創作企画「冥冥の澱」
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いつも、俺が働いてる時間に、お菓子を買っていく、赤い縁の眼鏡のお姉さん。気になる。
ピスタチオ味のものが新発売されると、必ず買っていく、あなた。
あなたのことが、もっと知りたい。
「560円です」
「千円で」
「はい」
そんな、事務的なやり取りしか出来ないのが、もどかしいと思う。
「いつも、ありがとうございます」
勇気を出して、そう言ってみた。
「あら、こちらこそ、ありがとうございます」
「あの、今度、ピスタチオ味のアイス出るっすよ」
「買いに来ます」
「はい!」
気持ち悪がられなかったかな? 怖くなかったかな?
「ありがとうございます。有川さん」
「あ、な、名前……」
俺の名前を、呼んでくれた。
「あたし、十星子です。名刺、どうぞ」
「あ、ありがとうございます!」
「それじゃあ、お仕事、頑張ってください」
「はい!」
名刺を見る。十星子さん。ウェディングプランナー。メアド書いてある!
やったー!
◆◆◆
『メール、失礼します。俺、コンビニの有川道流です。迷惑でなければ、十さんと友達になりたいです。よろしくお願いします』
『メール、ありがとうございます。私でよければ、よろしくお願いします。29歳の女です。有川さんは、おいくつですか?』
『返信、ありがとうございます。19歳の大学生です。服飾学科です。俺のことは、道流でいいですよ』
『服を作るの? 私のことは、星子で構わないです』
『星子さん、ですね。服、作れます。デザイン画描いて、型紙作って、布地選んで、縫います。星子さんは、どうして、ウェディングプランナーになったんですか?』
『道流くん、凄いわ! あたしは、全ての愛を祝福したくて、この仕事を選びました。シンデレラに出てくる魔法使いに憧れたのが、きっかけです』
『素敵です。星子さんは、魔法使いなんですね』
◆◆◆
「道流、なにニヤニヤしてるの?」
「星子さんと俺の、メールを読み返してたっす」
「やだ、保存してあるの?」
「はい。定期的に読んでるっすよ」
「恥ずかしい! やめなさい!」
「嫌っす!」
「全く、強情なんだから。あたし、仕事行くから、娘をよろしくね」
「はい。いってらっしゃい」
「いってきます」
星子さんは、凄い魔法使いだから、忙しい。
俺は、星子さんとの間に生まれた、2歳の娘の面倒を見るのが仕事だ。ベビーベッドから、泣き始めた娘を抱き上げて、あやす。
「お母さんは、お仕事だから、俺とお留守番だよ」
娘が着ているのは、俺が作った猿モチーフのベビー服。めちゃくちゃ可愛い。娘は、申年だから。
星子さんは、俺の作った裏地が夜空になってるケープを着て行った。星月夜に、箒で空を飛ぶ、魔法使いだから。
ピスタチオ味のものが新発売されると、必ず買っていく、あなた。
あなたのことが、もっと知りたい。
「560円です」
「千円で」
「はい」
そんな、事務的なやり取りしか出来ないのが、もどかしいと思う。
「いつも、ありがとうございます」
勇気を出して、そう言ってみた。
「あら、こちらこそ、ありがとうございます」
「あの、今度、ピスタチオ味のアイス出るっすよ」
「買いに来ます」
「はい!」
気持ち悪がられなかったかな? 怖くなかったかな?
「ありがとうございます。有川さん」
「あ、な、名前……」
俺の名前を、呼んでくれた。
「あたし、十星子です。名刺、どうぞ」
「あ、ありがとうございます!」
「それじゃあ、お仕事、頑張ってください」
「はい!」
名刺を見る。十星子さん。ウェディングプランナー。メアド書いてある!
やったー!
◆◆◆
『メール、失礼します。俺、コンビニの有川道流です。迷惑でなければ、十さんと友達になりたいです。よろしくお願いします』
『メール、ありがとうございます。私でよければ、よろしくお願いします。29歳の女です。有川さんは、おいくつですか?』
『返信、ありがとうございます。19歳の大学生です。服飾学科です。俺のことは、道流でいいですよ』
『服を作るの? 私のことは、星子で構わないです』
『星子さん、ですね。服、作れます。デザイン画描いて、型紙作って、布地選んで、縫います。星子さんは、どうして、ウェディングプランナーになったんですか?』
『道流くん、凄いわ! あたしは、全ての愛を祝福したくて、この仕事を選びました。シンデレラに出てくる魔法使いに憧れたのが、きっかけです』
『素敵です。星子さんは、魔法使いなんですね』
◆◆◆
「道流、なにニヤニヤしてるの?」
「星子さんと俺の、メールを読み返してたっす」
「やだ、保存してあるの?」
「はい。定期的に読んでるっすよ」
「恥ずかしい! やめなさい!」
「嫌っす!」
「全く、強情なんだから。あたし、仕事行くから、娘をよろしくね」
「はい。いってらっしゃい」
「いってきます」
星子さんは、凄い魔法使いだから、忙しい。
俺は、星子さんとの間に生まれた、2歳の娘の面倒を見るのが仕事だ。ベビーベッドから、泣き始めた娘を抱き上げて、あやす。
「お母さんは、お仕事だから、俺とお留守番だよ」
娘が着ているのは、俺が作った猿モチーフのベビー服。めちゃくちゃ可愛い。娘は、申年だから。
星子さんは、俺の作った裏地が夜空になってるケープを着て行った。星月夜に、箒で空を飛ぶ、魔法使いだから。