創作企画「冥冥の澱」
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目覚めたら、15時。隣には、穣さんがいる。
そっと、寝てるあなたの頬に触れた。
好き。その一言が、凄く重くなってしまった僕。前は、“みんなが好き”だったのにね。人を愛玩する悪魔だったのにね。
穣さんに対する“好き”は、とても重くて、日に日に大きくなっていく。
「……好きだよ」
小さく呟いた。
「ん……六助くん…………?」
「穣さん、おはよう」
手を離す。
「おはよう」
ふたりで、布団の上に並んで座ったまま、のんびりする。ずっと、あったかくて、幸せ。
「六助くん、寝癖ついてる」
「どこ?」
「僕が直すよ」
穣さんが、僕の頭に優しく触れる。いい気持ち。
「ねぇ、穣さん」
「なに?」
「頭、撫でてほしいな……」
「いいよ」
「えへへ。ありがとう」
あなたが、微笑みながら、撫でてくれる。本当に幸せで、心臓がドキドキした。
僕は、きっと、あなたに出会うために生まれてきたんだね。
◆◆◆
六助くんは、たまに、眠っている時に泣いている。
「ごめ……な……い……」
ごめんなさい。その声に起こされ、僕は、涙を掬い、彼を抱き締めた。
怨嗟の声が聴こえているの? 君はまだ、苦しいの?
けれど、起きている時の六助くんは、明るい。いつも、眩しい笑顔を見せてくれる。
素直に甘えてくるし、特に隠し事をしている様子もない。
つまり、六助くんの心の奥底にだけ、恨み言が響いている。深い傷を、君は持っている。
いつか、それが癒える時まで、僕は、ずっと側にいるよ。だから、安心して眠っていてね。
この子を、愛しい人を、守りたい。
「六助くん、僕がいるよ。ずっと隣にいるよ」
六助くんの手が、僕の服の裾を握っていた。
◆◆◆
ここ、どこ? ぼくは、なんでこんなまっくらなとこにいるの?
「パパ? ママ? どこなの?」
“ろっくん、いい子だね”
“ろっくん、可愛いわね。撫で撫でしちゃう”
ぼくの、パパとママ。いつもやさしいふたり。どこにいっちゃったの?
“悪魔”
“死んでくれ”
“お前のせいで”
“最低”
“ここで、殺してやろうか?”
“汚らわしい”
“人を馬鹿にしやがって”
“お前なんか、誰も愛さない”
「だれ?」
こわいよ。ぼく、どうしておこられてるの? どうして?
「ごめ、ごめん、なさい……」
ぼくは、わけもわからず、あやまった。
“気持ち悪い”
“ふざけんな”
“赦せねぇ”
“二度と話しかけないで”
“なぁ、早く死ねよ”
“悪魔”
「ごめんなさい……! ごめ、なさ…………」
とどかない。おこってるひとたちに、ぼくのこえは、とどかない。
ないても、だれもこない。
「う、うぅ…………」
くるしい。たすけて、だれか。
もう、いっぽもあるけない。ただ、ちいさくうずくまるしかない。
“六助くん、僕がいるよ”
“ずっと隣にいるよ”
「だあれ?」
やさしいこえのひと。あなたは?
「…………みのるさん」
ああ、そっか。あなたがいた。それなら、ぼくは、だいじょうぶだね。
かおをあげたら、ひかりがさしてた。
そっと、寝てるあなたの頬に触れた。
好き。その一言が、凄く重くなってしまった僕。前は、“みんなが好き”だったのにね。人を愛玩する悪魔だったのにね。
穣さんに対する“好き”は、とても重くて、日に日に大きくなっていく。
「……好きだよ」
小さく呟いた。
「ん……六助くん…………?」
「穣さん、おはよう」
手を離す。
「おはよう」
ふたりで、布団の上に並んで座ったまま、のんびりする。ずっと、あったかくて、幸せ。
「六助くん、寝癖ついてる」
「どこ?」
「僕が直すよ」
穣さんが、僕の頭に優しく触れる。いい気持ち。
「ねぇ、穣さん」
「なに?」
「頭、撫でてほしいな……」
「いいよ」
「えへへ。ありがとう」
あなたが、微笑みながら、撫でてくれる。本当に幸せで、心臓がドキドキした。
僕は、きっと、あなたに出会うために生まれてきたんだね。
◆◆◆
六助くんは、たまに、眠っている時に泣いている。
「ごめ……な……い……」
ごめんなさい。その声に起こされ、僕は、涙を掬い、彼を抱き締めた。
怨嗟の声が聴こえているの? 君はまだ、苦しいの?
けれど、起きている時の六助くんは、明るい。いつも、眩しい笑顔を見せてくれる。
素直に甘えてくるし、特に隠し事をしている様子もない。
つまり、六助くんの心の奥底にだけ、恨み言が響いている。深い傷を、君は持っている。
いつか、それが癒える時まで、僕は、ずっと側にいるよ。だから、安心して眠っていてね。
この子を、愛しい人を、守りたい。
「六助くん、僕がいるよ。ずっと隣にいるよ」
六助くんの手が、僕の服の裾を握っていた。
◆◆◆
ここ、どこ? ぼくは、なんでこんなまっくらなとこにいるの?
「パパ? ママ? どこなの?」
“ろっくん、いい子だね”
“ろっくん、可愛いわね。撫で撫でしちゃう”
ぼくの、パパとママ。いつもやさしいふたり。どこにいっちゃったの?
“悪魔”
“死んでくれ”
“お前のせいで”
“最低”
“ここで、殺してやろうか?”
“汚らわしい”
“人を馬鹿にしやがって”
“お前なんか、誰も愛さない”
「だれ?」
こわいよ。ぼく、どうしておこられてるの? どうして?
「ごめ、ごめん、なさい……」
ぼくは、わけもわからず、あやまった。
“気持ち悪い”
“ふざけんな”
“赦せねぇ”
“二度と話しかけないで”
“なぁ、早く死ねよ”
“悪魔”
「ごめんなさい……! ごめ、なさ…………」
とどかない。おこってるひとたちに、ぼくのこえは、とどかない。
ないても、だれもこない。
「う、うぅ…………」
くるしい。たすけて、だれか。
もう、いっぽもあるけない。ただ、ちいさくうずくまるしかない。
“六助くん、僕がいるよ”
“ずっと隣にいるよ”
「だあれ?」
やさしいこえのひと。あなたは?
「…………みのるさん」
ああ、そっか。あなたがいた。それなら、ぼくは、だいじょうぶだね。
かおをあげたら、ひかりがさしてた。