創作企画「冥冥の澱」2
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バカツキや! オンラインカジノで大儲けしたし、株も上がった!
腹をさする。
「運のええやっちゃなぁ」
お? 玄関から音がした。
「靖及さん」
「ただいま、司」
「おかえりやで。聞いてや、この子のおかげで、大儲けしてん」
「よかったな。触れていいか?」
「ええで」
靖及さんが優しく腹を撫でる。その後、ぎゅっと抱き締められた。
あー。アカンな。あったかくて、幸せで。
「めっちゃ眠い……」
最近は、ずっとそうや。
「靖及さん、添い寝したってや」
「ああ。着替えてくる」
「ベッド行っとるわ」
寝室へ向かう。
煙草と酒とカフェインはアカンからなぁ。薬は、元々飲んでへんからええけど。
常に眠いの、なんとかならへんのか?
「体、重…………」
ベッドに横たわる。
「司」
「……やすたかさん」
「大丈夫か?」
「ねむいだけや……」
隣に、靖及さんが来た。
「おやすみ、司」
「……おやすみ」
◆◆◆
眠っている司から、そっと眼鏡を外し、サイドチェストの上に置く。布団を肩までかけて、隣で寝た。
どうか、母子ともに健康であってほしい。
司は、いつも気丈に振る舞っているが、時折辛そうな顔をする。眠気以外にも、体のダルさや腹痛や気分の落ち込みがあるらしい。
今は、安心した表情で、すやすや眠っているが。
「司」
頭を撫でる。
「ずっと側にいる」
結婚式でも誓ったことだが、一生家族を守ると、誓いを新たにした。俺は、いつまでも、ふたりを守ろう。
と、考えたところで。
「自分も勘定に入れなアカンで!」と、司の声が聴こえた。
そうだな。世界は、3人のものだから。俺自身も、大切にしなければならない。
司は、いつも俺を日向に連れ出してくれる。更に言えば、司は、俺にとって、光り輝く太陽のような存在だ。
喜怒哀楽がはっきりしていて、表情豊かで。毎日、勝負事をしては一喜一憂し、人生を楽しんでいる。失敗しても、寝て起きたら、けろっとして、また賭けに臨む。そんな姿が、愛おしくて。毎日、新鮮な気持ちで見つめている。
鍵野という旧家に生まれたにも関わらず、そこの因習を悉く放棄し、自分の望む自分になった司。俺の妻になってくれた司。まあ、その妻という枠に嵌まる気はないだろうが。それに、しっかり保護者をやるのだろうが、母という型に嵌まることもない。破天荒な存在。
日々、蛹から羽化する蝶のように。変化していく司を眺めるのが、楽しい。生涯、一番近くで見ていたい。
世界で一番、美しい蝶。その翅で、どこまでも自由に羽ばたいてほしい。
腹をさする。
「運のええやっちゃなぁ」
お? 玄関から音がした。
「靖及さん」
「ただいま、司」
「おかえりやで。聞いてや、この子のおかげで、大儲けしてん」
「よかったな。触れていいか?」
「ええで」
靖及さんが優しく腹を撫でる。その後、ぎゅっと抱き締められた。
あー。アカンな。あったかくて、幸せで。
「めっちゃ眠い……」
最近は、ずっとそうや。
「靖及さん、添い寝したってや」
「ああ。着替えてくる」
「ベッド行っとるわ」
寝室へ向かう。
煙草と酒とカフェインはアカンからなぁ。薬は、元々飲んでへんからええけど。
常に眠いの、なんとかならへんのか?
「体、重…………」
ベッドに横たわる。
「司」
「……やすたかさん」
「大丈夫か?」
「ねむいだけや……」
隣に、靖及さんが来た。
「おやすみ、司」
「……おやすみ」
◆◆◆
眠っている司から、そっと眼鏡を外し、サイドチェストの上に置く。布団を肩までかけて、隣で寝た。
どうか、母子ともに健康であってほしい。
司は、いつも気丈に振る舞っているが、時折辛そうな顔をする。眠気以外にも、体のダルさや腹痛や気分の落ち込みがあるらしい。
今は、安心した表情で、すやすや眠っているが。
「司」
頭を撫でる。
「ずっと側にいる」
結婚式でも誓ったことだが、一生家族を守ると、誓いを新たにした。俺は、いつまでも、ふたりを守ろう。
と、考えたところで。
「自分も勘定に入れなアカンで!」と、司の声が聴こえた。
そうだな。世界は、3人のものだから。俺自身も、大切にしなければならない。
司は、いつも俺を日向に連れ出してくれる。更に言えば、司は、俺にとって、光り輝く太陽のような存在だ。
喜怒哀楽がはっきりしていて、表情豊かで。毎日、勝負事をしては一喜一憂し、人生を楽しんでいる。失敗しても、寝て起きたら、けろっとして、また賭けに臨む。そんな姿が、愛おしくて。毎日、新鮮な気持ちで見つめている。
鍵野という旧家に生まれたにも関わらず、そこの因習を悉く放棄し、自分の望む自分になった司。俺の妻になってくれた司。まあ、その妻という枠に嵌まる気はないだろうが。それに、しっかり保護者をやるのだろうが、母という型に嵌まることもない。破天荒な存在。
日々、蛹から羽化する蝶のように。変化していく司を眺めるのが、楽しい。生涯、一番近くで見ていたい。
世界で一番、美しい蝶。その翅で、どこまでも自由に羽ばたいてほしい。