創作企画「冥冥の澱」2
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歳上の男性に恋をしている者同士、狐ヶ崎宵と神花紫水は、今日も話し合っている。
「やっぱり、デートを重ねるのがいいかと思うんですよね」
「デート、ですかぁ。難しいですよね。場所選びも、服装選びも、会話も……」
「そうですね。だから、お互いにフォロー出来るようにダブルデートしましょうよ」
「ダブルデート……なるほどぉ……」
「どうでしょうか?」
「いいですねぇ。頑張ります!」
「行くところは、実は考えがありまして」
にっこり笑う、狐顔。
宵のリサーチによると、沫雪閑と神花紫水には、ある共通点がある。それを伝えると、紫水は、嬉しそうにした。
◆◆◆
宵と紫水は、お互いの服装をチェックした。宵の服装は、黒を基調としたクラシカルなものにまとめて、夕焼け色のリボンタイがアクセントになっており、紫水の服装は、パステルカラーでまとめて、淡い青色の上着が映えている。
「紫水さん、凄く可愛いですよ。それに、上品です」
「宵くんも、とてもお似合いですよぉ」
待ち合わせ時間まで、あと少し。
待ち人は、すぐにやって来た。たまたま、ふたり揃って。五藤陽一と沫雪閑は同い年であり、交流がある。談笑しながら、宵と紫水の元へ来た。
「お待たせ」
「ふたりとも、早いね」
一瞬、目を合わせて、想い人の私服姿に見惚れる宵と紫水。
「めちゃくちゃ楽しみだったので!」
「はい! 僕もです!」
「楽しみだよねぇ」
「俺も」
4人で、目的地へ向かう。さりげなく、陽一の隣に行く宵。自然と並ぶことになる、紫水と閑。
予定通りの時刻に、ホテルに着いた。昼過ぎから、スイーツビュッフェが開放されている。このビュッフェは、洋菓子も和菓子もあり、とても評判がいい。
中に入ると、甘い香りがした。
「陽一さん、端から全部制覇しましょう」
「もちろん!」
「あの、一緒に和菓子コーナーに行きませんか?」
「うん。和菓子、よく食べるんだよね」
「僕もです」
2組に別れて、取り皿にお菓子を盛っていく。
色とりどりの一口サイズのものが並び、華やかだ。
宵と陽一は、ひとつずつ、同じものを取る。
紫水と閑は、綺麗な練り切りや大福などを取る。
それぞれのタイミングでテーブルへ戻り、揃ったところで、「いただきます」をした。
宵と陽一は、向かい合って、「次は、どれ食べます?」「これが気になる」と、感想を言いながら食べていく。
一方、向き合っている紫水と閑は、のんびりと和菓子を食べる。
「美味しいですねぇ」
「うん。紫水くんのやつ、次に取って来ようかな」
「僕は、閑くんの食べているものにします」
お茶も提供されていたので、たまに緑茶を飲み、ふたりで歓談した。
「大福って、少し、雪みたいですよね」
「そうだね。そういうアイスもあるし」
そう言う閑は、すみれの砂糖漬けを食べている。
綺麗な紫色。それが、なんだか嬉しかった。
「お茶も制覇した方がいいのでは?」
「そうかも!」
ふたりは、ぱたぱたと席を離れて行く。
「隣は賑やかだねぇ」
「ふふ。そうですね」
宵くんが、はしゃいでいる。と、紫水は思った。そういう自分も、かなりはしゃいでいる。
閑と目が合い、微笑まれるだけで、こちらも笑顔になった。
「俺、ケーキも好きなんだ。紫水くんは?」
「ケーキは、また和菓子とは違った味わいで、いいですねぇ」
「じゃあ、ケーキも一緒に見に行こうか?」
「はい」
ふたりで席を立つ。距離が少し、近付く。
貴方が、ラベンダーのケーキを取ったから、どきどきした。
◆◆◆
「もう何も入りません」
「僕も」
限界ギリギリまで、食べて飲んだふたり。
「結局、全部食べたの?」
「はい」
「うん」
閑の質問に答える、宵と陽一。しかも、お茶も複数の種類を飲んでいる。
「凄いですねぇ」
「ほんと、ほんと」
「朝も昼も抜いて来たんですけどね……危なかったです……」
「いや、でも制覇したし、僕たちは偉い……」
紫水と閑は、ふたりの健闘を称え、拍手した。
「ありがとうございます」
「ありがとー」
その後、4人でゆっくりしながら、他愛ない話をする。
和やかに時は過ぎていき、お開きになった。
帰路。陽一と閑は、深く溜め息をついた。
「ねぇ、俺、歳上でいられてた?!」
「僕、なんか変なことしてた?!」
「紫水くん、凄く可愛いくなかった?!」
「宵くん、凄く可愛いくなかった?!」
「もうダメかもしれない……」
