創作企画「冥冥の澱」
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「つ、司!」
「あん? どうしたんや? 潮ちゃん」
なんや、喫煙室なんか来て。
「煙草をやめろ! 酒もだ!」
「なんでやねん!」
「ボケてない!」
「煙草は俺の酸素、酒は命の水やぞ」
「それだ! それ! 命!」
「は?」
「司、妊娠しているぞ!」
「はぁ?!」
ほんまに?
「ギャンブルもやめろ」
「それはええやろ」
◆◆◆
産婦人科行ったら、5週目やった。
なんや、この前、腹蹴られた気ぃすんねんけど。無事でよかったわ。
家に帰る。
「ただいまやで~」
「おかえり、司」
「靖及さん、俺な、妊娠しててん」
「…………」
固まった。おもろ。
「司……ありがとう…………」
抱き締められる。
「禁煙と禁酒せんとなぁ」
靖及さんの背に腕を回して、そう思た。
「名前…………」
「ああ、それな。もう考えてん。性別関係ない名前がええんちゃうか? 将来、なんにでもなれて、どこへでも行ける名前がええ」
「そうだな」
「せやから、“翼”がええかなって」
「いい名前だ」
「司ちゃん、天才やからなぁ」
「……世界は、3人のものだな」
「そやな!」
なんやろなぁ。この気持ち。一面ダイスでも振っとるみたいな。これからも、幸せ確定やなぁ。
俺と、アンタと、この子の3人で、ずっと幸せに生きていける。
◆◆◆
メッセージアプリで、仲間のグループチャットに、妊娠したことを報告したら、めちゃくちゃ祝われた。
ほんで、その後、会う人会う人に、色々もろたんやけど。
「これは、矢木教会の護符やろ。こっちは、博巳ニーサン直筆のお札で、こっちが八卦ちゃんのやつ。ほんで、神社の安産祈願のお守りがいくつか。あと、これは、寺のお守り……?」
こんな宗教ちゃんぽんしてええんか? ってメッセージ送ったら、砂絵さんが、『ヘレナ・P・ブラヴァツキーが創唱した、近代神智学的観点から言えば、最強の守りなのです』って返してきた。
最強なら、ええか。ありがたく、持っとこ。
俺が初めて持ったお守りは、渚が作った、鍵の形のペンダントや。
何度も質入れしたんやけど、いつも取り戻してきた。
このペンダント、子供に渡そかな?
渚が込めた祈りは、「運命の扉を開けますように」っちゅうもんなんや。この子が望むんなら、受け継いでほしいわ。俺には、もう必要ないもんやし。きっと、渚も了解するやろ。
早速、俺は渚に連絡した。
「渚ぁ、鍵のペンダント、子供に引き継がせてええやんな?」
『はぁ?! 子供出来たんか司?!』
「そういや、渚に言うの忘れとったわ。妊娠、5週目やって」
『お前、それ、狐ヶ崎の騒動の時、もう妊娠しとるやんけ! ひやひやするわ!』
「ほんまになぁ」
『もう家で大人しくしとき!』
「そうするわ。ほんで、ペンダントは?」
『好きにせぇ。それは、お前のもんやからな』
「おおきにな、渚。ほなな~」
『ほんま、大人しくせぇよ。あと、ギャンブルやめ————』
さいなら~。
「さて」
今なら、ふたり分の運がついとるからな。とりあえず、オンラインカジノに全部ぶっ込むで。
「あん? どうしたんや? 潮ちゃん」
なんや、喫煙室なんか来て。
「煙草をやめろ! 酒もだ!」
「なんでやねん!」
「ボケてない!」
「煙草は俺の酸素、酒は命の水やぞ」
「それだ! それ! 命!」
「は?」
「司、妊娠しているぞ!」
「はぁ?!」
ほんまに?
「ギャンブルもやめろ」
「それはええやろ」
◆◆◆
産婦人科行ったら、5週目やった。
なんや、この前、腹蹴られた気ぃすんねんけど。無事でよかったわ。
家に帰る。
「ただいまやで~」
「おかえり、司」
「靖及さん、俺な、妊娠しててん」
「…………」
固まった。おもろ。
「司……ありがとう…………」
抱き締められる。
「禁煙と禁酒せんとなぁ」
靖及さんの背に腕を回して、そう思た。
「名前…………」
「ああ、それな。もう考えてん。性別関係ない名前がええんちゃうか? 将来、なんにでもなれて、どこへでも行ける名前がええ」
「そうだな」
「せやから、“翼”がええかなって」
「いい名前だ」
「司ちゃん、天才やからなぁ」
「……世界は、3人のものだな」
「そやな!」
なんやろなぁ。この気持ち。一面ダイスでも振っとるみたいな。これからも、幸せ確定やなぁ。
俺と、アンタと、この子の3人で、ずっと幸せに生きていける。
◆◆◆
メッセージアプリで、仲間のグループチャットに、妊娠したことを報告したら、めちゃくちゃ祝われた。
ほんで、その後、会う人会う人に、色々もろたんやけど。
「これは、矢木教会の護符やろ。こっちは、博巳ニーサン直筆のお札で、こっちが八卦ちゃんのやつ。ほんで、神社の安産祈願のお守りがいくつか。あと、これは、寺のお守り……?」
こんな宗教ちゃんぽんしてええんか? ってメッセージ送ったら、砂絵さんが、『ヘレナ・P・ブラヴァツキーが創唱した、近代神智学的観点から言えば、最強の守りなのです』って返してきた。
最強なら、ええか。ありがたく、持っとこ。
俺が初めて持ったお守りは、渚が作った、鍵の形のペンダントや。
何度も質入れしたんやけど、いつも取り戻してきた。
このペンダント、子供に渡そかな?
渚が込めた祈りは、「運命の扉を開けますように」っちゅうもんなんや。この子が望むんなら、受け継いでほしいわ。俺には、もう必要ないもんやし。きっと、渚も了解するやろ。
早速、俺は渚に連絡した。
「渚ぁ、鍵のペンダント、子供に引き継がせてええやんな?」
『はぁ?! 子供出来たんか司?!』
「そういや、渚に言うの忘れとったわ。妊娠、5週目やって」
『お前、それ、狐ヶ崎の騒動の時、もう妊娠しとるやんけ! ひやひやするわ!』
「ほんまになぁ」
『もう家で大人しくしとき!』
「そうするわ。ほんで、ペンダントは?」
『好きにせぇ。それは、お前のもんやからな』
「おおきにな、渚。ほなな~」
『ほんま、大人しくせぇよ。あと、ギャンブルやめ————』
さいなら~。
「さて」
今なら、ふたり分の運がついとるからな。とりあえず、オンラインカジノに全部ぶっ込むで。