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君を見た。砕け散る、君を。
冬の訪れ。長い眠りの中で、夢を見た。
「ジェード!」
「あ…………」
月人に拐われる君。自慢の足を砕かれて、何も出来ない、おれ。伸ばした腕は、君に届かない。
悲しい。とても辛い、お別れ。
春が来た。明滅を繰り返す意識。その間で、ジェードの顔を思い浮かべていた。
「ジェード…………」
「呼んだか?」
「そこにいたのか……」
「どうした?」
「おれは、君がいなくなるのは嫌だ」
「……いなくならない」
「そうしてくれ」
おれは、懇願するように言う。君が欠けた世界は、暗闇のようになってしまうから。
強さが欲しい。全てから、君を守る力が欲しい。
日々、地を駆けて、見回りをする。月人から、みんなを守るために。
途中、フォスフォフィライトが草むらに寝っ転がっているのを見た。
「フォス」
「ん? なに?」
「危ないだろう。こんなところに、ひとりでいて」
「今は、君がいる」
「全く、しょうがないな」
「お? 一緒にサボる?」
「少し休憩だ」
フォスの隣に座る。そよ風に吹かれて、花が揺れていた。
「議長のこと、好きなの?」
「よく分からない。特別ではある」
「ジェードに言えばいいのに」
フォスは、事も無げに言うが、それは難しい。この気持ちは、ぐちゃぐちゃしていて、整理がつかない。
「長く生きると、しがらみが増えてよくないな」
「ふーん」
年少のフォスは、この話題に飽きたらしい。気ままでいいな。
「僕も、君みたいに足が早ければなぁ」
「そんなにいいものじゃない」
「足は早いし、硬いし、強いじゃないか」
「中身が、ダメだ」
「中身?」
「考え過ぎる」
「そうなの? 頭もいいってこと? 自慢?」
「違う」
「ま、いいや。僕には、僕にしか出来ないことがあるはずだしね」
それが見付かることを、フォスは疑っていないらしい。
おれが、ジェードのために出来ることはなんだ? そんなものあるのか?
いつか、それを見付けられたら。君が好きだと告げられるのだろうか?
冬の訪れ。長い眠りの中で、夢を見た。
「ジェード!」
「あ…………」
月人に拐われる君。自慢の足を砕かれて、何も出来ない、おれ。伸ばした腕は、君に届かない。
悲しい。とても辛い、お別れ。
春が来た。明滅を繰り返す意識。その間で、ジェードの顔を思い浮かべていた。
「ジェード…………」
「呼んだか?」
「そこにいたのか……」
「どうした?」
「おれは、君がいなくなるのは嫌だ」
「……いなくならない」
「そうしてくれ」
おれは、懇願するように言う。君が欠けた世界は、暗闇のようになってしまうから。
強さが欲しい。全てから、君を守る力が欲しい。
日々、地を駆けて、見回りをする。月人から、みんなを守るために。
途中、フォスフォフィライトが草むらに寝っ転がっているのを見た。
「フォス」
「ん? なに?」
「危ないだろう。こんなところに、ひとりでいて」
「今は、君がいる」
「全く、しょうがないな」
「お? 一緒にサボる?」
「少し休憩だ」
フォスの隣に座る。そよ風に吹かれて、花が揺れていた。
「議長のこと、好きなの?」
「よく分からない。特別ではある」
「ジェードに言えばいいのに」
フォスは、事も無げに言うが、それは難しい。この気持ちは、ぐちゃぐちゃしていて、整理がつかない。
「長く生きると、しがらみが増えてよくないな」
「ふーん」
年少のフォスは、この話題に飽きたらしい。気ままでいいな。
「僕も、君みたいに足が早ければなぁ」
「そんなにいいものじゃない」
「足は早いし、硬いし、強いじゃないか」
「中身が、ダメだ」
「中身?」
「考え過ぎる」
「そうなの? 頭もいいってこと? 自慢?」
「違う」
「ま、いいや。僕には、僕にしか出来ないことがあるはずだしね」
それが見付かることを、フォスは疑っていないらしい。
おれが、ジェードのために出来ることはなんだ? そんなものあるのか?
いつか、それを見付けられたら。君が好きだと告げられるのだろうか?