創作企画「冥冥の澱」
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クリスマスに、あまり縁がない。
昔、帆希さんが、サンタクロースからのプレゼントを預かっていると言って、私にくれたけど。あれは、帆希さんの思いやりだ。
私は、あなたに何をあげられる?
とても悩んだ。悩み抜いて、考え付いたものを、私はプレゼントにすることにした。
「陽一さん、こちら、クリスマスプレゼントです」
「ありがとう、宵くん。これは、僕から」
「ありがとうございます」
初めての、プレゼント交換。
「お箸だ!」
「はい。その、実は、私のものとお揃いなんですけど……」
持ちやすい、七角形の黒檀のお箸。
「凄く嬉しいよ! 宵くんとお揃い!」
「……よかったです」
顔が熱を持つ。
陽一さんからのプレゼント。なんだろう? 包装紙を開く。
「マフラーですね。狐のしっぽみたいな」
ふわふわしている。暖かい。
「宵くん、狐が好きだから」
「ありがとうございます。大切にします」
首に巻いてみた。
「似合います?」
「可愛い!」
「照れますね……」
メリー・クリスマス。
◆◆◆
クリスマスには、特に思い入れがあらへん。鍵野家には、クリスマスを祝う習慣がないねん。
だけど、今年はアンタがおるから。俺は、クリスマスプレゼントを用意した。
「司」
「なんや?」
「これを、司に」
靖及さんがくれたのは、赤色と白色、二色の薔薇の花束。
「ありがとうな。綺麗で、華やかやん。靖及さんは、花くれるやろな、思っとったわ。俺からは、これな。割れもんやから、気ぃ付けてや」
「ああ。ありがとう」
靖及さんが、箱を開ける。
中身は、ガラス工房に頼んだ、オーダーメイドの花瓶。蜘蛛と蝶が並んでいる。
「美しいな」
「せやろ? 司ちゃんのオーダー通りに作ってもらったやつやねん」
早速、薔薇を挿そうっちゅう話になって、花瓶に水を入れる。そんで、俺が薔薇を入れた。
それを、テーブルの真ん中に置いて、ふたりで眺める。
「ええやん」
「綺麗だ」
「そやな。綺麗や。縁起もええし、宝くじ当てたるわ」
メリー・クリスマスやで。
◆◆◆
「やってる全ソシャゲ・ブラウザゲーのクリスマスイベント、走りきったよ!」
「おめでとうございます!」
オタクは、いつも忙しいのです。コンテンツの海に、溺れているのです。
「砂絵さん。これ、僕からのプレゼントです」
「ありがとう! えへへ。これは、ワタシから」
「ありがとうございます」
ワタシが貰ったプレゼントは、美しい刺繍の入った紫色のハンカチだった。
「ひえ。推し色、推し色のハンカチ!」
ちなみに、該当する推しは複数いる。偶然。
「ありがとう! 本当にありがとう!」
「喜んでもらえて、何よりです。僕のは……」
綺麗に包装紙を開けるアナタ。喜んでくれるかな?
「これ……これ、期間限定生産だった例のフィギュアじゃないですか……! これ、今ではプレ値になってるやつ……!」
そう。ワタシは、アナタの大好きなロボットアニメの人型巨大ロボのフィギュアをあげた。
「なんとかしました。人脈はないけれど、それなりに根気はあるので」
「ありがとうございます! 大切に飾ります!」
「じゃあ、アニメマラソンしようか?」
「はい!」
メリー・クリスマス!
◆◆◆
教会で、聖歌隊のひとりとして、歌を唄う。
今年は、独唱部分が、僕の担当。
信徒のみんなのために、歌うよ。僕は、人間が好きだから。
天使も神様も、僕のことが嫌いだろうけど。僕は、嫌ってる訳じゃない。ただ、気が合わないだけ。
独唱をする。ねぇ、僕の声、カワイイでしょ? だって、悪魔だもん。
信徒のみんなは、僕を見てる。みんな、幸せになぁれ。
クリスマス礼拝が終わって、僕と両親は家に帰る。
「ろっくん、ママとパパからのクリスマスプレゼントよ」
「ろっくん、開けてみて」
「ありがとう、ママ、パパ」
中身は、白くてふわもこなケープだった。カワイイ僕に、きっと似合う。
「着てみて、着てみて!」
「うん、ママ」
ケープを身に纏った。あったかい。
「きゃー! ろっくん、可愛い! チューしちゃお!」
「ボクも」
ママとパパが、僕の両頬にキスをした。お返しに、僕もふたりの頬にキスをする。
メリー・クリスマス。
昔、帆希さんが、サンタクロースからのプレゼントを預かっていると言って、私にくれたけど。あれは、帆希さんの思いやりだ。
私は、あなたに何をあげられる?
