創作企画「冥冥の澱」
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1月7日の夜。来目聖爾の元に、狐ヶ崎の異形が現れた。
「なんだ? テメェ」
「罪には罰を! 命を払え!」
「天狐!」
自分に憑いている狐に、異形を喰わせようとした聖爾。
「汝れは、白!」
「は?」
裁定を下し、異形は霧のように消える。
白? オレは、白? 人殺しなのに、罰がない?
なんだったのかは、分からないが、聖爾は不思議に思った。
姿から推測するに、“狐ヶ崎”関連の、何か。とうとう、惨たらしい終わりを迎えるのかと。そう考えたのだが。
聖爾は、人殺しだ。多くを喰い殺してきた。まともな死に方はしないだろうと思っている。
それに、近頃は、おかしいのだ。コンビニで働いている時に、ブラックコーヒーを買っていく男が、頭の片隅から消えない。
あの赤い髪。銀メッシュ。赤い目。肉が薄めの体。
まともに愛したい? そんなことは出来ない。
出来ないのなら、めちゃくちゃにしたい。傷付けたい。壊したい。喰らい尽くしたい。
自分と彼が関係ないのは、嫌だった。それなら、いっそ、加害者と被害者にでもなりたい。
こんな人もどきに気に入られて、可哀想な奴。不運な奴。
ばりばり。棒付き飴を噛み砕く。
「……林檎味」
◆◆◆
「ふ、う♡」
黒い布で目隠しをされ、ボールギャグを噛まされた男が、聖爾に後背位で犯されている。
「んんぅ♡」
聖爾の頭の中には、“アイツ”がいた。“アイツ”を犯す想像をしながら、別の男を抱いている。
男のナカに射精し、精神が冷えた。虚しさが込み上げる。空虚だ。
「クソ…………!」
「ん♡」
聖爾に罵倒されたと思った男は、興奮した。
「あー。うぜぇ」
再び、聖爾は、男を蹂躙する。
めちゃくちゃにしたい。“アイツ”を。
こんな代替品じゃなくて、“アイツ”を。
がちがちがち。歯を鳴らす。
聖爾は、男の首筋に噛み付いた。
「んっ♡」
肌に、歯形がつく。
続けて、二の腕にも歯を立てた。そこにも、痕がつく。
ふーっ。ふーっ。聖爾は、獣の威嚇みたいに呼吸をした。
喰らいたい。だが、16歳の頃から、表の人間は殺していない。
渇く。物凄く渇いている。欲を満たせない。
恋とか、愛とか、いらなかった。そんなのは、もっと普通で、愚かな奴らがやればいい。
自分は、“特別”なのだから。生まれつき、人を殺せる力と、それを躊躇わない心を持っているのだから。
男のうなじを噛んだ。憂さを晴らすために。
ゆるせない。自分の日常を狂わせる存在が。あの男のことが。
だが、表の人間だから、殺せない。それとも、愛しているから、殺せない?
鬱陶しい。“こんなもの”、天狐に喰わせてしまいたい。
けれど、“こんなもの”は、狐も喰わない。
「なんだ? テメェ」
「罪には罰を! 命を払え!」
「天狐!」
自分に憑いている狐に、異形を喰わせようとした聖爾。
「汝れは、白!」
「は?」
裁定を下し、異形は霧のように消える。
白? オレは、白? 人殺しなのに、罰がない?
なんだったのかは、分からないが、聖爾は不思議に思った。
姿から推測するに、“狐ヶ崎”関連の、何か。とうとう、惨たらしい終わりを迎えるのかと。そう考えたのだが。
聖爾は、人殺しだ。多くを喰い殺してきた。まともな死に方はしないだろうと思っている。
それに、近頃は、おかしいのだ。コンビニで働いている時に、ブラックコーヒーを買っていく男が、頭の片隅から消えない。
あの赤い髪。銀メッシュ。赤い目。肉が薄めの体。
まともに愛したい? そんなことは出来ない。
出来ないのなら、めちゃくちゃにしたい。傷付けたい。壊したい。喰らい尽くしたい。
自分と彼が関係ないのは、嫌だった。それなら、いっそ、加害者と被害者にでもなりたい。
こんな人もどきに気に入られて、可哀想な奴。不運な奴。
ばりばり。棒付き飴を噛み砕く。
「……林檎味」
◆◆◆
「ふ、う♡」
黒い布で目隠しをされ、ボールギャグを噛まされた男が、聖爾に後背位で犯されている。
「んんぅ♡」
聖爾の頭の中には、“アイツ”がいた。“アイツ”を犯す想像をしながら、別の男を抱いている。
男のナカに射精し、精神が冷えた。虚しさが込み上げる。空虚だ。
「クソ…………!」
「ん♡」
聖爾に罵倒されたと思った男は、興奮した。
「あー。うぜぇ」
再び、聖爾は、男を蹂躙する。
めちゃくちゃにしたい。“アイツ”を。
こんな代替品じゃなくて、“アイツ”を。
がちがちがち。歯を鳴らす。
聖爾は、男の首筋に噛み付いた。
「んっ♡」
肌に、歯形がつく。
続けて、二の腕にも歯を立てた。そこにも、痕がつく。
ふーっ。ふーっ。聖爾は、獣の威嚇みたいに呼吸をした。
喰らいたい。だが、16歳の頃から、表の人間は殺していない。
渇く。物凄く渇いている。欲を満たせない。
恋とか、愛とか、いらなかった。そんなのは、もっと普通で、愚かな奴らがやればいい。
自分は、“特別”なのだから。生まれつき、人を殺せる力と、それを躊躇わない心を持っているのだから。
男のうなじを噛んだ。憂さを晴らすために。
ゆるせない。自分の日常を狂わせる存在が。あの男のことが。
だが、表の人間だから、殺せない。それとも、愛しているから、殺せない?
鬱陶しい。“こんなもの”、天狐に喰わせてしまいたい。
けれど、“こんなもの”は、狐も喰わない。