創作企画「冥冥の澱」
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男には、日記をつける習慣がある。もう、22年もの間、毎日書いている。
これは、そんな日記帳の断片。十北斗が、常に頭の片隅で考えていること。
北斗は、想いを口にするのが苦手だ。書く方が得意だ。
だから彼は、それを綴る。
◆◆◆
今日、僕の運命に出会った。僕の運命の人、真咲黎命くん。
僕の運命は君だけれど、君の運命は、違うのかもしれない。それでも構わない。どうか、僕を君の人生の隅に置いてほしい。
君の邪魔はしないから。どうか。
◆◆◆
黎命くんと、膚を合わせた。幸せだった。あの時間だけは、彼は僕だけを見ていてくれた。
僕は、壊れ物を触るみたいにしか、君に触れられない。僕は、臆病者だから。
「好き」とか「愛してる」とか、上手く伝えることが出来たか、分からない。
でも、君は、笑っていた。それが、嬉しかった。
黎命くん。僕は、君を愛してます。
◆◆◆
今日は、よくない日だった。黎命くんに、そういう相手が他にもいることは聞いていたけれど。それを、ゆるせないと思ってしまって。君を、憎みそうになる。
僕の人生は、君のせいで、めちゃくちゃです。
でも、僕のありふれた人生を彩ってくれたのも、君です。
ただ、この想いを抱き締めていたいだけです。
◆◆◆
黎命くんは、英語があまり分からない。だから、僕は英語で君に愛を伝えてみた。
「I love you from the bottom of my heart.」
心の底から愛してる。
「ええと……北斗さん、あの……後ろがまるきり分からねぇや……前はその……へへ……」と、君は言った。
分からなくてもいい。でも、この手は放さないで。
◆◆◆
黎命くんの好きなところ、君の全て。
黎命くんの嫌いなところ、君の全て。
こんなことは、秘密。絶対に言わない。
人生の隅に置いてくれるだけで、よかったはずなのに。僕は、欲深い。
僕を、ゆるさなくていい。
◆◆◆
黎命くんは、よくお腹を空かせている。僕は、すぐ食べられて日持ちするお菓子を持ち歩くようになった。
君が僕に与えた影響は、計り知れない。
日常の全てが、君に侵食されている。でも、別に構わない。
君が空腹なら、僕の人生を、残さず食べてしまえばいい。
◆◆◆
この愛惜の念を、どう伝えよう?
黎命くんに手放されたら、僕は、どう生きたらいいのか分からない。それくらい、君は、僕の深いところに根差している。
好きなんて、綺麗な感情だろうか?
愛してるなんて、尊い感情だろうか?
僕のこの想いは、最早、なんと呼べばいいのか分からない。
きっと、君に捨てられたら、泣きながらすがり付いてしまう。
そんな日が来ないことを祈る。
側に置いていて。静かにしているから。
これは、そんな日記帳の断片。十北斗が、常に頭の片隅で考えていること。
北斗は、想いを口にするのが苦手だ。書く方が得意だ。
だから彼は、それを綴る。
◆◆◆
今日、僕の運命に出会った。僕の運命の人、真咲黎命くん。
僕の運命は君だけれど、君の運命は、違うのかもしれない。それでも構わない。どうか、僕を君の人生の隅に置いてほしい。
君の邪魔はしないから。どうか。
◆◆◆
黎命くんと、膚を合わせた。幸せだった。あの時間だけは、彼は僕だけを見ていてくれた。
僕は、壊れ物を触るみたいにしか、君に触れられない。僕は、臆病者だから。
「好き」とか「愛してる」とか、上手く伝えることが出来たか、分からない。
でも、君は、笑っていた。それが、嬉しかった。
黎命くん。僕は、君を愛してます。
◆◆◆
今日は、よくない日だった。黎命くんに、そういう相手が他にもいることは聞いていたけれど。それを、ゆるせないと思ってしまって。君を、憎みそうになる。
僕の人生は、君のせいで、めちゃくちゃです。
でも、僕のありふれた人生を彩ってくれたのも、君です。
ただ、この想いを抱き締めていたいだけです。
◆◆◆
黎命くんは、英語があまり分からない。だから、僕は英語で君に愛を伝えてみた。
「I love you from the bottom of my heart.」
心の底から愛してる。
「ええと……北斗さん、あの……後ろがまるきり分からねぇや……前はその……へへ……」と、君は言った。
分からなくてもいい。でも、この手は放さないで。
◆◆◆
黎命くんの好きなところ、君の全て。
黎命くんの嫌いなところ、君の全て。
こんなことは、秘密。絶対に言わない。
人生の隅に置いてくれるだけで、よかったはずなのに。僕は、欲深い。
僕を、ゆるさなくていい。
◆◆◆
黎命くんは、よくお腹を空かせている。僕は、すぐ食べられて日持ちするお菓子を持ち歩くようになった。
君が僕に与えた影響は、計り知れない。
日常の全てが、君に侵食されている。でも、別に構わない。
君が空腹なら、僕の人生を、残さず食べてしまえばいい。
◆◆◆
この愛惜の念を、どう伝えよう?
黎命くんに手放されたら、僕は、どう生きたらいいのか分からない。それくらい、君は、僕の深いところに根差している。
好きなんて、綺麗な感情だろうか?
愛してるなんて、尊い感情だろうか?
僕のこの想いは、最早、なんと呼べばいいのか分からない。
きっと、君に捨てられたら、泣きながらすがり付いてしまう。
そんな日が来ないことを祈る。
側に置いていて。静かにしているから。