創作企画「冥冥の澱」2
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パパとママに、「おやすみ」を言ってから、ベッドに潜る。テディベアのみのるくんと一緒に。
「おやすみ、みのるくん」
目を閉じると、穣さんのことを思い出す。あったかい気持ちで、眠りについた。
無数の剣が、僕を貫く。僕は、磔にされているから、避けられない。
“悪魔だ”
“殺せ”
みんなが、声を上げる。僕の喉には、剣が刺さっているから、悲鳴も出ない。
再び、無数の剣が振りかざされた。
そこに、あなたが突然現れて。剣から庇ってくれた。あなたの背中に、剣が刺さる。
僕は、目だけで訴えた。
そんなことしないで。あなたが傷付く必要なんてないよ。
「六助くん、大丈夫だよ」
大丈夫じゃない。僕のことなんていいから、早く逃げて。
でも、あなたは逃げない。ずっと、僕を庇い続けた。
もういいよ。もう充分。あなたが会いに来てくれた。それだけでいいの。
だから、さよなら。僕は、自分の舌を噛み切った。
◆◆◆
「はっ……はぁ…………」
朝。嫌な夢を見た、ということだけ覚えてる。
「おはよう、みのるくん」
ぎゅっとテディベアを抱き締めた。
今日は、日曜日。教会で、日曜礼拝がある。
準備しなくちゃ。
悪夢を振り払うように、僕は身支度を手早く済ませた。
そして、礼拝の時間。
パパとママが、信徒のみんなに聖体拝領を行う。
その後、みんなで讃美歌を唄った。
最後に、パパとママが、聖書の一節を読み上げて、解説する。
いつも通り。だけど、僕は、ずっと嫌な気持ちでいる。胸の内の暗闇を拭えないままでいる。
どうしたらいいんだろう?
ただ、どうしようもなく、穣さんに会いたい。
◆◆◆
「こんにちは……」
「いらっしゃい。なんだか、元気がないね?」
「僕、嫌な夢を見たの。内容は、覚えてないんだけどね……」
「六助くん、おいで」
「……うん」
穣さんは、僕を抱き締めてくれた。ずっと、こうしていられたらいいのにな。
しばらくそうしていて、その後は、コタツに並んで入って、色々話した。
「僕ね、卒業したら、牧師になりたいんだけど……僕なんかがなっていいのかなぁ……?」
「六助くんは、痛みを知ってるし、人のために行動出来る子だから、大丈夫だよ」
「うん、ありがとう」
優しい人。僕も、穣さんみたいに、優しい人になりたい。
でもね、僕の暗闇は、ずっとあるよ。それを、どうすればいいんだろう?
忘れたいけど、忘れられない。きっと、忘れちゃいけない。
「ねぇ、穣さん」
「なに?」
その言葉を出せなくて、口から空気が漏れた。でも結局、僕は、それを口にした。
「僕のこと、抱いてくれませんか?」
顔が、真っ赤になってる気がする。
「それは……ダメだよ……」
「……うん」
そうだよね。
きっと、抱かれてるうちは、嫌なこと全部忘れられるんだけど。そんな一瞬、よくないよね。
「六助くん」
「……えっ?」
頬に、キスされた。
驚いて、穣さんの顔を見たら、真っ赤になってる。
「い、今は、これで……」
「あ、あの…………」
僕は、頬を触って、視線を泳がせた。どうしよう。目が、潤む。
「大好きだよ、六助くん」
「僕も……大好き……」
ふたりとも、顔を赤くしながら、手を重ねた。
「おやすみ、みのるくん」
目を閉じると、穣さんのことを思い出す。あったかい気持ちで、眠りについた。
無数の剣が、僕を貫く。僕は、磔にされているから、避けられない。
“悪魔だ”
“殺せ”
みんなが、声を上げる。僕の喉には、剣が刺さっているから、悲鳴も出ない。
再び、無数の剣が振りかざされた。
そこに、あなたが突然現れて。剣から庇ってくれた。あなたの背中に、剣が刺さる。
僕は、目だけで訴えた。
そんなことしないで。あなたが傷付く必要なんてないよ。
「六助くん、大丈夫だよ」
大丈夫じゃない。僕のことなんていいから、早く逃げて。
でも、あなたは逃げない。ずっと、僕を庇い続けた。
もういいよ。もう充分。あなたが会いに来てくれた。それだけでいいの。
だから、さよなら。僕は、自分の舌を噛み切った。
◆◆◆
「はっ……はぁ…………」
朝。嫌な夢を見た、ということだけ覚えてる。
「おはよう、みのるくん」
ぎゅっとテディベアを抱き締めた。
今日は、日曜日。教会で、日曜礼拝がある。
準備しなくちゃ。
悪夢を振り払うように、僕は身支度を手早く済ませた。
そして、礼拝の時間。
パパとママが、信徒のみんなに聖体拝領を行う。
その後、みんなで讃美歌を唄った。
最後に、パパとママが、聖書の一節を読み上げて、解説する。
いつも通り。だけど、僕は、ずっと嫌な気持ちでいる。胸の内の暗闇を拭えないままでいる。
どうしたらいいんだろう?
ただ、どうしようもなく、穣さんに会いたい。
◆◆◆
「こんにちは……」
「いらっしゃい。なんだか、元気がないね?」
「僕、嫌な夢を見たの。内容は、覚えてないんだけどね……」
「六助くん、おいで」
「……うん」
穣さんは、僕を抱き締めてくれた。ずっと、こうしていられたらいいのにな。
しばらくそうしていて、その後は、コタツに並んで入って、色々話した。
「僕ね、卒業したら、牧師になりたいんだけど……僕なんかがなっていいのかなぁ……?」
「六助くんは、痛みを知ってるし、人のために行動出来る子だから、大丈夫だよ」
「うん、ありがとう」
優しい人。僕も、穣さんみたいに、優しい人になりたい。
でもね、僕の暗闇は、ずっとあるよ。それを、どうすればいいんだろう?
忘れたいけど、忘れられない。きっと、忘れちゃいけない。
「ねぇ、穣さん」
「なに?」
その言葉を出せなくて、口から空気が漏れた。でも結局、僕は、それを口にした。
「僕のこと、抱いてくれませんか?」
顔が、真っ赤になってる気がする。
「それは……ダメだよ……」
「……うん」
そうだよね。
きっと、抱かれてるうちは、嫌なこと全部忘れられるんだけど。そんな一瞬、よくないよね。
「六助くん」
「……えっ?」
頬に、キスされた。
驚いて、穣さんの顔を見たら、真っ赤になってる。
「い、今は、これで……」
「あ、あの…………」
僕は、頬を触って、視線を泳がせた。どうしよう。目が、潤む。
「大好きだよ、六助くん」
「僕も……大好き……」
ふたりとも、顔を赤くしながら、手を重ねた。