創作企画「冥冥の澱」2
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160÷20=8
でも、20人で賭けをして勝てば、160を総取り!
「そうどりって何?」
「全部もらうこと! 司が言ってた」
「つかさってだれ?」
「おれの母ちゃん!」
「なんで、名前で呼んでんの?」
「カッコいいから!」
「お父さんは?」
「やすたか!」
4年生になっても、おれは算数が得意だ。司とやすたかも、算数は得意らしい。
「変なの」
クラスメイトは、なっとくいかない顔をしてる。
「変じゃねーし! 司は母ちゃんだけど、司だし、やすたかは父ちゃんだけど、やすたかだもん!」
「ふーん?」
伝わってない気がした。だって、役わりで家ぞくを呼ぶ方が、おれには変に思える。
「もういーよ! よそはよそ、うちはうち!」
「それ、よく聞くやつ」
「だから、いーの!」
「すぐおこる~」
「おこってない!」
「そういえば、そうかも。つばさ、キレると関西弁になるもんな。先生に、ネックレス取り上げられそうになった時とか」
「ペンダント」
「ペンダントね」
アクセサリーきんしって言われたけど、これは、お守りだもん。
“網代さん、アクセサリーは禁止です。没収”
“アクセサリーやないわ! お守りや!”
“いや、でも……”
“なんや、家のカギやったらええんか?! じゃあ、これは家のカギや!”
“じゃあって……”
“外さなアカンなら、学校なんてやめたるわ!”
“……せめて、服の中に締まってください”
「なぎさが作るものは、全部カッコいいんだ」
「なぎさってだれ?」
「なぎさは、司のいとこ! おれの、じゅうはくふ? なんだって」
「じゅうはくふ」
話してるうちに、先生が来た。
「はい、帰りの会を始めます。静かに」
みんな、だまる。早く帰りたいからだと思う。
色々な連らくとか注意とか言われて、帰りの会は終わった。
おれの、赤いランドセルをしょって、帰ろうとする。赤は、ヒーローの色だから、カッコよくて好き。
「つばさ、帰ろうぜ~」
「うん」
友だちに呼ばれて、いっしょに帰る。
とちゅうで、カッコいい木の枝を拾った。
「ばっとう!」
「ばっとう!」
「勝負だ!」
「かかって来い!」
チャンバラをしていると、ひとりの女子がわらいながら見てくる。
「なんだよ?!」
「男子って幼ち!」
「うるせー! 好きなもんが好きなだけや! 男も女もあらへん!」
「そうだそうだ!」
「うわ。女子にふたりがかりとか……」
「関係あらへん! 先にふっかけてきたのは、そっちや! 言い返される覚悟くらいしとるんやろ?!」
「そうだ!」
「キモ…………」
「ドアホ! やんのか?!」
「はぁ」
女子は、去って行った。なんやねん。
「はっ! おれの勝ちやな!」
「つばさ、強いからなぁ」
「おれって、サイキョーだからな!」
網代翼は、絶対に負けない。大切なものは、絶対に守る。
司もやすたかも、応えんしてくれるからな。
でも、20人で賭けをして勝てば、160を総取り!
「そうどりって何?」
「全部もらうこと! 司が言ってた」
「つかさってだれ?」
「おれの母ちゃん!」
「なんで、名前で呼んでんの?」
「カッコいいから!」
「お父さんは?」
「やすたか!」
4年生になっても、おれは算数が得意だ。司とやすたかも、算数は得意らしい。
「変なの」
クラスメイトは、なっとくいかない顔をしてる。
「変じゃねーし! 司は母ちゃんだけど、司だし、やすたかは父ちゃんだけど、やすたかだもん!」
「ふーん?」
伝わってない気がした。だって、役わりで家ぞくを呼ぶ方が、おれには変に思える。
「もういーよ! よそはよそ、うちはうち!」
「それ、よく聞くやつ」
「だから、いーの!」
「すぐおこる~」
「おこってない!」
「そういえば、そうかも。つばさ、キレると関西弁になるもんな。先生に、ネックレス取り上げられそうになった時とか」
「ペンダント」
「ペンダントね」
アクセサリーきんしって言われたけど、これは、お守りだもん。
“網代さん、アクセサリーは禁止です。没収”
“アクセサリーやないわ! お守りや!”
“いや、でも……”
“なんや、家のカギやったらええんか?! じゃあ、これは家のカギや!”
“じゃあって……”
“外さなアカンなら、学校なんてやめたるわ!”
“……せめて、服の中に締まってください”
「なぎさが作るものは、全部カッコいいんだ」
「なぎさってだれ?」
「なぎさは、司のいとこ! おれの、じゅうはくふ? なんだって」
「じゅうはくふ」
話してるうちに、先生が来た。
「はい、帰りの会を始めます。静かに」
みんな、だまる。早く帰りたいからだと思う。
色々な連らくとか注意とか言われて、帰りの会は終わった。
おれの、赤いランドセルをしょって、帰ろうとする。赤は、ヒーローの色だから、カッコよくて好き。
「つばさ、帰ろうぜ~」
「うん」
友だちに呼ばれて、いっしょに帰る。
とちゅうで、カッコいい木の枝を拾った。
「ばっとう!」
「ばっとう!」
「勝負だ!」
「かかって来い!」
チャンバラをしていると、ひとりの女子がわらいながら見てくる。
「なんだよ?!」
「男子って幼ち!」
「うるせー! 好きなもんが好きなだけや! 男も女もあらへん!」
「そうだそうだ!」
「うわ。女子にふたりがかりとか……」
「関係あらへん! 先にふっかけてきたのは、そっちや! 言い返される覚悟くらいしとるんやろ?!」
「そうだ!」
「キモ…………」
「ドアホ! やんのか?!」
「はぁ」
女子は、去って行った。なんやねん。
「はっ! おれの勝ちやな!」
「つばさ、強いからなぁ」
「おれって、サイキョーだからな!」
網代翼は、絶対に負けない。大切なものは、絶対に守る。
司もやすたかも、応えんしてくれるからな。