SS
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
冬の仕事。アンタークチサイトだけがする仕事。
だが、おれは先生に無理を言って、その仕事を手伝うことにした。何故かと言われれば、もっと役に立ちたいからだ。幸い、眠気もほとんどない。
「アンターク」
「ナマエか」
「今年の冬は、よろしく頼む。毎年になるかは分からないが」
「無理はするなよ?」
「ああ、大丈夫だ」
おれは、普段は戦闘員として働いている。身のこなしは、よい方だと思う。
「じゃあ、行くか」
「ああ。先導してくれ、アンターク」
「分かった」
おれたちは、外へ出て、流氷を砕きに行く。
アンタークにコツを教わったので、とくに困ることはなかった。
「流石、ナマエだな。私が攫われたら、冬を任せるよ」
「冗談が下手だな。冬はアンタークのものだろう」
「私には、冬しかないだけだ」
どこか寂しそうに、儚げに笑うアンターク。
おれには、冬以外もあり、ひとりで見回りとして駆け抜けるという仕事を持っている。もしかしたら、彼の仕事を奪おうとしていると思われてしまっただろうか? それは本意ではない。
「アンタークチサイト、君の仕事を奪うつもりはない。おれは、ただ、もっと先生の役に立ちたくて……言い訳に聞こえるか……?」
「先生の役に立ちたいのは、みんな、そうだろう。別に、ナマエを責める気はない」
「そうか」
「さあ、流氷の砕破に戻ろう」
「ああ」
ふたりで、氷の塊を破壊する。そうしていると、空に黒点が現れた。
「おれの出番だ。アンターク、補佐を頼む」
「了解」
おれは、流氷を踏み台にして飛び上がり、月人たちの頭を薙ぎ払う。アンタークも、それに続く。いつもの武器とは違うが、構わない。おれは、月人を赦さない。
先生の手を煩わせることもない。ふたりで、月人たちを殲滅した。
「ナマエ、助かった」
「いや、アンタークも、お疲れ様」
おれたちは、仕事を終えて、先生の元へ戻る。月人のことを報告し、おれは自室へ帰った。すると、しばらくして、アンタークがやって来る。
「ナマエ」
「どうかしたのか?」
アンタークは、何か言い澱んで、おれから目線を外した。
「今日は、その、ありがとう。私は、ナマエがいてくれて、嬉しかった」
「君がそう思ってくれたのなら、おれも嬉しいよ」
静かに、冬は進んでいく。
だが、おれは先生に無理を言って、その仕事を手伝うことにした。何故かと言われれば、もっと役に立ちたいからだ。幸い、眠気もほとんどない。
「アンターク」
「ナマエか」
「今年の冬は、よろしく頼む。毎年になるかは分からないが」
「無理はするなよ?」
「ああ、大丈夫だ」
おれは、普段は戦闘員として働いている。身のこなしは、よい方だと思う。
「じゃあ、行くか」
「ああ。先導してくれ、アンターク」
「分かった」
おれたちは、外へ出て、流氷を砕きに行く。
アンタークにコツを教わったので、とくに困ることはなかった。
「流石、ナマエだな。私が攫われたら、冬を任せるよ」
「冗談が下手だな。冬はアンタークのものだろう」
「私には、冬しかないだけだ」
どこか寂しそうに、儚げに笑うアンターク。
おれには、冬以外もあり、ひとりで見回りとして駆け抜けるという仕事を持っている。もしかしたら、彼の仕事を奪おうとしていると思われてしまっただろうか? それは本意ではない。
「アンタークチサイト、君の仕事を奪うつもりはない。おれは、ただ、もっと先生の役に立ちたくて……言い訳に聞こえるか……?」
「先生の役に立ちたいのは、みんな、そうだろう。別に、ナマエを責める気はない」
「そうか」
「さあ、流氷の砕破に戻ろう」
「ああ」
ふたりで、氷の塊を破壊する。そうしていると、空に黒点が現れた。
「おれの出番だ。アンターク、補佐を頼む」
「了解」
おれは、流氷を踏み台にして飛び上がり、月人たちの頭を薙ぎ払う。アンタークも、それに続く。いつもの武器とは違うが、構わない。おれは、月人を赦さない。
先生の手を煩わせることもない。ふたりで、月人たちを殲滅した。
「ナマエ、助かった」
「いや、アンタークも、お疲れ様」
おれたちは、仕事を終えて、先生の元へ戻る。月人のことを報告し、おれは自室へ帰った。すると、しばらくして、アンタークがやって来る。
「ナマエ」
「どうかしたのか?」
アンタークは、何か言い澱んで、おれから目線を外した。
「今日は、その、ありがとう。私は、ナマエがいてくれて、嬉しかった」
「君がそう思ってくれたのなら、おれも嬉しいよ」
静かに、冬は進んでいく。