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私が愛した人は、虚像でした。
午前0時。夢見が最悪で、飛び起きる。
あの人に、クラハドールと名乗っていた人につけられた傷が痛む。繰り返し、繰り返し、あの時のことを夢に見る。
「クラハドールさん、どうしたの?」と何も知らないシロップ村の人々は、私に尋ねた。私が知りたいよ。
あの人、海賊だったんです。なんて、言えない。彼のことは、秘密にすると決めたのだから。
私が好きになった、“クラハドールさん”なんて、いなかったんです。彼は、キャプテン・クロという悪人でした。
メリーさんと私は、あの海賊に斬り捨てられたのである。嘲笑とともに。ゴミみたいに。
私の恋も、ズタズタになった。だから、私は、ゴミ箱に捨てようとした。それなのに、出来ない。恋心を捨てられない。
私は、馬鹿だ。クラハドールさんと、あの罪人が別人なんじゃないかと、そんな夢想をしてしまう。目の前で、彼の蛮行を見たというのに。
哀れだ。私はもう、助からない。一生、この体と、心の傷を抱いていくのだろう。
「うっ……うぅ……あ…………」
懸命に、声を抑えて泣く。涙は、次から次へと溢れた。
あの人は、“アイツ”は、どうして、ここへ来たの? 何故、私のいるところへ来たの?
なんで、私は、“アイツ”を好きになってしまったの?
全てが虚飾だったのでしょう? あなたの眼鏡を直す仕草も。カヤお嬢様に尽くしていたのも。私に笑いかけてくれたのも。
残酷な人。最低な人。でも、私の好きな人。何故か、今でも好きな人。それでいて、憎らしい人。
罰されてください。死んでください。この世界から消えてください。お願いします。お願いだから。頼むから、私の心の中から、いなくなってください。
「ゆるしてください…………」
誰に、なんのゆるしを乞うているのか、自分でも分からない。
ただ。ただ、もう、こんな想いは捨ててしまいたいだけ。そして、明日へと進みたいだけ。
私の時計の針よ、どうか動いて。
午前0時。夢見が最悪で、飛び起きる。
あの人に、クラハドールと名乗っていた人につけられた傷が痛む。繰り返し、繰り返し、あの時のことを夢に見る。
「クラハドールさん、どうしたの?」と何も知らないシロップ村の人々は、私に尋ねた。私が知りたいよ。
あの人、海賊だったんです。なんて、言えない。彼のことは、秘密にすると決めたのだから。
私が好きになった、“クラハドールさん”なんて、いなかったんです。彼は、キャプテン・クロという悪人でした。
メリーさんと私は、あの海賊に斬り捨てられたのである。嘲笑とともに。ゴミみたいに。
私の恋も、ズタズタになった。だから、私は、ゴミ箱に捨てようとした。それなのに、出来ない。恋心を捨てられない。
私は、馬鹿だ。クラハドールさんと、あの罪人が別人なんじゃないかと、そんな夢想をしてしまう。目の前で、彼の蛮行を見たというのに。
哀れだ。私はもう、助からない。一生、この体と、心の傷を抱いていくのだろう。
「うっ……うぅ……あ…………」
懸命に、声を抑えて泣く。涙は、次から次へと溢れた。
あの人は、“アイツ”は、どうして、ここへ来たの? 何故、私のいるところへ来たの?
なんで、私は、“アイツ”を好きになってしまったの?
全てが虚飾だったのでしょう? あなたの眼鏡を直す仕草も。カヤお嬢様に尽くしていたのも。私に笑いかけてくれたのも。
残酷な人。最低な人。でも、私の好きな人。何故か、今でも好きな人。それでいて、憎らしい人。
罰されてください。死んでください。この世界から消えてください。お願いします。お願いだから。頼むから、私の心の中から、いなくなってください。
「ゆるしてください…………」
誰に、なんのゆるしを乞うているのか、自分でも分からない。
ただ。ただ、もう、こんな想いは捨ててしまいたいだけ。そして、明日へと進みたいだけ。
私の時計の針よ、どうか動いて。