許嫁は、嬉しく思った。
「ホワイトデーに、何か返す」
「ありがとうございます。楽しみにしていますね」
「ハッピーバレンタイン、だな」
「ふふ」
勤務先にて。明が、自分のデスクへ向かうと、チョコレートらしきものが置かれていた。無記名のものが。
それを、鞄にしまう。
文彩蔵は、それを見て、満足した。
◆◆◆
「照雄さん。バレンタインのチョコレート、欲しいですか?」
「……ああ」
「では、こちらをどうぞ」
狐ヶ崎花は、フォンダンショコラを乗せた皿を出した。
「ありがたく、いただこう」
「はい」
「……うん、美味いな。花は、なんでも作れる」
「ところで、ひとり旅を再開しても?」
「それは……寂しい……」
「仕方のない人……」
◆◆◆
「狐ヶ崎さん、今年もチョコレートが届きましたよ」
「チョコレート? どうしてですか?」
「バレンタインですから」
「バレンタイン……誰からですか……?」
「さぁ、無記名で届いたので。どうぞ」
「…………おいしいですね」
狐ヶ崎翳雄は、まだ愛する人のことを思い出せない。
◆◆◆
ちゃんと届いたかな? 季楽さんへチョコレートを送ったのだけれど。
赤色の包装紙に包まれた、ハート型のチョコレート。中には、赤色のクランベリーソースが入ってる。
この気持ちが、少しでも届きますように。
狐ヶ崎雪夜は、あなたのことが好きです。
「姉さん、僕にチョコレートくれないの?」
「ないわ」
「僕、僕もう、姉さんのこと束縛しないから……せめて、姉弟としては……」
「それじゃあ、弟のあなたには、チョコレートをあげましょう」
「うん。ありがとう、姉さん」
差し出したチョコレートは、少し歪な失敗チョコレートだった。
◆◆◆
「ハッピーバレンタイン! チョコのアソートパックを用意したから、一緒に食べよう!」
「砂絵さんは、本当に甘いものが大好きですね」
「毎食、チョコレートでいい」
「ダメです」
「わ、分かってる。だいじょぶ」
砂江家は、今日も平和である。
◆◆◆
「五郎ちゃん、ハッピーバレンタイン」
「ありがと、美世くん。今年は、チョコレートマフィンなのね」
「うん。さあ、召し上がれ」
「美味しいわ!」
「愛してるよ」
「アタシも、愛してるわ」
矢木教会のふたりは、キスをした。
◆◆◆
「ハッピーバレンタイン! 星子さん!」
「ありがとう、道流。あたしは、例年通り、ホワイトデーにお返しするわね」
「はいっす!」
「チョコレートケーキ、みんなで食べましょ。娘を呼んで来てちょうだい」
「了解!」
ケーキを切り分けながら、十星子は微笑んだ。
私が“魔法使い”でいられるのは、道流のおかげよ。
「ありがとう」
まるで、夢みたい。あなたが、私に微笑みかけて、お礼を言ってくれるなんて。
明の許嫁は、嬉しく思った。
「ホワイトデーに、何か返す」
「ありがとうございます。楽しみにしていますね」
「ハッピーバレンタイン、だな」
「ふふ」
勤務先にて。明が、自分のデスクへ向かうと、チョコレートらしきものが置かれていた。無記名のものが。
それを、鞄にしまう。
文彩蔵は、それを見て、満足した。
◆◆◆
「照雄さん。バレンタインのチョコレート、欲しいですか?」
「……ああ」
「では、こちらをどうぞ」
狐ヶ崎花は、フォンダンショコラを乗せた皿を出した。
「ありがたく、いただこう」
「はい」
「……うん、美味いな。花は、なんでも作れる」
「ところで、ひとり旅を再開しても?」
「それは……寂しい……」
「仕方のない人……」
◆◆◆
「狐ヶ崎さん、今年もチョコレートが届きましたよ」
「チョコレート? どうしてですか?」
「バレンタインですから」
「バレンタイン……誰からですか……?」
「さぁ、無記名で届いたので。どうぞ」
「…………おいしいですね」
狐ヶ崎翳雄は、まだ愛する人のことを思い出せない。
◆◆◆
ちゃんと届いたかな? 季楽さんへチョコレートを送ったのだけれど。
赤色の包装紙に包まれた、ハート型のチョコレート。中には、赤色のクランベリーソースが入ってる。
この気持ちが、少しでも届きますように。
狐ヶ崎雪夜は、あなたのことが好きです。
「姉さん、僕にチョコレートくれないの?」
「ないわ」
「僕、僕もう、姉さんのこと束縛しないから……せめて、姉弟としては……」
「それじゃあ、弟のあなたには、チョコレートをあげましょう」
「うん。ありがとう、姉さん」
差し出したチョコレートは、少し歪な失敗チョコレートだった。
◆◆◆
「ハッピーバレンタイン! チョコのアソートパックを用意したから、一緒に食べよう!」
「砂絵さんは、本当に甘いものが大好きですね」
「毎食、チョコレートでいい」
「ダメです」
「わ、分かってる。だいじょぶ」
砂江家は、今日も平和である。
◆◆◆
「五郎ちゃん、ハッピーバレンタイン」
「ありがと、美世くん。今年は、チョコレートマフィンなのね」
「うん。さあ、召し上がれ」
「美味しいわ!」
「愛してるよ」
「アタシも、愛してるわ」
矢木教会のふたりは、キスをした。
◆◆◆
「ハッピーバレンタイン! 星子さん!」
「ありがとう、道流。あたしは、例年通り、ホワイトデーにお返しするわね」
「はいっす!」
「チョコレートケーキ、みんなで食べましょ。娘を呼んで来てちょうだい」
「了解!」
ケーキを切り分けながら、十星子は微笑んだ。
私が“魔法使い”でいられるのは、道流のおかげよ。