創作企画「冥冥の澱」
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ねぇ、知ったかぶりは、やめて。
僕が何をしてきたか、知らない癖に。そんな風に、赦したりしないで。
「もしもし? 先生? ねぇ、僕のこと抱きに来てよ。部屋で待ってるから。ねぇ、いいでしょ?」
お日様の下には、もう出ない。僕は、夜の中でいい。ずっと、ピンク色のネオンライトに照らされていればいい。
僕とあなたは、最初から、住む世界が違ったんだよ。
だって、僕は、これからも悪魔なんだから。
あなたは、何様?
◆◆◆
「ねぇ、せんせぇ? 奥さんと別れて?」
セックスした後、僕は、先生に抱き付きながら、囁いた。
「六助…………」
「僕のこと愛してるんでしょ? 嘘なの?」
「……愛してる」
「じゃあ、僕のために別れてくれるよね?」
先生は、僕のだもんね?
「ぜーんぶ、投げ出しちゃおうよ。夫でいるのも、父親でいるのも、教師でいるのも、大人でいるのも。それで、ずっと僕と気持ちいいことだけしてようよ」
「…………分かった」
「わーい! せんせぇ、大好き!」
みんな、僕だけ見てればいいのに。僕は、人に優しいもん。人のために生きてるもん。
「愛してる、六助」
「ありがとぉ」
気持ち悪い。吐き気する。
愛って何? 先生の持ってる、それ? くだらない物差しで測られた、それ?
僕は、そんなものいらないの。“好き”と“好き”で繋がっていられるなら、いいの。
欲望、全部、受け止めてあげる。求められたら、与えてあげる。みんな、みんな、受け入れてあげる。
僕は悪魔だから、みんなの願いを叶えてあげるよ。
ここまでおいで。僕のいるところまで、堕ちて来て。
◆◆◆
「ろっくん、どうしたの?」
「ろっくん、何かあったの?」
「あれ…………?」
涙が落ちてる。どうして?
パパとママが、心配そうにしてる。
「なんでもないよ。ゴミが入っただけ」
僕は、手で目をこすった。
「ほんとに? 朝ごはん、ちゃんと食べるんだよ」
「そうよ、ろっくんのためにパパが作ったのよ」
「ありがとう、パパ、ママ。僕、本当に平気だから」
人は、みんな、楽な方に流れ落ちるものなんだよ。
みんな、早く、ここまでおいで。
ここは、僕の世界。みんなを、幸せにしてあげられる。
真っ暗闇に、灯りがふたつ。ピンク色の、僕の目。綺麗でしょ?
悪魔は、人に好かれるために、カワイイの。
ねぇ、赦しちゃってよかったの? 僕は、違うのに。いい子なんかじゃないのに。
まあ、いっか。僕とは、関係ないもんね。
くだらない秤は、いらない。道徳も倫理も博愛も、いらない。
僕は、ずっと、人に囁き続けるよ。
僕が何をしてきたか、知らない癖に。そんな風に、赦したりしないで。
「もしもし? 先生? ねぇ、僕のこと抱きに来てよ。部屋で待ってるから。ねぇ、いいでしょ?」
お日様の下には、もう出ない。僕は、夜の中でいい。ずっと、ピンク色のネオンライトに照らされていればいい。
僕とあなたは、最初から、住む世界が違ったんだよ。
だって、僕は、これからも悪魔なんだから。
あなたは、何様?
◆◆◆
「ねぇ、せんせぇ? 奥さんと別れて?」
セックスした後、僕は、先生に抱き付きながら、囁いた。
「六助…………」
「僕のこと愛してるんでしょ? 嘘なの?」
「……愛してる」
「じゃあ、僕のために別れてくれるよね?」
先生は、僕のだもんね?
「ぜーんぶ、投げ出しちゃおうよ。夫でいるのも、父親でいるのも、教師でいるのも、大人でいるのも。それで、ずっと僕と気持ちいいことだけしてようよ」
「…………分かった」
「わーい! せんせぇ、大好き!」
みんな、僕だけ見てればいいのに。僕は、人に優しいもん。人のために生きてるもん。
「愛してる、六助」
「ありがとぉ」
気持ち悪い。吐き気する。
愛って何? 先生の持ってる、それ? くだらない物差しで測られた、それ?
僕は、そんなものいらないの。“好き”と“好き”で繋がっていられるなら、いいの。
欲望、全部、受け止めてあげる。求められたら、与えてあげる。みんな、みんな、受け入れてあげる。
僕は悪魔だから、みんなの願いを叶えてあげるよ。
ここまでおいで。僕のいるところまで、堕ちて来て。
◆◆◆
「ろっくん、どうしたの?」
「ろっくん、何かあったの?」
「あれ…………?」
涙が落ちてる。どうして?
パパとママが、心配そうにしてる。
「なんでもないよ。ゴミが入っただけ」
僕は、手で目をこすった。
「ほんとに? 朝ごはん、ちゃんと食べるんだよ」
「そうよ、ろっくんのためにパパが作ったのよ」
「ありがとう、パパ、ママ。僕、本当に平気だから」
人は、みんな、楽な方に流れ落ちるものなんだよ。
みんな、早く、ここまでおいで。
ここは、僕の世界。みんなを、幸せにしてあげられる。
真っ暗闇に、灯りがふたつ。ピンク色の、僕の目。綺麗でしょ?
悪魔は、人に好かれるために、カワイイの。
ねぇ、赦しちゃってよかったの? 僕は、違うのに。いい子なんかじゃないのに。
まあ、いっか。僕とは、関係ないもんね。
くだらない秤は、いらない。道徳も倫理も博愛も、いらない。
僕は、ずっと、人に囁き続けるよ。