とても悩んだ。悩み抜いて、考え付いたものを、私はプレゼントにすることにした。
「陽一さん、こちら、クリスマスプレゼントです」
「ありがとう、宵くん。これは、僕から」
「ありがとうございます」
初めての、プレゼント交換。
「お箸だ!」
「はい。その、実は、私のものとお揃いなんですけど……」
持ちやすい、七角形の黒檀のお箸。
「凄く嬉しいよ! 宵くんとお揃い!」
「……よかったです」
顔が熱を持つ。
陽一さんからのプレゼント。なんだろう? 包装紙を開く。
「マフラーですね。狐のしっぽみたいな」
ふわふわしている。暖かい。
「宵くん、狐が好きだから」
「ありがとうございます。大切にします」
首に巻いてみた。
「似合います?」
「可愛い!」
「照れますね……」
メリー・クリスマス。
◆◆◆
クリスマスには、特に思い入れがあらへん。鍵野家には、クリスマスを祝う習慣がないねん。
だけど、今年はアンタがおるから。俺は、クリスマスプレゼントを用意した。
「司」
「なんや?」
「これを、司に」
靖及さんがくれたのは、赤色と白色、二色の薔薇の花束。
「ありがとうな。綺麗で、華やかやん。靖及さんは、花くれるやろな、思っとったわ。俺からは、これな。割れもんやから、気ぃ付けてや」
「ああ。ありがとう」
靖及さんが、箱を開ける。
中身は、ガラス工房に頼んだ、オーダーメイドの花瓶。蜘蛛と蝶が並んでいる。
「美しいな」
「せやろ? 司ちゃんのオーダー通りに作ってもらったやつやねん」
早速、薔薇を挿そうっちゅう話になって、花瓶に水を入れる。そんで、俺が薔薇を入れた。
それを、テーブルの真ん中に置いて、ふたりで眺める。
「ええやん」
「綺麗だ」
「そやな。綺麗や。縁起もええし、宝くじ当てたるわ」
メリー・クリスマスやで。
◆◆◆
「やってる全ソシャゲ・ブラウザゲーのクリスマスイベント、走りきったよ!」
「おめでとうございます!」
オタクは、いつも忙しいのです。コンテンツの海に、溺れているのです。
「砂絵さん。これ、僕からのプレゼントです」
「ありがとう! えへへ。これは、ワタシから」
「ありがとうございます」
ワタシが貰ったプレゼントは、美しい刺繍の入った紫色のハンカチだった。
「ひえ。推し色、推し色のハンカチ!」
ちなみに、該当する推しは複数いる。偶然。
「ありがとう! 本当にありがとう!」
「喜んでもらえて、何よりです。僕のは……」
綺麗に包装紙を開けるアナタ。喜んでくれるかな?
「これ……これ、期間限定生産だった例のフィギュアじゃないですか……! これ、今ではプレ値になってるやつ……!」
そう。ワタシは、アナタの大好きなロボットアニメの人型巨大ロボのフィギュアをあげた。
「なんとかしました。人脈はないけれど、それなりに根気はあるので」
「ありがとうございます! 大切に飾ります!」
「じゃあ、アニメマラソンしようか?」
「はい!」
メリー・クリスマス!
◆◆◆
教会で、聖歌隊のひとりとして、歌を唄う。
今年は、独唱部分が、僕の担当。
信徒のみんなのために、歌うよ。僕は、人間が好きだから。
天使も神様も、僕のことが嫌いだろうけど。僕は、嫌ってる訳じゃない。ただ、気が合わないだけ。
独唱をする。ねぇ、僕の声、カワイイでしょ? だって、悪魔だもん。
信徒のみんなは、僕を見てる。みんな、幸せになぁれ。
クリスマス礼拝が終わって、僕と両親は家に帰る。
「ろっくん、ママとパパからのクリスマスプレゼントよ」
「ろっくん、開けてみて」
「ありがとう、ママ、パパ」
中身は、白くてふわもこなケープだった。カワイイ僕に、きっと似合う。
「着てみて、着てみて!」
「うん、ママ」
ケープを身に纏った。あったかい。
「きゃー! ろっくん、可愛い! チューしちゃお!」
「ボクも」
ママとパパが、僕の両頬にキスをした。お返しに、僕もふたりの頬にキスをする。
メリー・クリスマス。