創作企画「冥冥の澱」2
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幼馴染みの帆希さんに、恋人が出来た。
「おめでとうございます」
「ありがとう、宵くん」
祝福の言葉に嘘はない。ないけど。
獅子王凌吾さんって、どんな人?
詳しくは知らない。
という訳で。四象のバーに現れるのを待ち、私は、凌吾さんの隣に座った。
「コンばんはぁ」
「こんばんは、狐ヶ崎さん」
「凌吾さんが、帆希さんに告白して? 付き合って? いるとか?」
「は、はい! お付き合いさせていただいて、ます……」
「なんでも、苦労人同士で意気投合したとか?」
「はい……」
なんだか、物凄く萎縮させているけど、私も譲れないので。続行します。
「帆希さんは、みんなに優しい人なんですよ。そんな人の特別になるのが、どういうことか分かりますか?」
「え、と。す、凄く嬉しいというか、ありがたいというか……」
「めちゃくちゃ妬まれますよ」
「え!?」
「性別年齢問わず、帆希さんを好きな人はたくさんいますからね」
「あの……ひょっとして、狐ヶ崎さんも……?」
「いえ、私は違いますが。大切な幼馴染みなので! 私が3歳の頃からの付き合いなので!」
私が気になってるのは、全く違う人だ。それはそれとして、帆希さんは、私の家族も同然だから。
「だから、あなたは、覚悟してくださいね?」
「はい……!」
「無数の人から妬まれても。帆希さんが、どのような道を歩いても。彼女が、どんな苦境に陥っても。絶対に側で支えてください」
「はい……! 頑張ります!」
「はい。お願いします。帆希さんを泣かせたら、呪いますので」
「呪……!?」
私が言うと、洒落にならないですけど。気持ちの問題だけでなく、本当に“呪える”ので。
「まあ、泣かせなければいいだけですから。ね?」
「はい……」
「きよいくん、あんまりいじめてやるなよ」
凌吾さんを挟んで、銀志朗さんが私に言う。
「童貞なんだからさぁ」
「おい!」
「いじめてません」
「じゃあ、圧迫面接?」
「それです」
「そうなんだ……」
「そうだったのか……」
帆希さんは、私の姉みたいな人なんです。恩人なんです。世界で一番、幸せになってくれなきゃ嫌です。
「帆希さんのこと、よろしくお願いします」
「こちらこそ……? よろしくお願いします」
「私のエゴに付き合わせて、申し訳ありませんでした」
「いや、オレ、狐ヶ崎さんのことは聞いてたし……本当に、仲がいいんだなって……」
凌吾さんが、いい人で良かった。
おふたりとも、どうか、お幸せに。
式には、呼んでくださいね?
「おめでとうございます」
「ありがとう、宵くん」
祝福の言葉に嘘はない。ないけど。
獅子王凌吾さんって、どんな人?
詳しくは知らない。
という訳で。四象のバーに現れるのを待ち、私は、凌吾さんの隣に座った。
「コンばんはぁ」
「こんばんは、狐ヶ崎さん」
「凌吾さんが、帆希さんに告白して? 付き合って? いるとか?」
「は、はい! お付き合いさせていただいて、ます……」
「なんでも、苦労人同士で意気投合したとか?」
「はい……」
なんだか、物凄く萎縮させているけど、私も譲れないので。続行します。
「帆希さんは、みんなに優しい人なんですよ。そんな人の特別になるのが、どういうことか分かりますか?」
「え、と。す、凄く嬉しいというか、ありがたいというか……」
「めちゃくちゃ妬まれますよ」
「え!?」
「性別年齢問わず、帆希さんを好きな人はたくさんいますからね」
「あの……ひょっとして、狐ヶ崎さんも……?」
「いえ、私は違いますが。大切な幼馴染みなので! 私が3歳の頃からの付き合いなので!」
私が気になってるのは、全く違う人だ。それはそれとして、帆希さんは、私の家族も同然だから。
「だから、あなたは、覚悟してくださいね?」
「はい……!」
「無数の人から妬まれても。帆希さんが、どのような道を歩いても。彼女が、どんな苦境に陥っても。絶対に側で支えてください」
「はい……! 頑張ります!」
「はい。お願いします。帆希さんを泣かせたら、呪いますので」
「呪……!?」
私が言うと、洒落にならないですけど。気持ちの問題だけでなく、本当に“呪える”ので。
「まあ、泣かせなければいいだけですから。ね?」
「はい……」
「きよいくん、あんまりいじめてやるなよ」
凌吾さんを挟んで、銀志朗さんが私に言う。
「童貞なんだからさぁ」
「おい!」
「いじめてません」
「じゃあ、圧迫面接?」
「それです」
「そうなんだ……」
「そうだったのか……」
帆希さんは、私の姉みたいな人なんです。恩人なんです。世界で一番、幸せになってくれなきゃ嫌です。
「帆希さんのこと、よろしくお願いします」
「こちらこそ……? よろしくお願いします」
「私のエゴに付き合わせて、申し訳ありませんでした」
「いや、オレ、狐ヶ崎さんのことは聞いてたし……本当に、仲がいいんだなって……」
凌吾さんが、いい人で良かった。
おふたりとも、どうか、お幸せに。
式には、呼んでくださいね?