「もういいよ、ダメでも……」
実は、緊張していた年長組が、こんなことになっていることを、宵と紫水は知らない。
「やっぱり、デートを重ねるのがいいかと思うんですよね」
「デート、ですかぁ。難しいですよね。場所選びも、服装選びも、会話も……」
「そうですね。だから、お互いにフォロー出来るようにダブルデートしましょうよ」
「ダブルデート……なるほどぉ……」
「どうでしょうか?」
「いいですねぇ。頑張ります!」
「行くところは、実は考えがありまして」
にっこり笑う、狐顔。
宵のリサーチによると、沫雪閑と神花紫水には、ある共通点がある。それを伝えると、紫水は、嬉しそうにした。
◆◆◆
宵と紫水は、お互いの服装をチェックした。宵の服装は、黒を基調としたクラシカルなものにまとめて、夕焼け色のリボンタイがアクセントになっており、紫水の服装は、パステルカラーでまとめて、淡い青色の上着が映えている。
「紫水さん、凄く可愛いですよ。それに、上品です」
「宵くんも、とてもお似合いですよぉ」
待ち合わせ時間まで、あと少し。
待ち人は、すぐにやって来た。たまたま、ふたり揃って。五藤陽一と沫雪閑は同い年であり、交流がある。談笑しながら、宵と紫水の元へ来た。
「お待たせ」
「ふたりとも、早いね」
一瞬、目を合わせて、想い人の私服姿に見惚れる宵と紫水。
「めちゃくちゃ楽しみだったので!」
「はい! 僕もです!」
「楽しみだよねぇ」
「俺も」
4人で、目的地へ向かう。さりげなく、陽一の隣に行く宵。自然と並ぶことになる、紫水と閑。
予定通りの時刻に、ホテルに着いた。昼過ぎから、スイーツビュッフェが開放されている。このビュッフェは、洋菓子も和菓子もあり、とても評判がいい。
中に入ると、甘い香りがした。
「陽一さん、端から全部制覇しましょう」
「もちろん!」
「あの、一緒に和菓子コーナーに行きませんか?」
「うん。和菓子、よく食べるんだよね」
「僕もです」
2組に別れて、取り皿にお菓子を盛っていく。
色とりどりの一口サイズのものが並び、華やかだ。
宵と陽一は、ひとつずつ、同じものを取る。
紫水と閑は、綺麗な練り切りや大福などを取る。
それぞれのタイミングでテーブルへ戻り、揃ったところで、「いただきます」をした。
宵と陽一は、向かい合って、「次は、どれ食べます?」「これが気になる」と、感想を言いながら食べていく。
一方、向き合っている紫水と閑は、のんびりと和菓子を食べる。
「美味しいですねぇ」
「うん。紫水くんのやつ、次に取って来ようかな」
「僕は、閑くんの食べているものにします」
お茶も提供されていたので、たまに緑茶を飲み、ふたりで歓談した。
「大福って、少し、雪みたいですよね」
「そうだね。そういうアイスもあるし」
そう言う閑は、すみれの砂糖漬けを食べている。
綺麗な紫色。それが、なんだか嬉しかった。
「お茶も制覇した方がいいのでは?」
「そうかも!」
ふたりは、ぱたぱたと席を離れて行く。
「隣は賑やかだねぇ」
「ふふ。そうですね」
宵くんが、はしゃいでいる。と、紫水は思った。そういう自分も、かなりはしゃいでいる。
閑と目が合い、微笑まれるだけで、こちらも笑顔になった。
「俺、ケーキも好きなんだ。紫水くんは?」
「ケーキは、また和菓子とは違った味わいで、いいですねぇ」
「じゃあ、ケーキも一緒に見に行こうか?」
「はい」
ふたりで席を立つ。距離が少し、近付く。
貴方が、ラベンダーのケーキを取ったから、どきどきした。
◆◆◆
「もう何も入りません」
「僕も」
限界ギリギリまで、食べて飲んだふたり。
「結局、全部食べたの?」
「はい」
「うん」
閑の質問に答える、宵と陽一。しかも、お茶も複数の種類を飲んでいる。
「凄いですねぇ」
「ほんと、ほんと」
「朝も昼も抜いて来たんですけどね……危なかったです……」
「いや、でも制覇したし、僕たちは偉い……」
紫水と閑は、ふたりの健闘を称え、拍手した。
「ありがとうございます」
「ありがとー」
その後、4人でゆっくりしながら、他愛ない話をする。
和やかに時は過ぎていき、お開きになった。
帰路。陽一と閑は、深く溜め息をついた。
「ねぇ、俺、歳上でいられてた?!」
「僕、なんか変なことしてた?!」
「紫水くん、凄く可愛いくなかった?!」
「宵くん、凄く可愛いくなかった?!」
「もうダメかもしれない……」
「もういいよ、ダメでも……」
実は、緊張していた年長組が、こんなことになっていることを、宵と紫水は知らない。