創作企画「冥冥の澱」2
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道端のゴミ、ゴミ箱に捨てる。
迷子のペット、探す。
迷った人、道案内する。
人をいじめる奴、ゆるせない。
「そいつらが先に、おれの友達をどついたんや! しかも、毎日やぞ! 金も奪られた言うてた! スマホで撮った証拠もあんねん!」
「でもね、網代くん。君は関係ないんだから……」
「関係あるわ! 助けてって言われたんや!」
「でも、ほら、受験が控えてるし……」
「あんな奴ら! どっこも行けんでええ! 行くなら、警察行けや!」
「警察って、そんな大事には……」
「人ひとりの人生、めちゃくちゃにしたんやぞ!」
一生ものの傷を付けられた友達。おれに、心配かけないように黙ってた。でも、昨日、か細い悲鳴を上げたんだ。
「とにかく! 全員まとめて処分せぇ! 退学や!」
「だから、そんな大事には出来ないんだよ」
「隠蔽するんか?!」
「いや、ちゃんと注意するから」
「注意で済むなら、警察なんていらん!」
退学させて。金は利子付きで返させて。謝らせたい。
「あー! もうええわ!」
おれが、なんとかする。
学校がなんもしないなら、おれがする。この怒り、抑えてなんかやらない。
◆◆◆
「おい、お前ら! 金返せや!」
「は? なに?」
「うわ。網代じゃん」
「うるせー」
「牧野から奪った金返せ! そんで、謝れ!」
3人のクズは、にやけ面で、おれを見ている。
「金は、牧野がくれたんだよ?」
「そーそー」
「うざ」
「はあ~! そういう態度やったら、ええわ。お前らは、受験に失敗する。全部や」
「はぁ?」
「なに言ってんの?」
「キモ」
「“その時”に後悔しても遅いで。おれは、絶対にゆるさへんからな!」
やる。絶対にやる。
「掛けまくも畏き稲成空狐よ! 狐ケ崎の野原の柳の下に禊ぎ祓え給いし時に生り坐せる神狐等! 諸々の禍事・罪・穢をば与え給えと白すこと聞こし召せと恐み恐み白す!」
「は?」
「なに今の?」
「中二病じゃん?」
「受験日を楽しみにしとけや!」
そう吠えてから、おれは帰ることにした。
「牧野、帰ろう」
「う、うん」
隠れて見ていた牧野に、声をかける。
「網代、なにしたの?」
「全員、呪った」
「呪った?」
「具体的に言うと、あの3人、受験日に嘔吐と下痢が止まらないようになる。会場に着いてからな」
「それは……愉快だな…………」
「そうだろ? きっと、泣きながら謝ってくる。ゆるすゆるさないは、牧野が決めればいい」
「うん…………」
「金は、トイチで返してもらおうな」
「ありがと、網代」
「気にすんな! ありがとな、おれに話してくれて」
いじめられてるって話すのは、勇気のいることだ。だから、おれは、それに応えただけ。
それに、おれは今でも、ヒーローでありたい。ちょっと、ダークになっちゃったけど。
迷子のペット、探す。
迷った人、道案内する。
人をいじめる奴、ゆるせない。
「そいつらが先に、おれの友達をどついたんや! しかも、毎日やぞ! 金も奪られた言うてた! スマホで撮った証拠もあんねん!」
「でもね、網代くん。君は関係ないんだから……」
「関係あるわ! 助けてって言われたんや!」
「でも、ほら、受験が控えてるし……」
「あんな奴ら! どっこも行けんでええ! 行くなら、警察行けや!」
「警察って、そんな大事には……」
「人ひとりの人生、めちゃくちゃにしたんやぞ!」
一生ものの傷を付けられた友達。おれに、心配かけないように黙ってた。でも、昨日、か細い悲鳴を上げたんだ。
「とにかく! 全員まとめて処分せぇ! 退学や!」
「だから、そんな大事には出来ないんだよ」
「隠蔽するんか?!」
「いや、ちゃんと注意するから」
「注意で済むなら、警察なんていらん!」
退学させて。金は利子付きで返させて。謝らせたい。
「あー! もうええわ!」
おれが、なんとかする。
学校がなんもしないなら、おれがする。この怒り、抑えてなんかやらない。
◆◆◆
「おい、お前ら! 金返せや!」
「は? なに?」
「うわ。網代じゃん」
「うるせー」
「牧野から奪った金返せ! そんで、謝れ!」
3人のクズは、にやけ面で、おれを見ている。
「金は、牧野がくれたんだよ?」
「そーそー」
「うざ」
「はあ~! そういう態度やったら、ええわ。お前らは、受験に失敗する。全部や」
「はぁ?」
「なに言ってんの?」
「キモ」
「“その時”に後悔しても遅いで。おれは、絶対にゆるさへんからな!」
やる。絶対にやる。
「掛けまくも畏き稲成空狐よ! 狐ケ崎の野原の柳の下に禊ぎ祓え給いし時に生り坐せる神狐等! 諸々の禍事・罪・穢をば与え給えと白すこと聞こし召せと恐み恐み白す!」
「は?」
「なに今の?」
「中二病じゃん?」
「受験日を楽しみにしとけや!」
そう吠えてから、おれは帰ることにした。
「牧野、帰ろう」
「う、うん」
隠れて見ていた牧野に、声をかける。
「網代、なにしたの?」
「全員、呪った」
「呪った?」
「具体的に言うと、あの3人、受験日に嘔吐と下痢が止まらないようになる。会場に着いてからな」
「それは……愉快だな…………」
「そうだろ? きっと、泣きながら謝ってくる。ゆるすゆるさないは、牧野が決めればいい」
「うん…………」
「金は、トイチで返してもらおうな」
「ありがと、網代」
「気にすんな! ありがとな、おれに話してくれて」
いじめられてるって話すのは、勇気のいることだ。だから、おれは、それに応えただけ。
それに、おれは今でも、ヒーローでありたい。ちょっと、ダークになっちゃったけど。