創作企画「冥冥の澱」2
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「つかさ! やすたか! かっこいい?!」
「カッコええなぁ!」
「似合ってるぞ、翼」
「へへ……」
靖及さんが、翼の袴と俺の着物を仕立ててくれた。
11月15日。今日は、神社に七五三のお参りに行く予定や。
「ほな、行こか」
「ああ」
「つかさ、おまいりってなにするの?」
「健康を祈ってもらうんやで」
「ねーねー、なぎさは?」
「今日は来ないで」
「なんで?」
「大阪行けば会えるけど、遠いからなぁ。後で、ビデオ通話しよか?」
「うん! なぎさとみんなにみせる!」
「親戚全員か? まあ、ええけど」
「おまいり? はやくいこ!」
翼は、俺と靖及さんの手を引く。
で、家族で土地神の奉られとる神社へ向かう。
神社には、同じような家族が複数おった。
まず初めに、拝殿でお祓いを受けて、次に、神主に祝詞を読んでもらう。それから、玉串を奉納。みんなで、一礼する。
後は、お賽銭入れて、二礼二拍手一礼やな。
「翼、なんか神様にお願いするんやで。俺が先にやるから、真似してな」
「わかった」
家族みんなが、いつまでも幸せでありますように。
翼は、一生懸命、真似しとる。
3人で、お参りを終えてから、出張して来てもらった写真スタジオのカメラマンに、記念撮影をしてもらった。千歳飴を持つ翼を真ん中にして、着物の俺とスーツの靖及さんが挟んだ写真。
「このあとは? ごはん?」
「家に祝い膳届くから、それ待ちながら、渚に電話しよか」
「いわいぜん?」
「お祝いのための料理のことや」
「おいしい?」
「俺は、鯛が好きやな。あと、赤飯とかちらし寿司とか食べられるで」
「からあげは?」
「それは、俺が用意したのがあるわ。その飴は、ご飯の後な」
「うん!」
翼は、ニコニコして、俺と靖及さんの真ん中で、手を繋いだ。
帰宅後。荷物を置いてから、翼に声をかける。
「翼、俺も渡すもんがあんねん」
「なーに?」
「これや」
着物から、鍵の形のペンダントを出す。
「それ、つかさが、なぎさからもらったやつ」
「そや。今日から、翼のやで。お守りやから、よかったら、大切にしてや」
「いいの?! つかさ、ありがとー!」
「渚にも、お礼言って泣かしたれ」
「うん!」
翼の首に、ペンダントをかけた。
「かっこいい?!」
「カッコええで」
「ずっと前から、司は、それを渡したかったんだ、翼」
「そうなの?」
「せやで。赤ちゃんの頃は、食べそうやから、渡さなかってん」
「むかしのはなししないで!」
「すまん、すまん」
「……はは」
「あっ! やすたかがわらった! むかしのことはかんがえちゃだめ!」
「じゃあ、将来どうなりたい?」
「でっかくなる!」
「ふたりとも背ぇ高いから、翼もデッカくなるかもしれんなぁ。よく食べて、よく遊んで、よく寝るんやで」
「ぜんぶできる!」
翼は、得意気に言う。可愛ええ。けど、最近は、可愛ええって言うたら怒るんや。黙っとこ。
こっそり、靖及さんに目配せして、可愛ええ我が子を称えた。
「カッコええなぁ!」
「似合ってるぞ、翼」
「へへ……」
靖及さんが、翼の袴と俺の着物を仕立ててくれた。
11月15日。今日は、神社に七五三のお参りに行く予定や。
「ほな、行こか」
「ああ」
「つかさ、おまいりってなにするの?」
「健康を祈ってもらうんやで」
「ねーねー、なぎさは?」
「今日は来ないで」
「なんで?」
「大阪行けば会えるけど、遠いからなぁ。後で、ビデオ通話しよか?」
「うん! なぎさとみんなにみせる!」
「親戚全員か? まあ、ええけど」
「おまいり? はやくいこ!」
翼は、俺と靖及さんの手を引く。
で、家族で土地神の奉られとる神社へ向かう。
神社には、同じような家族が複数おった。
まず初めに、拝殿でお祓いを受けて、次に、神主に祝詞を読んでもらう。それから、玉串を奉納。みんなで、一礼する。
後は、お賽銭入れて、二礼二拍手一礼やな。
「翼、なんか神様にお願いするんやで。俺が先にやるから、真似してな」
「わかった」
家族みんなが、いつまでも幸せでありますように。
翼は、一生懸命、真似しとる。
3人で、お参りを終えてから、出張して来てもらった写真スタジオのカメラマンに、記念撮影をしてもらった。千歳飴を持つ翼を真ん中にして、着物の俺とスーツの靖及さんが挟んだ写真。
「このあとは? ごはん?」
「家に祝い膳届くから、それ待ちながら、渚に電話しよか」
「いわいぜん?」
「お祝いのための料理のことや」
「おいしい?」
「俺は、鯛が好きやな。あと、赤飯とかちらし寿司とか食べられるで」
「からあげは?」
「それは、俺が用意したのがあるわ。その飴は、ご飯の後な」
「うん!」
翼は、ニコニコして、俺と靖及さんの真ん中で、手を繋いだ。
帰宅後。荷物を置いてから、翼に声をかける。
「翼、俺も渡すもんがあんねん」
「なーに?」
「これや」
着物から、鍵の形のペンダントを出す。
「それ、つかさが、なぎさからもらったやつ」
「そや。今日から、翼のやで。お守りやから、よかったら、大切にしてや」
「いいの?! つかさ、ありがとー!」
「渚にも、お礼言って泣かしたれ」
「うん!」
翼の首に、ペンダントをかけた。
「かっこいい?!」
「カッコええで」
「ずっと前から、司は、それを渡したかったんだ、翼」
「そうなの?」
「せやで。赤ちゃんの頃は、食べそうやから、渡さなかってん」
「むかしのはなししないで!」
「すまん、すまん」
「……はは」
「あっ! やすたかがわらった! むかしのことはかんがえちゃだめ!」
「じゃあ、将来どうなりたい?」
「でっかくなる!」
「ふたりとも背ぇ高いから、翼もデッカくなるかもしれんなぁ。よく食べて、よく遊んで、よく寝るんやで」
「ぜんぶできる!」
翼は、得意気に言う。可愛ええ。けど、最近は、可愛ええって言うたら怒るんや。黙っとこ。
こっそり、靖及さんに目配せして、可愛ええ我が子を称えた。